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アジアで切迫する危機【 最悪の事態 : 武力衝突を引き寄せてしまった、安倍首相の靖国参拝 】インデペンダント社説

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日本のどんな国益にも利する事の無い、愚かな行為
安倍首相の靖国参拝は、両国の関係悪化を象徴する出来ごとに新たな一行を書き加ただけ
安倍首相の靖国参拝は、日本の外交戦略にとってはきわめて愚劣な対応

ザ・インデペンダント社説(英国) 2013年12月26日

Assisi 2
通常であれば「聖地」という言葉には穏やかな、そして人の心をいやす語感が込められています。
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の路、あるいはイタリアの聖フランチェスコ聖堂のような場所で、ろうそくの明かりに照らし出された聖像の前にたたずみ、しばし瞑想に耽るイメージが思い浮かびます。

しかし日本では「聖地(神社)」という言葉が、それとは異なる意味を暗示します。
そしてそれこそが日本の首相が靖国神社を参拝した事に対し、東アジア地区において大きな動揺を、場合によっては最強の2カ国間の武力衝突にすら発展しかねない緊張を引き起こした理由でもあります。

日本の戦没者の慰霊するために建立された靖国神社がことあるごとに議論の的となるのは、数えきれないほどのサムライ戦士の骨が安置されているからではありません。
最も間近に起きた戦争、すなわち第二次世界大戦中、日本の占領下にあった中国と韓国における残虐行為、そして日本の戦時指導者であった事により、戦争犯罪人として有罪とされた数百名もこの場所に祀られているからなのです。

反安倍 2
中国国内では第二次世界大戦中の南京における強姦を始めとする、日本軍の数々の残虐行為に対する記憶が薄れる事はありません。
それが安倍首相が靖国神社を参拝した事に対し、中国がきわめて厳しい姿勢で非難をする理由です。

東アジア最大の2カ国間の関係がすでに悪化していなかったならば、局地的な紛争はそれほど重要ではないかもしれません。
しかし実際には安倍首相の行動は、日本と中国の負の歴史に、新たな悪意の1ページを書き加える事になったのです。

尖閣諸島を巡る中国と日本のにらみ合いに一向に改善が見られないのと同様、今回の靖国参拝は両国の関係悪化を象徴する出来ごとに新たな一行を書き加ただけでした。

中国と日本は誰も住んでいない尖閣諸島を巡り、何十年もの間争ってきました。
日本は19世紀にこの島々の実効支配を確立しましたが、国有化はしていませんでした。
昨年個人所有者から買い取り、国有化に踏み切りました。

中国は今年11月23日、対抗手段に打って出ました。
尖閣諸島上空を含む東シナ海の大部分に、突如中国の防空識別地帯を設定した事を宣言したのです。

防空識別01
この一方的な決定に対する日本側の反応の少なさは、意外なほどでした。

日本の主な航空会社2社がまず最初に反応しました。
中国当局との正面対決を避けるため、旅客機の飛行ルートを変更しました。
しかしアメリカはそうではありませんでした。
11月26日、中国側に通告する事無く、2機のB-52爆撃機を中国が防空識別圏を宣言した空域を飛行させました。
幸い中国は緊急発進などの措置は行いませんでした。

非がアジア地区において力づくでの影響力行使を強める中国に対し、警戒し懸念を深めているのは日本だけではありません。
その事実こそは、安倍首相の今回の靖国参拝が、日本の外交戦略にとっていかに愚劣な対応であったかを物語っています。

ベトナムは言うまでもなく、中国の一方的な自己主張に対しては、韓国も台湾を懸念を深めています。
しかし、一方で韓国人は第二次世界大戦の最中、日本の統治により数々の苦痛を強いられました。
韓国の人々は、日本が第二次大戦の戦時指導者たちの行為を正当化する事については、中国の横暴に対するのと同様の怒りをつのらせています。
そして安倍首相の靖国参拝は韓国政府と台湾政府から対立感情を引き出し、中国の横暴にも増して日本に対する対決姿勢の必要性を認識させました。

防空識別04
直接の当事者でない限り、中国と日本という2つの強力な国家が2、3の無人島を巡り、これほどまでに対立感情を剥き出しにする事は考えられない事かもしれません。
しかし世界史を振り返ると、もっと考えられないような事が現実になっています。

1914年夏、ハプスブルグ家の広大な領土の辺境で人気のなかったオーストリア帝国の皇太子が暗殺された事が、ヨーロッパ全土を巻き込み、徹底的な破壊をもたらした戦争にまで発展すると考えた政治家は、当時全くいなかったのです。
わずか100年前、1914年にヨーロッパで現実となった事態が、今日の東アジア地区で再現される事は別に意外ではありません。
今必要なのは、そうさせないための努力です。

いずれにせよ、安倍首相は靖国参拝について、もっと思慮深くあらねばなりません。

http://www.independent.co.uk/voices/editorials/the-next-asian-crisis-shinzo-abes-visit-to-the-yasukuni-shrine-has-aggravated-china-and-increased-the-chance-of-a-calamitous-conflict-9026081.html?origin=internalSearch
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12月30日にご紹介したワシントンポストの社説には、安倍首相を「Notorious」と表現した一文がありました。
Notoriousは「悪名高き」という意味です。
今日ご紹介したインデペンダントの社説では、安倍首相の行動を「Foolish」と表現しています。
Foolはそのものずばり、ばか者、愚か者という意味です。

戦後の先進各国の首相の中で、「同盟国」の一流新聞の社説で「悪名高い」、あるいは「愚かな行為」などという指摘を受けた人間がいたでしょうか?

年度が変わり2014年になりました。
しかし特定秘密保護法に靖国参拝、相変わらず先の見えない福島第一原発の被災者の方々、にもかかわらず活発化する原発再稼働への胎動、弱体化し抵抗勢力を作れない野党など、これほど暗い材料の多い新年も無いと思います。
この上は日本に世界の世論を引き込み、世界の人々に日本の『闇』を叩いてもらおうかと考えています。

1月2日は掲載をお休みさせていただき、3日以降、世界の常識・人類共通の認識をご紹介してまいります。

どうか2014年もよろしくお願いいたします。

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【 宇宙写真傑作選2014 】〈1〉

アメリカNBCニュース
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

宇宙01
  ノルウェー、クベフィヨルドにて(写真上)

  馬頭星雲(写真下・以下同じ)
宇宙02
  オリオン座、魔女の頭部星雲
宇宙03
  砂漠での火星探査訓練。アメリカ、ユタ州。
宇宙04
  不運なカエル、アメリカ、ヴァージニア州NASA発射基地。
宇宙05
土星観察衛星のカッシーニが撮影した、土星の北極付近の嵐。直径は何と約2000キロメートル。
宇宙06
通常、欧州宇宙機関は宇宙飛行士を宇宙に送り出しますが、この時はイタリアのサルディーニャ島の地下の洞窟に送り込みました。
各国から参加した6名の宇宙飛行士は、極限の状況下で協力して作業を行う訓練のため、この洞窟で6日間を過ごしたのです。
宇宙07
死にゆく星、NGC 6302星雲の拡大写真は2013年6月7日にNASAが公開したものです。
2009年にハッブル宇宙望遠鏡の超広角カメラ3号機によって撮影されたデータを基に映像化されたものです。
星雲の中心部分には消滅寸前の星が推定250,000度という熱を放出しています。
よく見ると大量の紫外線が放射されているのが解りますが、光を反射する塵によって隠されています。
宇宙08
国際宇宙ステーションの内部にあった水滴を通し、顔の部分だけが逆転した写真。
写っているのは『歌う宇宙飛行士』として有名になったカナダのクリス・ハドフィールド。
2013年1月27日ハドフィールド自身がツイッターを通して公開した写真。
宇宙09

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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