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【 40年続いた幻想を、粉々に打ち砕いたフクシマ 】《第4回》[フェアウィンズ]

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所要時間 約 7分

マグニチュード7.0以上の地震が発生した場合、3号機原子炉建屋は倒壊の恐れがある
福島第一原発の危機は、戦争と同じぐらいの国家的危機である

フェアウィンズ 7月18日

ガンダーセン : 第2はここ数年私が懸念し続けてきた問題です。
原子炉4号機の構造に関わる問題です。

現在4号機の使用済み核燃料プールには、最も多量の使用済み核燃料が存在します。
しかもまだ熱を持っているのです。

そのため、4号機使用済み核燃料プールの冷却機能が失われれば、大量の核燃料が火災を起こすことになり、莫大な国土を汚染してしまうことになります。

時間の進行とともに核燃料の温度は下がり続け、その分火災発生の危険性も減少していくことになります。
しかし4号機の核燃料はまだその段階には至っておらず、プールの水が失われてしまえば火災が発生する恐れは充分にあります。

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そして現在計画されている使用済み核燃料プールからの核燃料の取り出し作業、その前提条件となっているのは、プール内の核燃料が無傷のままであるという事です。
もし核燃料を変形させてしまうほどの地震が発生すれば、当然使用済み核燃料プールが損傷し、全てはご破算になってしまいます。
水が失われ燃料の冷却が出来なくなり、そうなれば燃料はたちまちに発火点となる温度まで上昇し、火災を発生させてしまう事でしょう。

そして第3の問題、それが原子炉3号機に関するものです。
3号機に残っている核燃料は4号機ほど多くはありません。
その点はましだと言えるでしょう。

問題は3号機の場合、事故による損傷がひどいという点です。
仮にマグニチュード7.0以上の地震が発生した場合、4号機の原子炉建屋はもっても3号機の方は倒壊の恐れがあるのです。
3号機の核燃プール内にある核燃料の量が4号機よりも少なくても、構造上深刻な問題を抱えており、福島第一原発が抱える最大の機器のひとつとして私にとってもずっと気がかりでした。
3号機が爆発した(正確には『爆轟』、あるいは『即発臨界』。詳しくはガンダーセン氏による解説をお読みくださいhttp://kobajun.biz/?p=5311 )際、巨大な衝撃波が生みだされ、原子炉と原子炉建屋が最大の損傷を受けました。

この問題は計り知れない程危険です。

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日本はこの問題について、戦争と同じ対応をしなければなりません。
いざ戦争が始まった場合、国は敵の状況を無視し、予算の制約によって一方的に作戦を変更したりするでしょうか?
福島第一原発の危機は戦争と同じぐらいの国家的危機である、私はそう認識しています。

東京電力は福島第一原発の事故収束・廃炉作業について限られた『予算』を計上し、その予算内ですべての処理について『最善を尽くそう』としています。

そして日本政府にとっては、もはや福島第一原発の事故収束・廃炉作業に使うべき充分な予算が無いという事実を認めることよりも、あらゆる責任を東京電力のみに負わせることの方がはるかに楽なことなのです。

世界の産業事故史上、最大となったこの福島第一原発の事故を解決するためには、必要なだけの資金を確保するための基金を設立する必要があります。

私はこの問題についてこれ以上日本政府や東京電力に期待することはできませんが、日本の皆さんには福島第一原発の事故によって、日本人が潜在的にどれ程巨額の借金を負わされてしまったのか、きちんと考えていただきたいと願っています。

日本人が福島第一原発の事故によって背負った借金は50兆円から75兆円の間だと、私は考えています。

松村 : 福島第一原発で現在起きしている環境問題、そして健康問題を解決するための最良の方法にはどんなものがあるでしょうか?

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ガンダーセン : 福島第一原発の事故の根幹部分を形成するものとして、私は2つの問題があると考えています。

ひとつは地下水が破壊された3つの原子炉建屋に流れ込んでいる問題です。

ここで思い出していただきたいことがあるのですが、東北地方の太平洋岸は東日本大震災によって約90センチの地盤沈下を起こしました。

あなた自身がビルディングになったつもりで、ちょっと考えてみてください。
もしビルディングであるあなたが建っている地面が、突然90センチも沈み込んでしまったら建物の基礎の部分が壊れてしまいますね。
そしてもっと大切なことがあります。
建築物が90センチ沈み込むことにより、基礎部分にかかる水圧が高くなってしまうのです。
これが福島第一原発の原子炉建屋の地下部分に殺到している地下水の量が、一日に400トンにも達している理由のひとつなのです。

〈 第5回につづく 〉

http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/forty-good-years-and-one-bad-day
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今回のガンダーセン氏の指摘もいよいよ佳境に入ってきました。
次の2点はきわめて重要な指摘だと思います。

マグニチュード7.0以上の地震が発生した場合、3号機原子炉建屋は倒壊の恐れがあり、その場合は日本全土が汚染される可能性がある

福島第一原発の危機は、戦争と同じぐらいの国家的危機であり、限られた予算なりの対応などもってのほかである

この2点は、数多く福島第一原発関連の記事を翻訳してて来た私も、改めて感じ入らざるを得ない指摘です。

現在の政府がこれ程の国家的危機を矮小化し、隠ぺいし、その上足もとにすでに火がついているのに、中国・北朝鮮との武力衝突の準備に多額の国家予算をつぎ込もうなどと言う態度には、ヒトラー並みの狂気を感じます。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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