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日本国憲法、改定の行方は?

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所要時間 約 8分

日本が最優先で取り組まなければならない問題、それが憲法改定だと考えている人はほとんどいない

日本の平和主義的理念を憲法に正式に記載し続けるべきだ、有権者はそう回答している

 

ドイチェ・ヴェレ 2017年10月23日

安倍晋三首相は衆議院議員選挙における一方的勝利の後、平和主義国家として存在感を示してきた日本の本質を、自分の考えに基づいて変えてしまう野心を追求することを誓いました。

ドイチェ・ヴェレは安部首相は日本国憲法の何を変えたいのか、そして何がその障害になるのか、独自の検証を行いました。

▽『戦後』憲法

第二次世界大戦の降伏したことを契機に、日本憲法は民主主義のプロセスを確立し、象徴としての天皇の地位を定義し、平和主義を基本とする国家を確立しました。

しかし主に日本人以外の起草者たちが徹底的な討議を行って作り上げた憲法が公布されて、すでに70年を超える歳月が経過しました。

そうした中、日本が常設軍を維持する権利を認めさせようとする新たな動きが浮上しています。

▽ 第9条『永久に戦争を放棄する』

日本の憲法第9条は、その平和主義の本質を象徴するものです。

第9条の条文の第一項では、『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』と述べ、

第二項では『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』と規定しています。

しかし安倍首相は、常設軍である自衛隊の維持を禁じる憲法の一部を改正するよう提案しています。

▽ 認識の問題
日本国憲法は、『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』と定めていますが、実際には世界有数の優れた装備を誇る軍隊を常設しています。

日本政府は他国などから攻撃を受けた場合に国家を防衛するため、自衛隊の存在を正当化してきました。しかし安倍首相は現状を法的に正当化するため、憲法の改定によってそれを実現させたいと考えているのです。

▽ 審議、議決、国民投票
安倍首相率いる連立与党は、憲法改正を発議するために必要な衆参両院の議席数の3分の2以上を占めていますが、すぐその手続きを始めるとは言っていません。

起草・公布以来一度も手を加えられたことが無い憲法を改訂するためには、3分の2以上の議決により衆参両院を通過なければなりません。

その後憲法改定の賛否を問う国民投票が行われ、過半数の国民の賛成が要求されるだけです。

▽ 平和主義の理想は生き続けている

国民の世論は憲法を改定するかどうかについて意見が分かれていますが、日本が何を置いてもまず取り組まなければならない問題が憲法改定だと考えている人はほとんどいません。

 

そして世論調査の結果の多くが、有権者は日本の平和主義的理念を憲法に正式に記載し続けるべきだと回答していることを明らかにしています。

読売新聞が行なった世論調査では、安倍首相が主張する日本の常設軍の存在を正式に憲法に記載すべきだという意見に賛成すると回答したのは35%にとどまり、42%は反対しているという結果を伝えました。

▽ 政治的分断

たとえ自民党支持者であっても、そして同じ考えを持つ保守派の人びとであっても、安部首相の主張をそのまま受け入れようとしているわけでは無く、安部首相のビジョンの前には数々のハードルが横たわっています。

そして日本国憲法をどう変えるのかという議論においても、憲法改定を主張する議員たちの意見は様々です。

しかしその事について安倍首相はあまり悩んではいないようです。

今回の衆議院選挙で自民党が一方的勝利を得たこ結果を見て、安部首相は次のように語りました。

「国民の生命や平和な暮らしを守るという決心を新たにしました。たとえ何があろうとも…」

 

http://www.dw.com/en/the-future-of-japans-constitution-explained/g-41071323

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安部首相は「議論を行う」と言ってはいるものの、自分の目指す方向に世論操作を行うつもりだな、ということを多くの国民が理解しています。

しかし私たち国民は受け身に回るのではなく、この機会に正面から議論を挑むべきではないでしょうか?

なぜ日本において正規軍を常設することが危険なのか?

そのために避けて通れないのが、第二次世界大戦(太平洋戦争)において、なぜ盧溝橋事件という中国における局地紛争が中国とアメリカに対する全面戦争に発展してしまったのか、その検証です。

日本はその検証を、国民全員が見ている場で未だ行っていません。

どころか科学的検証をしようとすると、安倍首相のような国家主義者たちが『自虐史観』だの何だのと客観的検証の妨害を始めるのが今の日本です。

 

戦争は仕掛けた側が「この辺りでちょうど良い」と考えるタイミングで止められるものでは決してありません。

多国籍軍の『完勝』に終ったはずのイラク戦争の後、周辺諸国まで巻き込んだ大混乱が発生し、無数の市民が命を失い続けている事実は、現に私たちが目撃しているものです。

米軍がアパッチヘリで、ソ連製T60戦車を主力にしたイラクの正規軍の隊列を徹底的に破壊したまでは簡単だったもしれません。

記録映画を見ましたが、あれは戦争というよりは屠殺に近いものでした。

しかしその後「戦勝軍」であったはずのアメリカ軍はしばらくすると、各所で襲撃を受け、イラク戦争中より戦後の犠牲者数が上回る緊急事態となりました。

その後、米軍が撤退すると、ご存知の通りイスラム国[ISIS]が現れ、イラク国民は塗炭の苦しみにあえぐことになりました。

 

どれ程優秀な兵器を揃えても、実際に戦争を始めてしまったら泥沼に落ちこんでしまうのは、アメリカはベトナムでも、イラクでも、アフガニスタンでも体験させられたはずです。

それでも戦争から逃れられないのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦をきっかけに国力をジャンプアップさせた『成功体験』があり、その背後に軍産複合体という巨大なシンジケートが隠れているからです。

私たち日本人の税金が注ぎ込まれてそこから高額な兵器を大量に買わされ、挙句私たちの子供たちが国外の戦場に送り込まれるようなことになったら…

もう受け身ではいられませんよね…

 

 

 

 

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