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激発するトランプ、冷静に計算する南北朝鮮のツートップ

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危険性が高い、情緒不安定で戦略的にも一貫性に欠けるトランプの対北朝鮮政策

政権内の意見の不一致と国内での評価が低いままのトランプ政権、米朝会談への基盤は?

ベンジャミン・ハース / ローレン・ガンビーノ / ガーディアン 2018年5月27日

 

ドナルド・トランプ米国大統領が6月に開催を予定していた米朝首脳会談をキャンセルした2日後の26日、北朝鮮のトップである金正恩(キム・ジョンウン)総書記がムン・ジェイン韓国大統領と会談しました。

 

韓国大統領府によるとムン・ジェイン大統領は、4月に初めて首脳会談を行った板門店で国境を越え北朝鮮に入りました。

両首脳は中止の危機に瀕した米朝首脳会談について、そして前回の南北首脳会談の終了後に発表された共同声明に盛り込まれた案件の実施方法などについて協議しました。

 

周囲を驚かせた今回の会談は歴史的な米朝首脳会談を軌道に乗せるためムン・ジェイン大統領がどれほど力を尽くしているかを改めて国際社会に強調するものであり、南北朝鮮の関係が米朝関係よりはるかに良い状態にあることを認識させるものでした。

 

北朝鮮の国営通信社は、南北朝鮮の両首脳は「朝鮮半島の非核化と平和の実現について全く同じ立場に立って、活発な対話を行い、知恵を出し合い、共に努力し、必要であればいつでも協議を行う」ことに合意したと伝えました。
そして具体的には南房首脳による「ハイレベル協議」を6月1日金曜日に開催するだろうと付け加えました。

青瓦台の韓国大統領府は声明で、次のように述べました。
「米朝鮮首脳会談の成立と前回の南北朝鮮首脳会談の成功を確実にするため、意見交換と議論を行った。」

5月25日トランプは、米朝首脳会談についてまだ開催される可能性はあるとして前回の発言を撤回し、条件が整えばシンガポールで6月12日開催される可能性が高いと語りました。

 

翌26日サラ・サンダーズ秘書官はホワイトハウスの職員と国務省の関係者は、「米朝首脳会談が開催の準備をするため」いつでもシンガポールに飛び具体的手順の確認を行う準備があると語りました。

 

トランプ氏は心中の苛立ちを表すように一連のツイートを行いました。
トランプ政権内には北朝鮮に関する「意見の不一致は全くない」とツイートしましたが、ただし「問題が起きなければ」と述べていました。
トランプ氏はさらに、ニューヨークタイムズ紙がこの問題について『ホワイトハウスの上級職員』から取材したとして掲載した雉子の内容は「全く事実ではない」と主張しています。
しかしニューヨークタイムズを始めとするメディア各紙の記者たちは直ちに反撃し、現在ホワイトハウスは政府高官に対し米朝会談に対する反対意見を一切禁じていると批判しました。

 

トランプは今回のようないわば国運のかかったハイレベル交渉の一方の担当者として、あまりの一貫性のなさに対する厳しい批判にさらされています。
アメリカ科学者連盟の国防問題プロジェクトの責任者を務めるアダム・マウント氏は、5月25日に開催された「画期的ではあるが危険も伴う」南北首脳による会談は、トランプの「一時的な感情の激発が米国外交にとって如何に危険なものであるかを明確にしました。」
と述べました。

マウント氏は次のようにツイートしました。
「金正恩(キム・ジョンウン)総書記がトランプ大統領とムン・ジェイン韓国大統領とそれぞれ個別に会談することを許された結果、交渉は北朝鮮にとって著しく有利なものになりました。」
「今やムン・ジェイン大統領は、アメリカの後押しがなくても北朝鮮と対等に渡り合っています。」

「トランプ大統領は25日北朝鮮に対する姿勢について改めて問われた際、『誰もがゲームをしている。』と答えました。しかしムン・ジェインはゲームなどしていません。彼は国民を戦争から守らなければなりません。

韓国大統領府はトランプの気まぐれにいちいち動揺させられる羽目に陥っています。」
マウント氏はこう付け加えました。

 

韓国大統領府が発表した写真には、2人の指導者が互いに一人だけ補佐官を従えて抱擁し、握手を交わし、親密な会談を行っている様子が写し出されていました。
ムン・ジェイン大統領は27日日曜日に会談の詳細について発表する予定になっていました。
4月に行われた第1回南北首脳会談では核兵器のない朝鮮半島と平和の実現に向け、まだ具体的ではない声明を発表しました。
しかし北朝鮮側が韓国と米国の共同軍事演習に反発し、高官同士の協議をキャンセルしその関係は一時冷え込んでいました。

韓国政府は北朝鮮が敵対的発言を繰り返しているとの理由で、トランプ大統領がシンガポールで開催されるはずだった米韓首脳会談を突然取消したことに不意を突かれた形になりました。
ムン・ジェイン大統領はトランプ大統領の決定にいて非常に「困惑」し、そして残念であり、ワシントンと北朝鮮に「指導者間においてもっと正直に素直に対話する」関係を確立するよう促しました。

 

トランプ大統領の行動は北朝鮮が韓国政府とアメリカ政府が仲たがいするよう工作しているのではないかという懸念をあおるものであり、さらには歴代のアメリカ大統領と比べ、明らかに従来の同盟関係を軽んじています。
トランプはホワイトハウスにムン・ジェイン大統領を招いてシンガポールでの米朝首脳会談の意義に疑問を呈し、南北朝鮮の首脳会談にいかなる支援も表明しなかった、そのわずか数日後、米朝首脳会談を中止する決断を行いました。

 

キム総書記に首脳会談の中止を伝える書簡の中でトランプ大統領は、マイク・ペンス副大統領を「政治的なダミー」と呼んだ北朝鮮高官の発言に反発し、アメリカと北朝鮮が会議室で向き合うか、それとも核兵器を使っての一騎打ちを行うことになるか、それを決めるのはアメリカだと伝えました。

 

これに対し北朝鮮は異例とも言える抑制された反応を示しました。
北朝鮮は現時点でも尚「いつ、いかなる形であっても」アメリカと話し合うことを望んでいるとの声明を公表しました。

朝鮮中央通信によれば、北朝鮮の金桂冠(キム・ゲガン)外交通商部長は次のように語りました。
「1回目の会談ですべてを解決できるわけではないが、一回の会談で問題を一つづつ解決していくだけで、米朝関係は悪化するのではなく、改善する方向に向かわせることができる。」
26日付の北朝鮮の与党労働党の機関紙である朝鮮日報は、キム・ゲガン氏の発言には特に触れていません。

26日の朝鮮日報はキム・ジョンウン総書記が元山(ウォンサン)市を訪問し、大規模な海岸リゾート開発を視察したことを伝えていました。

 

アナリストは2017年にキム・ジョンウン総書記の下で行われた一連の核実験とミサイル発射実験は、経済制裁の緩和と国際社会での国家の承認を熱望していることを示すものだと分析しています。

 

今月、キム・ジョンウン総書記は拘束していた3人の米国市民を解放しました。
今週、海外の報道関係者は、唯一その存在が確認されている核実験施設の解体であるとされる現場を検証しました。
北朝鮮政府はもはや核実験を行う必要性はなくなったとする発言を行いました。

 

しかしアナリストはキム総書記が最終的に核兵器を放棄することに同意するかどうかについても懐疑的です。アナリストはキム総書記がのぞむものはたった一つ、現体制の存続だけだと見ています。
北朝鮮の国営メディアのコメントを検証する限り、キム総書記はトランプ大統領との会談を北朝鮮を核兵器保有国として正式に承認させる交渉の場と考えています。
核兵器を放棄するよう圧力をかけられれば、北朝鮮は会談には参加しないと表明したことがあります。

ワシントンでは最も熱心なトランプ支持者である議会共和党幹部が、ノーベル平和賞受賞候補者としてトランプを推薦しました。
トランプ政権は星条旗と北朝鮮の国旗を背景に、トランプとキム総書記をあしらった公式の米朝首脳会談記念コインを発行しましたが、現時点では広く失笑を買うだけにとどまっています。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/may/26/kim-jong-un-moon-jai-in-korean-leaders-hold-surprise-meeting

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一言だけ。

現在の日本の首相とアメリカの大統領、2人は世界の最先進国であるはずの政治をペテンの舞台にしてしまいました。

一国のモラルを崩壊させるのに、これほど効果的な一撃はありません。

これだけはやめさせなければなりません。

一国の未来を危うくする、これ以上の打撃は無いからです。

 

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