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水族館の中をプラスチックゴミでいっぱいにした理由について

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所要時間 約 8分

『北太平洋循環漂流ゴミ』の具体的な姿を確認するのに、インターネットは驚く程役に立たなかった

アメリカ西海岸の手つかずの自然があった場所にも流されてきた、3.11の被害の傷跡

 

ダグラス・クープランド / ガーディアン  2018年5月18日

ダグラス・クープランド氏は日本で発生した巨大災害、東日本大震災によって流れ出した瓦礫がカナダの沿岸に大量に打ち寄せられる有様を見るうちに、プラスチックが自分たちの生活の中心にあってどれほど重要な存在かに気づき、それを拾い集めるようになったのです。

 

写真上 : 2017年カナダのハイダ・グワイに流れ着いたポリスチレンを回収するダグラス・クープランド氏。

 

1999年、私は東京のデパートの店内で家庭清掃用製品の通路を歩いていいました。
そのとき通路の両側に並んだパステル調のプラスチックボトルの美しさに私は瞬時に取り憑かれてしまったのです。
人によっては恍惚の瞬間と表現するかもしれません。
ピンク、黄色、淡いブルー、ターコイズ・ブルー、人体や自然にとっては有害な物質で満たされた見た目に美しく可愛らしくすらあるボトルが並んでいました。
そのラベルにはすべて太字のカタカナ文字で商品名が記されていました。

 

私は125本のボトルを購入しました。
そしてホテルの部屋に戻ると、ボトルの中身を全部トイレに流しました。
はいもちろん、それが環境破壊につながる心無い行為だということは知っています。
でも教えてもらっても良いでしょうか?
もしこれらの化学物質に剥がれ落ちた自分の皮膚や糞便の類を混ぜたら、東京湾に処理済みの汚染水を流し込む処理場に送り込むことは許されますか?

1999年頃、私はカナダのブリティッシュ・コロンビア州の沿岸から船でハダイガイ(旧クイーン・シャーロット島)を訪れるようになりました。

氷河期の間氷に閉ざされてまったく風化されることがなかったこの行くまでに非常に手間がかかりお金もかかるこの島は、私にとって地球上で最も魅力的な場所であり、宗教的とも言える瞑想的な方法で自然に接する機会を与えてくれます。
生きているという感覚と周囲にいる生き物たちの存在感に圧倒されそうになります。

 

2013年の夏、私はハダイガイ北島の最北端にあるローズ・スピット海岸で寄せては返す波の中に立っていました。
私は波を見つめながらその場に立ち、全宇宙と一体化し全世界が見えているような気分の中にいました。
何気なく自分の足元を見下ろすと、私が以前日本から買って帰ったプラスチックのボトルと同じものが波に洗われて私の足についたり離れたりしているのに気がつきました。

私は中世最後の呪いを受けた人間のように一瞬凍りつきました。

 

このボトルはもちろん、2011年の東日本大震災と津波により太平洋に流れ出した瓦礫の第1波が北アメリカの西海岸に到達を始めたことを示すものでした。
思考を巡らす間も無く大きな波が目の前で砕け落ち、私にとって地球上で最も神聖な場所を見たこともないほど多量のプラスチックの破片で埋め尽くしてしまいました。

それはかつて私が訪れたことがある太平洋の反対側にある島々との距離感を狂わせ、『太平洋ゴミベルト』、あるいは『北太平洋循環漂流ゴミ』と呼ばれる海洋循環によって運ばれた海洋ゴミであるということを忘れさせました。

その正体は何なのでしょう?
その中身はどうなっているのでしょう?

 

何十億個というシャンプーのボトルなどが吹き寄せられ、テキサス州と同じ面積がある巨大な漂流ゴミとなって、赤道沿いにやってきた?
カリフォルニア州と同じ面積を有する海のゴミ捨て場?

 

その具体的な姿を確認するのに、インターネットは驚く程役に立ちませんでした。
『太平洋ゴミベルト』がどのような実態を持つものなのか、これまで何年にも渡り議論されてきましたが、巨大過ぎて具体的イメージを把握できずにきました。

 

そこで私は『太平洋ゴミベルト』の実態がどのようなものか、誰もが一目でわかるように視覚化することを自分に課すことにしたのです。

私は来年、バンクーバー水族館でこの『太平洋ゴミベルト』の展示を行うための準備を進めています。

 

そういうわけで。2018年現在、私は太平洋のプラスチックゴミに埋もれているのです。
これは容量が50,000リットルのプールで、中にあるのは数トンに登る(放射性ではない)ハダイガイで収集したプラスチックの破片や瓦礫です。
この『太平洋ゴミベルト』のジオラマの中心にあるのは、東日本大震災の津波で流出した日本の釣り船です。
私は昨年の10月、石巻市に行ってその所有者と面会してきました。

このボートの上にあるものは、人類とプラスチックの過去、現在、未来の関係について物語るちょっとした宇宙論です。

見れば見るほど、私たちは食べ物、そして水中にプラスティックの存在を見いだすことができます。
普段生活していると私の体はどこまでが本来の人間としてのもので、どこからが合成されたものであるか、その区別が難しくなっていることに気づかされます。

 

私は1960年代、人々が平気でそこらにゴミを撒き散らす時代に自我を形成しなければなりませんでした。

現代の若者には信じて守らないかもしれませんが、人々は車の窓からゴミを捨てたり、何も考えずに道路に不要なものを捨てたりしていました。
1970年代初めまではずっとそんな状況でした。

しかしそんな風潮は、ある時期を境にぱったり止み、公共の場にゴミを散らかす人間はいなくなりました。

 

こうした事実から私が得た教訓は、人間は一度その習慣をすっかり変えた経験を持っている、だったらもう一度それができるはずだ、ということです。

 

私たちは今正体不明な大きな暗闇の中を歩いているように見えます。
しかし女王は今、プラスチック製のストローを使い続けるべきかどうか考え始めており、ローマ法皇フランシスコ1世は合成アグロトキシン(He warns of “synthetic agrotoxins”詳しくはhttp://www.hic-mena.org/news.php?id=pmxpaA==#.WwVk5akuBrI をご参照ください)について議論するようになりました。
私は再び世界が変化を手にする希望はある、そう確信しています。

 

https://www.theguardian.com/environment/commentisfree/2018/may/18/i-was-feeling-at-one-with-the-cosmos-then-the-first-plastic-bottle-washed-up

 

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