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アメリカの除染の専門家が明らかにする、本当の汚染状況【 人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機 】〈第2回〉[フェアウィンズ]

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所要時間 約 7分

日本政府が派遣した『専門家』たちは、放射線の被害について、ほとんど何の知識も持っていなかった
なぜかアメリカの測定結果より、常に低い数値しか表示しなかった日本の線量計

アート・ケラー / フェアウィンズ 6月13日

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ワン氏とそのチームが最初に除染のデモンストレーションを行ったのは、福島県内で通常の授業が行われていた学校でした。
汚染は広範囲に及び、中でも構内の植物にまで汚染が及んでしまっていることが悩みの種でした。
アスファルトの舗道も汚染されていましたが、その脇に生えている雑草の放射線量は舗道の4倍に達していました。

最も汚染されていたのは、野球場の屋外観覧席のコンクリート製の椅子に生えていたカビでした。
カビはアスファルトの舗装面の70倍の放射線を含んでいたのです。

椅子の表面に生えたカビが、放射性物質を吸い上げるスポンジと化してしまった恐ろしい事態について、エンゲルハート氏がこう表現しました。
「生物が放射性物質による被害を拡大した、注目すべき事例」と。

これに対し、ワン氏はもっと直接的な表現をしました。
「この場所に座って野球観戦をしていた少年は、その体の男性生殖腺に深刻なダメージを受けてしまったに違いありません。」

そして2011年6月、アメリカの除染の専門家が遭遇した、驚きあきれた日本の現実がありました。

彼らが現地で出会った政府が災害を受けて派遣した「専門家」たちは、放射線が人体にもたらす被害についてほとんどどんな知識も持っていなかったのです。

福島放射線量 5
ワン氏とそのチームは日本の「専門家」たちが、持参した線量計を操作する様子をじっと観察した後、こう結論せざるを得ませんでした。
「彼らはその線量計が何を測定しているのか、そして正しい操作方法すら理解していない、そうとしか思えませんでした。」
アメリカ産業界の保健衛生技師でもあるエンゲルハート氏が、こう証言しました。

日本政府の各部署から派遣されてきた3人の職員に対し、ワン氏とそのチームは野球場の屋外観覧席のコンクリート製の椅子が汚染されていることを指摘しましたが、驚いたことにその3人はまさにそのベンチに腰を下ろしたのです。

「信じられませんでした。」
ワン氏がこう語りました。
「警告を受けたにもかかわらず、彼ら政府が派遣した『専門家』たちは、不見識にも高濃度に汚染されたベンチに座るという事をして、しなくても良い被ばくをしてしまったのです。私は後々のため、写真を撮らなければなりませんでした。」

しかしその後訪日を繰り返す中で、エンゲルハート氏は彼が出会った日本の放射線技術者の専門知識は非常に高いものであることを知ることになりました。

「私たちは最初の訪日で各地を巡っていく間に、『第一線』の専門家たちが、福島第一原発周辺の最も放射線量の高い場所に集中していたことを知りました。私たちの対応をしていたのは『三流』の専門家たちだったのです。」

福島放射線量01
「しかし最初に出会った『専門家』たちの知識の無さには、面食らわざるを得なかったというのが正直な感想でした。」
エンゲルハート氏がこう語りました。

エンゲルハート氏は、福島第一原発の約60キロ北西にある福島市内で、別の深刻な問題が起きていることを表す、ある事実に遭遇することになりました。
福島市内では住民たちのために毎日測定された放射線量が、メディアなどを通じ公開していました。

しかしエンゲルハート氏は念のため持参した測定器具を取り出し、福島市内の放射線量を測定しましたが、その数値は公表されている放射線量よりも50パーセントも高いものだったのです。

「日本の当局が使っていた測定機器に問題があったのか、それとも本当の放射線量を故意に隠蔽しようとしたのか、私には解りません。しかし福島市の人々に対して提供されていた放射線量の数値、それが間違っていたことだけは確かなことです。」

ワワン氏が初めて福島県を訪れた際のことでした。
彼は福島県庁からやって来た当局者に、放射線の線量計による測定結果について、通常用いられる報告様式の中のどれを採用すべきか尋ねたところ、帰ってきたのは叱責でした。
「馬鹿言っちゃいけない。公表するのは平均値などではなく、測定した中で、最も低い数値だけだ!」

ワン氏はその不正確・不誠実なやり方に従うよう求められ、結果彼自身不本意ながらも、放射線量の過小報告に加担する結果となりました。

福島市の放射線量について正しい情報が提供されなかったこと、そして放射線量の過小報告については、エンゲルハート氏とワン氏が直接目撃・遭遇したものに留まらないことは明らかです。

最初の訪日の際、エンゲルハート氏とワン氏は自分たちが持ち込んだアメリカ製の測定機器、そして日本の測定機器、その両方の測定結果を比較・検証しました。
その結果、なぜか日本の調査班が持参した機器の測定結果はアメリカ製に比べ、常に30%から50%低いことが解りました。

放射線
ワン氏と彼のチームは、予め放射線量が特定の値に固定されたテスト用の機器を取り出し、測定機器を調整し直しました。
その結果、アメリカ側の調査結果は間違っていないことが解ったのです。

翌日になって、日本の調査班は使っていた測定器を調整し直して現場に現れました。
そして日本側の測定結果に問題があった原因は、『ケーブルの不具合』にあったと弁解しました。

しかし、エンゲルハート氏はその答えを疑いました。
「私の経験から言うと、ケーブルに不具合があれば、測定結果はゼロになるか、測定不能を示すか、あるいはでたらめな測定値が表示されるか、そのいずれかなのです。」
「ケーブルに問題がある場合のあり得ない『故障』、それは常に一定の割合で低い数値を表示することです。」

〈 第3回につづく 〉

http://fairewinds.org/demystifying/cleanup-from-fukushima-daiichi-technological-disaster-or-crisis-in-governance
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さすがに各種の報道や論文の中からフェアウィンズが厳選しただあって、私自身これまでどうしてもわからないと思っていたいくつもの疑問が、明快に解き明かされています。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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