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処理の目処が立たない核廃棄物を、再び貯めこむ路線に向かう日本政府[FOXニュース]

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【日本政府、原子力発電の段階的廃止から後退 / 原子力規制委員会、新たに発足】

AP通信 / FOXニュース 9月19日


19日水曜日、日本政府は段階的に原子力発電を廃止するとする諮問委員会が提出した提案を採用せず、実質的に原子力発電の廃止を棚上げにしました。
日本政府は原子力発電の廃止に強力に反対する経済界の一部、そして原子力発電所が立地する地方自治体の圧力に屈したのです。

昨年の福島第一原発事故の発生原因を作った原子力安全・保安院に代わり、日本の原子力発電事業を管理監督する原子力規制委員会の発足と同時に、政府の決定は行われました。
諮問委員会が提出したプランを採用せずに、各閣僚はただ漠然と脱原発依存の方向性を認めただけでした。

福島第一原発の事故発生以来、国民の間に高まり続ける反原発意識を認識している内閣は、今後30年間、再生可能エネルギーの大規模開発と化石燃料の持続可能な利用により、脱原発は可能だと主張しています。


政府は原子力発電所の廃止に関する政策を「参考にする」程度にとどめ、国民の理解と支持を求めるつもりであると語りました。
この場合の国民という表現には一般国民と併せて、原子力産業に従事する人々、原子力産業に利害関係がある企業関係者、そして原子力発電所が立地し経済的に依存している地方自治体を含みます。

古川元久内閣府特命担当大臣(経済財政政策・科学技術政策担当)は、時間はかかるが日本のエネルギー政策の焦点は、原子力を段階的に廃止することであり続けると語りました。
同大臣は二酸化炭素排出量の削減のためにも、グリーン・エネルギー政策を推進すると誓いました。

原子力発電の廃止に対するあいまいではっきりしない態度は、数か月以内には実施の可能性のある総選挙で有利な立場を得るために、内閣は方針転換を行ったのだという批判を高めることになりました。

一方、財界の指導者は、内閣が原子力発電所の廃止案を引っ込めたことを称賛しています。

「内閣が2030年代(2040年まで)の原子力発電の段階的廃止という、具体的目標について言及しなかったことは、これを取り下げたものと解釈します。したがって、当面原子力発電の廃止は回避できたものと考えます。」
政治に対し常に強い影響力を発揮する、経団連の米倉会長がこう語りました。
米倉会長は18日火曜日、もし原子力発電の段階的廃止の方針は何もかも受け入れられないとして、採用の暁には政府の委員会の委員を辞任する、と迫ったのです。


つい最近まで原子力発電の発電割合を、2030年代を通し25%台を維持することを目指してきた日本政府である以上、方針転換はいつでもあり得ます。
「少なくとも今回の政策は、私たちが目指すべき方向だけは見せることができたと言えます。」
民間の核問題・原子力発電の監視組織である、原子力資料情報室( http://cnic.jp/ )の共同代表である伴英幸氏がこう語りました。
「しかし廃止への方向性は弱められ、いくつもの抜け道があります。財界から相当の圧力がかかったことは明らかです。」

日本は3月11日に襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こし、大量の放射性物質を環境中に放出する前までは国内に54基の原子炉を持ち、発電量の30%を原子力発電に依存し、その割合を50%にまで高める計画を持っていました。
現在は原子力発電に対する国民の懸念が高まり、2基を除いてすべて停止しています。

新たな原子力発電監視機関である原子力規制委員会は、19日水曜日に発足しましたが、5人の委員の中に原子力発電推進派と見られる人間が複数含まれていたため、機関の独立性を求める野党の国会議員の批判を浴び、数カ月間スタートが遅れました。
原子力規制委員会を率いるのは核物理学者で福島県福島市出身の田中俊一氏ですが、田中氏は旧原子力委員会の委員を務め、原子力発電の拡大路線を進めてきた人物です。

67歳になる田中氏は、放射能によって汚染されてしまった福島第一原発周辺の除染作業を手伝いました。
しかし住民の一部は、同氏が低線量被ばくの潜在的な危険性を軽視する発言を繰り返したとして、批判しています。


4人の他の委員は、国会による福島第一原発の事故調査委員会にも参加した元日本原子力研究開発機構職員、放射線の専門家、地震学者と元外交官です。
委員会の9月26日の発足の最終期限に間に合わせるため、必要とされる議会承認を得ることなく、野田佳彦首相は自らの権限による指名によって原子力規制委員会をスタートさせました。
この事もまた、広く批判を招くことになりました。
新しい機関は、旧監査機関である原子力安全・保安院、原子力委員会、その他の原子力関連の政府機関を統合したものです。
そして原子力政策の推進機関から距離を置くため、環境省の下に置かれます。
旧原子力安全・保安院は経済産業省の一部門であり、同省は日本の原子力政策を推進してきた当事者でした。

繰り返された事故調査の結果、原子力安全・保安院などの規制機関と東京電力の癒着が、チェルノブイリ以来最悪となる福島第一原発の事故の発生原因を作ったことが明らかになりました。

「私たちの目下の課題は、日本の原子力行政の立て直しと、完全に失われてしまった国民の信頼を回復することです。」
田中氏が初めて開かれた委員会でこうあいさつしました。

内閣諮問委員会によって先週金曜日にまとめられた新エネルギー政策は、2040年までに原子力発電が廃止された社会を求めています。
耐用年数を過ぎた原子炉を廃炉にし、代替の原子炉を設置しないことにより、段階的に原子力発電が廃止されることになっていました。
原子炉については稼働期間を一律に40年と制限されることになっていますが、例外的に20年の期間延長が認められる規定があります。
この廃止への段取りは一般国民から歓迎されましたが、力を持つ実業家たちの強い反発を招きました。
また原子力発電所が立地する地方自治体は、巨額の政府助成金が打ち切られてしまうことに強い抵抗を示しました。


のしかかるように迫る反対圧力をかわすため、日本政府は使用済み核燃料と放射性廃棄物の処理を含め、これから原子力政策の詳細について、すべてを曖昧にしてしまいました。
このため北日本の青森県での核燃料サイクルの継続を容認する事になり、日本は核不拡散条約の違反を続けながら、使用済みプルトニウムを溜め込んでいかざるを得なくなってしまったのです。

http://www.foxnews.com/world/2012/09/19/japan-gets-cold-feet-on-total-nuclear-phase-out/
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尖閣諸島の問題に絡み、自民党総裁選挙の候補者が異口同音に
「日米同盟の強化」
を謳っています。

皆さんはアメリカの『産軍複合体』が世界の戦争を作っている、そう指摘する論評があるのはご存知でしょうか?
『産』は軍需産業、『軍』はもちろん軍隊です。
『産軍複合体』は米ソの冷戦状態が火を噴いた1960年代から急速に拡大し、冷戦後は自分たちの体がしぼんでしまう事を何よりも恐れ、世界で次々と戦争を『作り出している』と言われています。

そして今、もうひとつ『日米原発産官複合体』がこの国を侵そうとしていると言われます。
この複合体は日本では『軍』ではなく、『官』すなわち官僚である事が特徴的のようですが…
ここも自分たちの体がしぼむ事を恐れ、互いに日米の反原発、脱原発の動きに目を光らせているようです。
自民党は原子力発電所の廃止について一切言及しておらず、もし政権をとれば『日米原発産官複合体』とともに原発ルネッサンスを再開してしまう可能性があります。

ところで皆さんは、湾岸戦争の際、総戦費610億ドルのうちアメリカが支出した戦費が70億ドルだったのに対し、日本の支出が90億ドル(当時1ドル=100円として9,000億円)だった事はご存知でしょうか?(他の大部分は湾岸産油国が負担。田中宇著『イラクとバレスチナ、アメリカの戦略』光文社文庫)

中国の傍若無人の態度も見過ごせませんが、だからといって単純にアメリカを頼れば、『日米原発産官複合体』が勢力を増し、アメリカの『産軍複合体』に日本が利用される可能性もあります。

私はこれほど中国が強硬な態度を取るのは、日本政府、そして日本の政治が完全に国民から見放されている、そこをすっかり見透かされている、それが最大の理由だと考えています。
自国民の支持をすっかり失っている政府、外交上これほど『怖くも何ともない』相手は無いからです。

安易に外国に頼る、そんな事より誠実に自国民に向き合う政府が存在する国には、中国・ロシアといえど好き勝手は出来ないと思うのですが…

 

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