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残虐な対人兵器を次々と造り続ける世界《後編》

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所要時間 約 8分

広島、長崎…この世界が実際に人間に対して核兵器を使用したのは、日本人に対してだけ

ほぼすべての戦場の大規模爆撃で使用されているクラスター爆弾、その犠牲者のうち民間人の割合は98%に上っている

 

アンナ・ニグマチュリナ、シャキーブ・アズラル / アルジャジーラ 2017年10月28日

▽核兵器(大量破壊兵器)

 

核兵器が実際に戦争で使用されたのは、第二次世界大戦中アメリカが日本の広島と長崎の2都市に核爆弾を投下した時だけです。

第二次世界大戦が終了すると、アメリカを中心とする西側社会とソビエト連邦を中心とする東側社会との冷戦が始まり、核兵器の開発競争が激化、この間核兵器実験と備蓄量は飛躍的に増大し、そのまま今日に至っています。

その後東西の融和が進み締結された多数の条約によりほぼすべての核兵器実験が禁止され、世界の核兵器の備蓄量は1985年の6万発以上をピークに低下を続け、現在は約15,000発にまで削減されました。

各条約に署名した国々は2022年までにさらに約7,000発にまで核弾頭の保有量を削減することを約束しています。
核兵器廃絶のための国際キャンペーン(ICAN)はこうした取り組みを実現させるため多大な貢献をしたとして、2017年のノーベル平和賞を受賞しました。

 

[核兵器保有国が行なった核実験実施年表]

 

▽ 対人地雷(通常兵器)

人間を標的とする対人地雷は歴史を通じて使われてきましたが、第二次世界大戦中に最も広範に使われました。

対人地雷は戦争や紛争が終結した後も尚、そこから除去されない限りいつまで見いつまでも民間人の殺傷を続けることになります。

1997年に締結された対人地雷全面禁止条約(オタワ条約・正式名称:「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」)は、地雷の生産と使用を制限することを目的としています。

条約の実施以来、159の加盟国はこれまで5千百万個の地雷を破壊し、もはや備蓄していないことを宣言しました。

戦争や内戦、深刻な武力紛争が起きたボスニア、カンボジア、アフガニスタン、ミャンマー、エジプトなどでは今日もなお地雷除去作業が続けられ、その荒廃ぶりは歴然としています。

そしてこの条約に非加盟の国は未だに量の地雷を保有しており、世界はなお廃棄に向けた取り組みを継続して行かなければなりません。

地雷禁止キャンペーン(ICBL)は「対人地雷の禁止と除去のために」大きな貢献をしたことが認められ、1997年のノーベル平和賞を授与されました。

また従来型の地雷の備蓄量が減少する一方で、国家では無い武装グループがスマート地雷を使用する事例が増加し、近年再び民間人の死亡や怪我が増加傾向にあります。

 

[地雷禁止条約発効以前の地雷使用状況(上)と条約発効後の地雷使用状況(下)]

 

▽ クラスター爆弾(通常兵器)

第2次世界大戦中にソビエト連邦が史上初めて使用して以来、ほぼすべての戦場の大規模爆撃で使用されています。

その犠牲者中、民間人の割合は98%に上っています。

襲撃の標的とされた地域では、広範囲にわたり多数犠牲者が出るとともに、残された不発弾によっても多数の犠牲者が作り出されています。

 

2008年のクラスター弾に関する条約(クラスター弾の使用や保有、製造を全面的に禁止する条約。クラスター爆弾禁止条約あるいはオスロ条約とも呼ばれる)には108カ国が署名しましたが、サウジアラビアやシリアを含む世界の約半数の国々がこの条約に署名しておらず、現在も戦争や武力紛争で使用を続けています。

[世界には約100万発のクラスター爆弾があると見られていますが、オスロ条約解明国が廃棄できたのはその18%に留まっています。]

 

▽ 軍縮のこれからの課題、悪意ある革新的軍事技術の開発

潜在的に悪意を持った兵器使用の可能性を伴う技術的進歩は、これからの軍縮への努力に新たな課題を提起しています。

こうした努力に対し、多くの軍事技術の開発と進歩が国家ではなく民間部門主体で進められているという事実によってさらに複雑になっています。

この結果条約などに加盟する国家の制約が及ばないことになり、技術開発や改良に対する規制が一層難しくなっているのです。

サイバー攻撃、致命的な破壊力を持つ全自動の兵器、無人航空機(ドローン)、合成バイオテクノロジー(遺伝子工学)、衛星技術、人工知能など、こうした技術が新しい悪意のある兵器として生まれ変わる可能性があるのです。

[国連の軍縮委員会は現在、兵器として使用可能な、あるいは悪用される恐れのある最新技術について、規制や管理の強化を検討しています]

 

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/10/disarming-world-171024071441249.html

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ここで紹介されている他にも、残虐な兵器はまだまだあり、それを最初に開発したのは大体がアメリカです。

例えばアメリカがイラク戦争やアフガニスタン戦争で使った劣化ウラン弾などはその最たるものです。

投下された瞬間の実写フィルムを見たことがありますが、要するに超小型核爆弾ともいうべきもので、『通常兵器」としては凄まじい破壊力を発揮します。

問題なのは落とされた方が被る、放射能汚染です。

 

イラク国内でこの爆弾を投下された地域では、『子供を作るな、産むな』と言うキャンペーンが行われているという記事を翻訳・ご紹介したことがあります。(気がつけば投稿数が1,600を超えてしまっており、もう自分でもその記事を見つけることができなくなってしまっています。お詫びします。)

人間として生まれてきて「あなたはすでに汚染されてしまった。子供をつくってはいけない…」と言われることは、どれほどの悲劇でしょうか?

 

今回アメリカ大統領のトランプが来日し、国家の負債が記録的金額に上っている日本に対し、もっと米国製の武器を買えと放言し、日本の首相はヘラヘラ笑っていました。

ご紹介した記事にある、残虐な兵器を少しでも減らそうとしている世界の取り組みに対し、まさに冒涜というべきではないでしょうか?

 

国家予算を教育に回せば、教育された人間はその後の何十年をどんどん良い方に変えていくことができます。

しかし驚くほど高額な最新鋭の武器は、10年も経てばガラクタです。

イラク戦争でソ連製のT55やT60戦車で戦場に向かっていたイラク軍の兵士が、米軍のアパッチヘリの集団の襲撃を受けて『屠殺』されるように殺されたことはすでにご紹介した通りです。

 

一定の防衛能力を装備することは否定しません(永世中立国のスイスは国防軍を持っています)が、直接交戦する可能性は極めて低いのに仮想敵国の脅威を煽り続けて、極めて高価なその実不要な武器を積み上げていくことの真の目的は何なのでしょうか?

 

 

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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