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新首相『安倍Ⅱ世』、彼は日本をどこに導きたいのか?!

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所要時間 約 12分

アジア太平洋地区諸国のどこも歓迎しない、日本の軍備強化

ジェフ・キングストン / アメリカCNNニュース 1月21日

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今後日本が東南アジア諸国連合(ASEAN)をアジアにおける日本外交の要とする方針である事を、安倍首相のベトナム、タイ、インドネシアへの歴訪が明らかにしました。
アルジェリアで発生した日本人拘束事件への対応のため、予定より早く今回の訪問を切り上げる前、安倍首相は以下のようにコメントしました。
「開かれた海は各国共通の財産であり、日本はその安全を守るためASEANと協力しながら最大限の努力を行います。中国の経済成長は日本にとって確かにプラス要因ですが、中国にとって大切なことは国際社会の一員として責任ある行動をとることです。」

東シナ海に浮かぶ尖閣(ダイユー)諸島をめぐる領土紛争がエスカレートする中、安倍首相の外交方針は中国に対し、力の差を少しでも優位に保とうとするものであるように見受けられます。

皮肉にも彼が以前首相であった2007年、最後にASEAN諸国を訪問した際に安倍首相は、自由な、そして活発な経済関係の架け橋を作るべく努めました。しかしこの経済に重点を置いた構想に中国を含めるという事に対しては、各国の反応は鈍いものでした、
そして現在、中国の力による台頭はASEAN諸国の懸念材料になっています。

ますます強硬さを増す領土問題における中国の譲らない態度は、各国との間に緊張関係を作り出し、中国を外交的に孤立させることになりました。

安倍首相の第二次世界大戦中の歴史認識について(特に従軍慰安婦の問題について)は、各国には等しく幅広い懸念がありますが、戦後アジアの平和の維持と経済的発展に対する日本の貢献に対しては、各国ともに高く評価しています
ASEAN諸国の間には、日本がこの地域の安定に脅威を与えるという懸念はありません。

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しかし中国に対しては、各国が警戒感を抱いています。

安倍首相は日本経済復活のための道筋をつけて夏の参議院選挙で勝利を手にした上で、日本の軍事行動に対する制約を取り払うために、一気に憲法改正に踏み切る事を自らの課題としています。

2007年、政治手腕が未熟だったことに加え、国民が望む経済問題の解決に失敗し、一度は手にした首相の座から去らなければならなかった安倍首相は、今回復活を期し、地を蹴って立ち上がりました。
彼は日本銀行に無制限の金融緩和と2%のインフレターゲットを採用するよう圧力をかけ10兆円に上る景気刺激策を行う事を表明しました。
そして東南アジアとオーストラリアに重要な外交使節団に加え彼の財務大臣とと外務大臣を派遣し、関係修復のため韓国の新しい朴槿恵(パク・クンへ)大統領に特使を派遣しました。

日本外交を不安定にしているものは経済、そして安全保障上の問題です。
東南アジアの成長を見込んで、多くの日本企業が多額の投資を行っています。

日本は東南アジア各国にとって主要な経済パートナーですが、安倍首相は一層の地盤づくりを目指しています。
そして国内に対しては、日本は未だに経済大国の地位を守り続けているという安心感を与えようとしています。

2009年、民主党政権に代わった時、当時の鳩山首相は中国を訪問して日中関係の強化を目指しましたが、思惑通りには進みませんでした。

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中国が東シナ海の問題の島々付近で行った空と海における示威行動は、日本人が抱く安全保障の懸念を大きくし、両国の経済関係も悪化させました。
両国間では経済問題と政治上の問題は切り離して考えるとの合意がなされましたが、今後の展開は予断を許しません。
中国の急速な経済成長に、日本の実業界は大きな役割を果たし、今後もその状況は変わらないでしょう。
しかし双方の対立ムードが劇的に拡大する中、これまでの経済関係はその規模を縮小せざるを得なくなるでしょう。
アセアン諸国のGDPは全部合わせても中国の3分の1しかありませんが、豊かな資源に恵まれ、経済成長の余地も大きく、中国におけるような政治的なリスクもほとんどありません。

一方オバマ政権にとって、現在アメリカにとっても最も経済的チャンスに恵まれる一方、政治的リスクも無視できないアセアン諸国に対しては、もともと持っている安全保障上の資産を再配分することが戦略の要になります。
アメリカがイラクとアフガニスタンに足を取られている以上、中国がアジア太平洋地域での影響力を増していくことについては、これを見過ごすしかないという認識がありました。
オバマ政権は中国との間で、友好関係を維持することの重要性を解き続けましたが、結局は『封じ込め、孤立させる』政策を採らざるを得なくなったようです。

安倍首相も動きました。
10億ドル(900億円・2.6%増)の防衛予算の増額を要求し、6隻の新たな海上保安庁の艦艇の建造を決定しました。
安倍首相は景気刺激のための予算の中に、多額の安全保障予算を盛り込んだ上で、日本の安全保障システムの重点を南西の沖縄に移し、争いの種となっている尖閣諸島への中国側の接近に備え、海上保安庁のによる船団を組織し、その動向の監視を強化することにしています。
さらにはアメリカと協働して制約の無い行動がとれるよう、防衛ガイドラインの修正を図ろうとしています。

安倍首相が第2の幕を挙げるのは、参議院選挙後になると見られています。

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この選挙に自民党が勝利すれば、衆参両院において主導権を握ることが出来ます。
そしてその時こそ長年の宿願としてきた、日本が軍事行動を行う際の制約を取り払うため、憲法の改定を行うチャンスを手にすることになります。

しかしその方針は国内でも論議の的になっており、第二次世界大戦(太平洋戦争)中に日本軍により少なからぬ被害を受けた国々の間にも、警戒感が広がっています。
一方アメリカ政府は、アジア太平洋地区における軍事負担を肩代わりしてくれる相手の登場を歓迎しています。
中国はこの10年微笑み外交を展開し、中国は決してアジア太平洋地区の脅威にはならないことをアピールしてきましたが、国内で多発した騒乱、そして決して非を認めない傲岸さは外交的孤立を招いただけでした。

それと同じように、日本の右傾化と安倍首相による軍事力の強化は、関係各国に警戒感を抱かせ、アジア太平洋地区の外交関係において逆効果になりかねません。
現在の安倍首相の意向により打ち出されている政策、そして段々に威嚇能力を上げて行こうとする姿勢は、日本にとっては将来性も無く、そして危険なものです。

冷静な外交姿勢、そして尖閣問題については互いに冷却期間を設けることにより、日中双方が誤算に基づく深刻な事態の発生を回避し、この問題を鎮静化させるのに役立つことになるでしょう。

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第二次世界大戦(太平洋戦争)以降、日本がアジア太平洋地区において信頼を取り戻し、高い評価を得るに至ったのは、戦争という手段を放棄し、経済協力、技術協力、文化交流などの平和的手段に徹したためであったのです。

※ジェフ・キングストンは、日本にあるテンプル大学のアジア研究部門の責任者です。
地方分権主義、地域紛争と国家間の連携に関する専門家です。
キングストンは、多数の国際的報道機関に常時原稿を提供しています。

リンクコード( http://cnn.com/video/#/video/world/2013/01/21/zolbert-japan-group-hug.cnn )

http://edition.cnn.com/2013/01/20/opinion/japan-abe-redemption-kingston/index.html?hpt=ias_t4
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今日から[世界は今、日本の政治をどう見ているのか?!]というテーマで、世界の一流新聞、一流雑誌に1月後半に掲載された記事を、順次ご紹介して行きます。
この場合の一流とは、その質の高さを世界が認めるメディアの事で、単に発行部数が多いとか、そういう事ではありません。
今日掲載のアメリカCNNニュースから始まり、ドイツのデア・シュピーゲル、エコノミスト(英国)、ワシントンポスト(米国)、ザ・ガーディアン(英国)、ニューヨークタイムズ(米国)と続けていく予定です。

当然各メディアとも安倍政権に焦点を当てていますが、ご想像の通り私自身は彼のファンではありませんので、このテーマばかりが続くと息苦しさを覚えてしまいます。

適当な間隔で、別の話題も取り上げようと思っていますので、よろしくお願いいたします。

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【 氷と炎 】

アメリカNBCニュース 1月24日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

燃え残った建物の中で、尚もくすぶり続ける炎に放水する消防士。

燃え残った建物の中で、尚もくすぶり続ける炎に放水する消防士。


1月23日夜間、シカゴ南郊の倉庫が火事になりましたが、駆けつけた消防士たちは折からの骨まで凍りつくような寒気の中、思うような消火活動ができず、鎮火に手間取ることになってしまいました。

200人を超える消防士は、マイナス10度以下という気温の現場で、類焼を防ぐため、倉庫全体をなめつくすような巨大な炎との格闘を強いられました。
今回の火事についてシカゴ市消防本部は、「最大規模の緊急出動プラス2段階の特別出動」という、きわめて稀な大規模な火災であったとツイートしました。
シカゴ市の消防士全員の3分の1にあたる200人を超える消防士が出動した今回の火事は、この数年で最大規模のものになりました。

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消火作業中に凍りついてしまった消防士の手袋。

消火作業中に凍りついてしまった消防士の手袋。


消防ホースも、あっという間につららができた。

消防ホースも、あっという間につららができた。


現場になった倉庫の中は、幸いにも空っぽだった。

現場になった倉庫の中は、幸いにも空っぽだった。


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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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