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危機の時代のジャーナリズム《7》

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所要時間 約 9分

ジャーナリズムの本質は、市民一人一人が抱く疑問の答えを一緒に探すこと

一般市民に変革のための力を感じさせる、市民改革が可能だと感じさせる、それが信頼されるメディア

 

 

キャサリン・ヴィナー / ガーディアン 2017年12月8日

購読、寄付、メンバーシップを通じガーディアンをサポートしていただくことにより 、市民一人ひとりの方に私たちのミッションに参加していただけます。
私たちは読者のみなさんが報道コミュニティの一員であることを歓迎しています。
それはガーディアンを読む、聴く、見る、そして情報を共有する、匿名で情報を送っていただく、あるいは報道プロジェクトに参加していただくことを意味します。

 

そして私たちは公共の利益のために働いている組織であれば、それが報道機関でなくとも協働することができます。

私たちは無記名投票や一握りの大手メディアが終わりを迎えようとしているのに、そこにしがみつくのではなく、世界中の一般市民が参加する新しい形の報道のあり方を受け入れなければなりません。

 

エザン・ズッカーマンはこう述べています。
「もし新しいニュース組織が一般市民に変革のための力を感じさせることができれば、市民改革が可能だと感じさせることができれば、これまで何年もニュースメディアに対して感じることができなかった力強さと信頼を取り戻すことができるでしょう。」

ガーディアンは現在、広告主よりも読者の方々に資金的に支えられています。
これは別に新しいビジネスモデルというほどではありません。
それは読者の皆さんがガーディアンのジャーナリズムの何に価値を感じているか確かめるチャンスを与えられたということです。

誠実な報道をするためには時間がかかり、努力も必要です。
そして慎重に事実を明らかにし、確固たる意見を述べるための基盤をしっかりさせなければなりません。
読者が持つアイディアや主張について、徹底して耳を傾けなければなりません。
それも1日限りではなく。

 

私たちが読者から直接資金を得ているということは、最も意味のあるテーマに焦点を当てなければならないということです。
慎重に予算を使う必要があり、それによって生み出されるものは1世紀、ガーディアンを創刊したC.P.スコットが思い描いた「発行部数の多さを鼻にかけるようなことが決してない偉大な新聞」でなければなりません。

 

深刻な時代にあっては、単なるニュース以上に思慮深く示唆に富んだ特集記事にたいする欲求は、当然ながらこれまで以上に大きくなることてしょう。
私たちの読者はテクノロジー、経済、科学、芸術に対する造詣の深いジャーナリズムによって、自らも成長を遂げたいと願っています。
ジャンクなみの情報でぱんぱんに膨らんだメディアなど望んではいません。

 

読者が望むのは、私たちがどのような時代をどう生きているのか役に立ちしかも楽しめる報道です。
トレンドを見つけ出したり気分を高揚させてくれたり、人生を肯定し何に触発され何に挑戦しようとしているのかなど他の人びとが語っていることを伝えてくれることです。
報道は楽しめる内容を持った面白いものでなければなりませんが、それはあくまで誰かを嘲笑するのではなく読者とともに楽しむという点にこだわらなければなりません。
読者の関心事は悪用されたり売り買いされるべき商品ではないのです。

私たちは事実のみを伝えます。
読者は信頼出来る情報を望みそして必要としている以上、私たちは事実であるかどうかにこだわります。

 

これが私たちの基本姿勢です。

政治について一時的な興奮を煽るようなメディアへの信頼が低下するにつれて、ガーディアンに対する世界中の人々からの支持が増え続けていますが、それは私たちが事実を尊重と公平であろうとしているからだと考えています。

かつてガーディアンは紙面に対する「コメントは自由です」という革新的な考え方を電子媒体上に取り入れましたが、今日の優先しているのは「事実は神聖なものである」というポリシーを保証することです。

 

ガーディアンの企業構造は完全に独立してものであり、政治的にも商業的にも直接的に影響を及ぼす個人も組織も存在しません。

中立を指向するジャーナリストとしての価値観だけが、掲載すべき記事であるか無いかの判断基準です。

それは途切れることなく、確信をもって維持され続けています。

 

私たちは常に一般市民が疑問に思う事柄を追い続け、そこにある疑問、これまでいかなるメディアにも取り上げられなかった疑問を探しています。

誠実な姿勢のまま、記者たちはあらゆる状況に謙虚にアプローチしています

記者たちはこれまでその発言を取り上げられることが無かった人々を見つけ出し、虚心にその話を聞いています。

ガーディアンの記者たちは話を聞くべき場所を知るようになりました。

私たちは大都市や大きな立派な建物を出て、時間をかけて取材をしていきます。

ガーディアンの解説は事実に基づいたものでなければならず、ニュースと論説は明確に区別されなければなりません。

私たちが提供するのは今日の社会問題について存分に見聞きし、議論することができる空間です。

私たちは新たらしい技術が生まれて来る最前線にいて、それがガーディアンの報道姿勢と読者の生活に本当に役立つように利用する方法を考案して行きます。

それらすべてにガーディアンのロゴがつくことに誇りを感じてもいます。

 

望むものを大量に供給して読者を圧倒するのではなく、読者にとって真に価値がある記事を編集して行きます。

印刷された紙面においても電子版においても、ガーディアンは解りやすい解説、ひと目でわかるビジュアル、そして持続性のある情報提供を行います。

近頃はジャーナリズムが次々と現れるプラットフォームに優先順位をつけたがる傾向がありますが、ガーディアンはジャーナリズムの存在理由を優先させなければなりません。

 

《8》に続く
https://www.theguardian.com/news/2017/nov/16/a-mission-for-journalism-in-a-time-of-crisis
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この記事を読むと、中立報道の本当の姿勢が見えてきます。

いかなる影響も排除し「中立を指向するジャーナリストとしての価値観だけが」報道するための基準だとしています。

これを念頭に置いて日本のNHKについて考えてみましょう。

多数のツイッターなどを参照していると、現在のNHKが戦前同様の国策宣伝機関に陥りつつある姿が浮かび上がってきます。

国民全員から聴取料を徴収して成り立っているその経営方法は「いかなる影響も排除し、中立を指向するジャーナリストとしての価値観に基づく」報道をするためなのではないでしょうか?

 

ところが現在のNHKは「一般市民に変革のための力を感じさせることも出来なければ、市民改革が可能だと感じさせることもできない」メディアだと言わざるを得ません。

NHKの報道担当部門における裁量権をお持ちの諸氏には、この記事をじっくりとお読みいただき、良心に恥じることがないかどうかお考えいただきたいものです。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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