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【 21世紀社会が抱える深刻な課題 : ノーム・チョムスキー 】《3》

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所要時間 約 9分

北朝鮮がこれほど執拗に軍事的挑発を繰り返している理由が、世界的識者により解き明かされる

北朝鮮が狂気に支配されることになった根本原因、それは朝鮮戦争時のアメリカ軍の戦闘日誌に記されていた

『狂気の北朝鮮』を作り出した根本原因のひとつは、徹底的破壊を繰り返したアメリカの軍事作戦

 

デモクラシー・ナウ 2017年5月29日

 

エイミー・グッドマン:

この時点でトランプ氏が大統領に就任して約100日が経過しましたが、外交問題では北朝鮮とイランが大きな関心を集めています。

我々は現在市場最低の支持率の大統領の下でこうした問題に直面している訳ですが、どの大統領であってもこの問題は最優先にせざるを得ないと思われます。

 

そしてトランプ大統領はつい数週間前、アフガニスタンで大規模爆風爆弾兵器、モアブ(MOAB : 2003年に米国で作られた通常兵器爆弾。開発時点において、非核兵器としては史上最大の威力を持つとされた)の投下を命令し、さらには化学兵器を使用したシリアに対しても直接攻撃を行いました。

しかしマクマスター国家安全保障担当顧問はすべての外交問題の中、アメリカ政府が最優先で対処しなければならないのは北朝鮮との間の緊張関係だと語っています。

アメリカが直接北朝鮮を攻撃する可能性はあるのでしょうか?

ノーム・チョムスキー:

私はトランプ政権は次にどんな行動をとるのか、非常に予測しにくい政権だと思っています。トランプ自身、自分が5分後に何をするのか把握できていないと思います。わからないので、もじどおり、ですから、確信をもってトランプ政権の今後を予測することは困難です。

しかしこの問題は非常に判断に迷います。その理由はきわめて明快です。

核兵器による攻撃はもちろん、いかなる種類のものであっても北朝鮮に対する攻撃は、国境に近い韓国最大の都市であるソウルに対する大規模な攻撃を誘発し、駐留するアメリカ軍を含め地上のすべてを吹き飛ばしてしまうでしょう。

 

私は軍事技術の専門家ではないので断定的なことは言えませんが、それを防ぎきるだけの防衛手段は存在しないはずです。

さらに北朝鮮は多くのアメリカ軍兵士が駐留している近隣諸国、特に日本各地のアメリカ軍基地に対しても報復攻撃を行う可能性があります。

韓国も日本もとんでもないことになってしまいます。

同時に北朝鮮も一巻の終わりですが。

みなさんもご存じのように、この地域の危険性は高くなっています。

いずれが攻撃を受けても、すぐに報復攻撃が行なわれる可能性は高く、それらは自動化されている可能性の方が高いと考えるべきです。

アメリカ軍の軍司令官や高官はこうした状況を理解しているはずです。

最終的に彼らがどれだけの影響力を持っているかわからりませんが、武力解決による解決は現実的ではありませんし、また選択すべきでもありません。

 

しかし本当の問題は、根本的にこの問題に対処する方法があるかどうかということです。

多くの提案があり、その中には制裁措置も含まれます。

中国にとって大きな脅威である新しい大規模なミサイル防衛システムは、朝鮮半島を巡る緊張を一層高めるでしょう。

さまざまな種類の軍事的威嚇。

アメリカは北朝鮮に空母カール・ビンソンを派遣しましたが、偶発事故により我々にとって思いもかけない事態に発展する危険性もはらんでいます。

力による解決は、必ずしも私たちが望むような結果を導き出すとは限らないのです。

 

現在、ひとつの提案が無視されて続けています。

この提案については、遠い近いは別としてみなさんも一度は耳にしたことがあるはずです。

それはかなりシンプルな提案ですした。

私たちが成し遂げなければならないのは北朝鮮に核兵器開発プログラム、ミサイルシステムの開発を凍結させることのはずです。

 

提案というのは、北朝鮮が提示するその代償を受け入れることです。

単純な事のように聞こえますね。

実際中国と北朝鮮は弾道ミサイルと核兵器開発の凍結条件を具体的に提示してきたのです。

そしてアメリカはそれを拒否する旨即答したのです。

そして、実は責められるべきはトランプだけではありません。

数年前、当時のオバマ大統領にも同じオファーが提示されました。

そしてオバマ政権は即座にそれを拒否したのです。
なぜでしょうか?

 

その理由は北朝鮮側が交換条件を提示したからです。

交換条件とは、韓国と北朝鮮の事実上の国境38度線からのアメリカ軍の軍事力の撤収です。

今回、トランプ政権は核兵器搭載能力を持つB-52戦略爆撃機を朝鮮半島に派遣しましたが、こうした軍事力の展開に終止符を打つことを求めているのです。

 

さて、アメリカ人はもうほとんど忘れかけているかもしれませんが、北朝鮮は朝鮮戦争の際、アメリカ軍の猛爆撃によって国土を徹底的に破壊された記憶を持っています。

その破壊は最後には爆撃目標が無くなってしまったほど徹底的なものだったのです。

その事実をもし疑うのであれば、アメリカ軍の公式軍事記録の中に3カ月ごとに朝鮮半島を空撮したものが残されていますが、私はそれをぜひ検証してみていただきたいと思います。

これらの写真には当時の様子がそのまま、正確に記録されています。

 

その時点では「もう爆撃目標が残っていません。これからどうしますか?」

結局アメリカは戦術的に必要のないダムの破壊をすることにしました。巨大なダムを。

こうした行為は明らかな戦争犯罪です。

ニュルンベルクでは多くの戦争犯罪人が絞首刑に処されました。

しかしその後も戦争犯罪は続いていたのです。

 

アメリカ軍の戦闘報告書には、ダムの破壊により洪水が発生して谷あいの村落が壊滅し、さらには東アジアの人々が主食にしている収穫前のコメの田んぼを壊滅させた様子が随所に人種差別的なコメントをちりばめながら、生き生きと自画自賛するように記録されています。

あなた自身がその報告書を読み、自分自身として評価することをお勧めします。

北朝鮮はその邪魔はしません。

今日の北朝鮮にいるのはそうした攻撃を生きのびた人々です。

だからこそ核兵器を搭載可能なB-52が周辺を飛び回ったり、威嚇的な軍事訓練に対し北朝鮮が激高するのです。

 

奇妙な人間たちですが、それが彼らの現実なのです。

そして北朝鮮はキム一家による支配体制をアメリカから、かつて経験したアメリカ軍による徹底破壊から守るための『抑止力』として核兵器開発を進めているのです。

北朝鮮の現体制は、あなたの常識の中にある政府という概念と全く異なるものです。

人類史上最悪の政府と呼ぶべきものです。

しかし、北朝鮮政府は現実に存在し続けているのです。

 

《4》へ続く

https://www.democracynow.org/2017/5/29/noam_chomsky_in_conversation_with_amy

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第二次世界大戦(太平洋戦争)当時の日本軍の残虐さを非難する時の韓国人の執拗さには驚く、と中国人の友人から聞いたことがあります。

彼は日本人が参加していないアジア留学生の交流の場で体験したらしいのですが、その激しさは同席していた東南アジア諸国からの留学生も『ひく』ほどのものだったそうです。

その点と朝鮮戦争当時の北朝鮮の『実体験』を重ねてこの記事を読むと、今日の北朝鮮政府のヒステリックな対応の遠因が見えてくるような気がします。

 

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