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日本は体外受精への依存が世界1位 – そして不成功例の多さも…世界1位

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日本では5分の1の夫婦が不妊に悩んでいる

年齢の高い女性にバラ色の期待を抱かせ、何度も処置を受けさせ繰り返し報酬を受け取る日本の不妊治療

 

エコノミスト 2018年5月26日

加藤レディース・クリニックの不妊治療の表看板は、生殖能力を向上させるという類のものとは一切異なります。
企業が集中する東京の高層ビジネス街にあって、同クリニックでは1日平均75人の女性の卵子に受精させています。
院長の加藤氏はこのクリニックが世界で最も繁忙を極める病院の1つだと語りました。

 

20年ほど前、日本のジャーナリストが皇太子妃の雅子さまが不妊治療に通っていることを一切報道してはならないと警告されて以来、日本は長い道のりを歩んできました。
皇位継承者の出産を期待されていた皇太子妃は、30代後半で無事に女児を出産しました(女児の誕生によって国家主義者などを失望させることにはなりましたが…)。

 

今日の日本の人口はアメリカの半分にも満たないものですが、不妊治療を行う病院やクリニックの数は3分の1以上です。
妊産婦の体外受精(IVF)数が全出生数の5%を占め、昨年5万人を超える赤ちゃんが誕生しました。

厚生労働省は日本のカップルの約5分の1が不妊の問題と闘っていると報告しています。
女性の結婚年齢は遅くなり続けています。

 

日本の社会に固有の女性に対する圧力により、他の裕福な先進諸国と比較すると婚姻が出産に結びつく割合がはるかに少ない現実を生み出しているのです。
結果として40代になって不妊治療を受ける日本女性の割合は約40%と、イギリスやフランスと比べ倍の割合に達しています。

その結果日本が公式の統計を取り始めた1899年以降、昨年になって年間出生数は初めて100万人以下に減少してしまいました。

日本の総出生率(未婚既婚を問わず女性が生涯にわたって出産すると予想される子どもの数の典型例に基づく)は、国の人口を安定的に保つために必要な数よりかなり少くなっています。
日本の安倍首相は日本の人口が1億人を割り込まないよう歯止めをかけると根拠もなく主張していますが、最悪の場合日本の人口は現在の1億2,700万人から5分の1にまで落ちこむ可能性があります。

 

2004年出生率の異常な低下に気がついた日本政府は、健康保険制度では費用の補填ができない体外受精に補助金の提供を始めました。
そして現在はその対象を未婚のカップルにも広げげることを検討中です。

 

受給者は初回の処置に150,000円、以降回数を定めて補助金が交付されます。
しかしこの金額では必要な費用の全てを賄うことはできません。
43歳以上の女性と年収730万円以上の世帯には適用されません。
NGOである不妊情報ネットワークの松本晶子氏は、多くの場合体外受精に必要な費用は1回あたり30万〜50万円になると語っています。

 

しかしその費用のほとんどが無駄になっています。
不妊治療の専門家である浅田義正氏によれば、体外受精の成功率は10%以下であり、しかもその割合は低下傾向にあります。
「日本の体外受精は世界最高の処置回数と世界最低の成功率を記録しています。」
浅田氏がこう指摘しました。

不妊治療を行う医療施設は年齢の高い女性にバラ色の期待を抱かせ、何度も処置を受けさせ繰り返し報酬を受け取ることに余念がありません。
医師はよく知られている副作用を恐れ、妊娠の可能性を高めるのに必要な強力な薬を処方するのを避ける傾向にあることも、なかなか成果が出ない原因の一つになっています。

専門家は病院を格付けする制度も含め、日本には不妊治療を規制する一定の基準を必要としていると指摘しています。
不妊治療薬を製造販売するデンマーク企業のオリジオ・ジャパンのクラウス・ヤコブセン社長は、日本では格付け制度が無いため不妊治療を受けるカップルは口コミに頼るしか無い状況に置かれていると語りました。

 

日本では代理出産、そして卵子や精子の提供はメンバーのほとんどが男性によって占められている産科婦人科学会によって規制され、その規則も極めて厳しいものになっています。
精子や卵子の提供者や代理母を求めて毎年何百人もの日本人が外国に行く羽目になっています。
ヤコブセン氏は、より現実に即したガイドラインと補助金を制度化することにより、日本は毎年300,000人の新生児を得ることができると考えています。
300,000人という数字は、現在の1年間の死亡者数から出産者数を引いた数とほぼ同じです。

 

https://www.economist.com/asia/2018/05/26/no-country-resorts-to-ivf-more-than-japan-or-has-less-success

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以前から、女性たちをいろいろ『追い詰めて』いるのは、「日本の社会構造なのではないか?」と考えてきた私にとって、この記事は一つの答えでした。

日本の少子化はその社会構造が作り出してるのであって、女性や若年層の人々に責任を求めるべきものではありません。

結婚するのにもいろいろと社会的に制約がかかり、しかも金もかかる

子供産むのにもいろいろと社会的に制約がかかり、しかも金もかかる

こういう状況の中で婚期が遅れ、出産が遅れることをすべて個人の責任にすべきではないでしょう。

 

私の子供時代、昭和40〜50年代、独身女性の職業に「家事手伝い」とあるのは普通のことでした。

学校を卒業した後、家庭で家事全般について母親や家族から学びながら、来るべき結婚に備えていた女性たちのことです。

我が家は母親も働いていてましたが、そういうのは『共稼ぎ』と言われてむしろ特殊な方に分類され、まだまだ『専業主婦』が多数派の時代でした。

 

そんな環境の方が、子供を産み育てるには適していたかもしれません。

 

日本には一国の総理大臣が口先でリップサービスするのではなく、子供を産み育てる女性たちをもっと真剣に支える仕組みが必要です。

 

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