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【 TPP、日米交渉の崩壊 】交渉の場での日米の攻防《1》ECO

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所要時間 約 4分

すでに数か月の間、進展が見られない日米間の交渉
11月の米国中間選挙後、一気呵成に決着させるべく準備を進めるオバマ政権

エコノミスト 10月4日

TPP03
アメリカ合衆国と日本は、自由貿易世界の3分の1を占める12カ国が参加するTPP、環太平洋パートナーシップの最大のメンバー国です。
TPPは、『21世を迎えての野心的な提案』をまとめるための交渉に入っていました。

誰の目から見ても進展が見られないここ数カ月間の2か国間の駆け引きの中で、交渉に従事している人間たちは何とか相手から前向きと受け取れる言辞を引き出そうと四苦八苦してきました。
しかし両陣営のスタッフは9月24日、TPP交渉の突然の決裂によりこの難問から解放されることになりました。
日本の甘利明経済産業大臣がアメリカの首都ワシントンで開催されていた交渉の場を飛び出し、マイケル・フロマン米国政府代表との話し合いを放棄したのです。
甘利大臣の席のテーブルの上には、食べ残しのサンドイッチだけが残されていたとアメリカのメディアが伝えました。

TPPは、経済を活性化させると宣言した日本の安倍晋三首相の計画にとって、必要欠くべからざるものであると思われていました。
日本の農業の保護政策は国際的にみてかなり強力なものであり、産業としての能率には問題があります。

TPP05
安倍首相は、高額の輸入関税を課して保護している米、小麦、牛肉、酪農、砂糖を含む「神聖な」領域に関しては、大きな政策転換を約束しました。
アメリカ側は、日本の農業がその政策転換に対応するためには、ある程度の時間が必要だという事は理解していました。
しかし、日本側が輸入関税の大幅な引き下げを拒否したことについて、アメリカ側の交渉担当者は失望を露わにしました。
日本側の担当者は粘り強く交渉を続ければ、アメリカ側からより一層の譲歩を引き出せると考えていた可能性があります。
もしそうだとすれば、その判断は誤りだと言わなければなりません。
憤慨したアメリカ側の交渉担当者は、輸入自動車部品の関税率を下げるオファーを取り下げました。

それで終わりでした。

日本の政策担当者の1人は今回の交渉について、1980年代の熾烈な日米間の貿易戦争以来、最も険悪な交渉だったという言い方をしました。

アメリカ側は11月11日にミャンマーで開催される東アジア・サミットの開催に間に合うよう、「原則的合意」が成立することを望んでいました。
日本とアメリカの間の進展がなければ、TPP全体における進展を望むことはできません。

TPP02
日本側は、いずれにせよ11月のアメリカの中間選挙の前には進展は見込めそうもないと考えています。
一方のバラク・オバマ大統領は中間選挙後に一気呵成に交渉を妥結にまで持ち込むべく、準備に余念がありません。
それが意味するところはこれまでオバマ政権が進めてきたシナリオに、アメリカ下院が余計なくちばしをさしはさむ前に、賛成か反対かの議決をさせるところまで米間の交渉を進めてしまおうという意図があるという事です。
しかし日本側からこれまで以上の譲歩を引き出さない限り、すでに気が重い課題となっているオバマ政権の対日交渉は、より困難なものとならざるを得ません。

TPPという名の乗り合いバスは、立ち往生しています。

http://www.economist.com/news/asia/21621893-trade-talks-unexpectedly-break-down-stalemate?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

 

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