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北朝鮮の核ミサイルはどこに照準を合わせている?

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所要時間 約 11分

なぜ核兵器なのか?/どうやって手に入れたのか?/本当に水爆を保有しているのか?

米国韓国の合同軍事演習が北朝鮮の核・ミサイル実験を誘発、これに米韓が報復の『軍事演習』を繰り返す悪循環が続く

 

アルジャジーラ 2018年1月1日

▽ 北朝鮮の核破壊能力とその動機

 

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は2018年の年頭の演説の中で、次のように語りました。

「今や米国全土が北朝鮮の核兵器の到達範囲内にあり、その発射ボタンは私のオフィスの机の上に置かれている。」

北朝鮮の航続距離が最も長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)である火星15号型ミサイルは、理論的には約13,000km先の目標を攻撃する能力を持ち、基本的に地球上のほとんどの場所をその照準内におさめます。

照準の外にあるのは南米大陸と南極大陸だけです。

この理論値は2017年11月29日に海面に着水するまで約53分前に飛行した火星15号型(ファソン15)の性能の分析を基に推定されたものです。

 

15号型に先立ち、北朝鮮は7月初旬、理論的には10,400kmの航続距離を持つ火星14型ミサイルの飛行実験を行いました。

火星14型は約45分間の飛行の後、日本の領海内に着水しました。

さらに9月15日、北朝鮮は日本の上空を超えて約3,700kmを飛行した火星12型ミサイルの実験も行いました。

火星12型は4,000kmの航続距離を持ち、グアムを含むアメリカ領の太平洋諸島すべてが射程範囲に収まることになります。

▽ 北朝鮮のミサイルを撃墜することはできるか?

 

米国、韓国、日本は北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合、これを察知して破壊する能力を持つミサイル迎撃システムを装備しています。

しかし一般的には迎撃成功の確率は高いものではありません。

 

2004年米国はミサイル迎撃システムの完成を宣言しましたが、その後実際に行われた迎撃実験では数多くの失敗例が発生しました。

韓国には、ソウル南部の星州郡に6基の高高度防衛(THAAD)システムが実戦配備され、日本もパトリオットとイージス弾道ミサイルシステムを装備しています。

 

▽北朝鮮は核兵器による攻撃能力を持っているか?

北朝鮮は、小型化した核弾頭をミサイルに搭載する技術をすでに完成したと主張していますが、これらの主張は個別には検証されていません。

核兵器による攻撃を可能にするためには、北朝鮮はミサイルに装着可能なまでに核爆弾を小型化する必要がありますが、その技術は未完成であり実験も未だ行なわれていません。

2016年3月、北朝鮮の朝鮮中央通信社は、小型の核弾頭であるとする小さなボールのような物体の前に立つ金正恩(キム・ジョンウン)の写真を公開しました。

2017年9月朝鮮中央通信社は金正恩(キム・ジョンウン)総書記が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載可能な水素爆弾だとする物体を子細に検証している写真を公開しました。(写真上)

 

▽ 北朝鮮が保有する核兵器の規模はどのぐらいか?

 

北朝鮮は核兵器保有を「質と量」で継続的に維持可能だと主張していますが、米国の関係当局者はその数は60基前後だと推定​​しています。

独立した立場の専門家は、北朝鮮は年間6基のペースで新しい核爆弾を製造するのに十分なだけのウランを所有していると見積もっています。

 

2016年9月、アメリカ首都ワシントンにあるジョンズホプキンズ大学のジーグフリード・ヘッカーは、一年間で6個の核爆弾を製造するのに充分な量の高濃縮ウランを生産したと推定しました。

ヘッカーは2010年、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)にある核兵器製造施設を見学した経験を持っています。

専門家と各国政府は、北朝鮮国内の原子炉運転の様子をとらえた衛星画像の解析結果からプルトニウムの生産量を推計しています。

▽ 北朝鮮は水爆を保有しているか?

 

2017年9月北朝鮮は6回目の核実験を実施しましたが、爆発させたのは水素爆弾であると主張しました。
核爆弾の規模は約100キロトンと推定され、最初地下23kmのマグニチュード6.3の地震として検知されました。
試験場から400km離れた中国でも微弱な振動が検知されました。
水素爆弾であれば、第二次世界大戦でアメリカが広島に落とした原爆よりも1,000倍の威力を持つ可能性があります。
2016年1月、北朝鮮は最初の水素爆弾に成功したと主張しましたが、この時の核実験の影響を調べている核科学者は、爆発の規模について水爆相当とすることについて疑問を呈しました。

 

▽ どうやって核兵器を手に入れたのか?

北朝鮮は独力で核兵器開発を推進していると考えられています。
その核兵器開発計画は、旧ソビエト時代の1965年に寧辺(ヨンビョン)に原子炉を建設した時から開始されました。

そして2006年に初めて核実験に成功したのです。
北朝鮮は豊渓里(プンゲリ)で2017年に6回目となるとなる核実験を実施しました。

 

核実験の兆候は4月から確認されていました。

衛星画像の確認を行っていたアメリカの監視機関は、実験場と考えられるトンネルから労働者が水を汲み出している様子を確認し、核実験の実施が近づいているとする報告を行っていました。
アメリカに拠点を置く各研究機関の研究者は、北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)原子炉が作り出すプルトニウムに加え、他の施設が生産する高濃縮ウランの両方の核爆発を起こさせるための豊富な供給源があると主張しています。

 

寧辺(ヨンビョン)核開発施設はソビエト連邦の当時の技術者の力を借りて建設されたものの、現在はロシアと中国は北朝鮮に核兵器を供給したり核兵器製造への協力を拒否しています。
中国は1953年には朝鮮戦争で北朝鮮の援軍として戦いましたが、北朝鮮の核兵器開発計画については地域の政治的安定のために強く反対しています。

 

朝鮮の核開発計画に関与していたのはパキスタンとインドです。

2004年、パキスタンを代表する原子力工学の科学者アブドゥル・カデル・カーン博士(写真上)は、遠心分離機を含む原子力技術を北朝鮮を含む他国に売却したかどで自宅軟禁状態に置かれています。

2016年の国連報告書では、インドの技術研究所が北朝鮮に対する制裁措置に違反し、2012年の銀河3号ロケット打ち上げに関与した北朝鮮学生に「宇宙機器」に関する特別訓練を施したと非難しました。

 

▽ 北朝鮮はなぜ核兵器実験を繰り返しているのか?

 

北朝鮮政府の声明の分析結果によれば、北朝鮮の指導部は核兵器を次のように見ています。

 

① 国家の安全保障を担保する
② 経済発展と繁栄を手にする
③国際舞台における尊敬と威信を得る
4月には、北朝鮮の外交通商部長官は次のように述べました。

「我々はすでに強力な核抑止力を手にしており、米国の先制攻撃に抗して手をこまねていているつもりはない。」

また北朝鮮政府は毎年行われているアメリカ軍と韓国軍の合同軍事訓練について、北朝鮮侵攻のためのリハーサルであるとの見解を示しました。
北朝鮮の朝鮮(チョ・ミョンナム)国連代理大使は、次のように発言しました。

「米国と韓国のこうした敵対的な活動のために、我が国は国防能力を強化するため核戦力を中心とした先制攻撃力の強化に努めている。」

北朝鮮はアメリカのCIAが金総書記を暗殺しようとしていると非難しましたが、CIAのマイク・ポンペオ長官は「北朝鮮からの深刻な脅威」のための専用ミッション・センターを部内に設立したことを発表しました。

 

▽ 北朝鮮はすでに宣戦布告しているのか?

 

北朝鮮は1950年の朝鮮戦争以降いかなる国とも交戦状態に陥っていませんが、「挑戦半島統一のための大義の戦争」を開始すると宣言し、「米国が武力によって朝鮮民主主義人民共和国を破壊しようとしている以上、全面戦争も辞さない」と米国本土の攻撃を示唆しています。

北朝鮮は国連の経済制裁に対し「主権を侵害する暴力行為」だと反発したのに続き、アメリカ軍の基地があるグアムを攻撃すると威嚇しました。

 

第二次世界大戦が終わった後の1945年、朝鮮半島は南北に分断されました。

それから5年後、北朝鮮は韓国内に侵入し3年間に渡った朝鮮戦争が始まりました。

戦争は1953年に終結しましたが、戦争の終結を確認する平和条約の締結ではなく、厳密には北朝鮮と韓国がまだ交戦状態にあることを意味する停戦協定のまま今日に至っています。
韓国には2万8,500人のアメリ軍が駐留しており、朝鮮半島は長さ250km幅4kmの非武装地帯で南北に分断されています。

2017年3月、アメリカ軍と韓国との共同軍事訓練が始まったことから、米国と北朝鮮の間では軍事的示威行動や挑発的やり取りが続いています。

 

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル実験を行った後の2017年8月29日、韓国の4機の戦闘機が北朝鮮の最新の核実験場への攻撃をシミュレートする訓練を行いましたが、さらにその後北朝鮮はミサイルの発射実験を行いました。

周辺諸国と米国の非難にもかかわらず、北朝鮮はミサイル発射実験を繰り返す挑発的を行い、核兵器による攻撃能力の拡大を図り続けています。

 

http://www.aljazeera.com/news/2017/05/north-korea-testing-nuclear-weapons-170504072226461.html

 

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