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【 再び姿を現した日本の国家主義 】《前篇》

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強まる懸念 - 軍事予算拡大、軍事力強化、「日本の右傾化は止めようがない程強まっている」
円安政策による輸出業者の業績回復や株価の急騰、『日本経済の復活』を冷ややかな目で見る一般消費者

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2014年12月31日

自衛隊01
2014年の日本は今やすっかりおなじみになった魔物とのつき合いに、多くの時間と労力を費やすことになりました。
魔物とは始まってもう20年になる景気低迷、そして第二次世界大戦中の大日本帝国の行動記録です。
アジア大陸における帝国陸軍の様々な行為を歴史的にどう認識すべきか、日本と中国は互いの間に横たわる負の遺産を巡り、傍から見れば何とも奇妙な争いを1年間通して続けた挙句、何とか2015年の年明けを迎えました。

2013年12月26日、安倍首相は靖国神社を参拝しましたが、その評価は?
靖国神社には第二次世界大戦の日本の戦没者が祀られていますが、同じ場所に14人のA級戦争犯罪人が合祀されている点は?
この点について英国駐在の中国大使は、かつての敵国が再び軍国主義的色彩を帯び始めたとして『まるで(ハリー・ポッターに登場する魔物の)ヴォルダモートの呪い』に取りつかれているとする非難を、デイリーテレグラフ紙に数ページにわたって展開しました。

相手をハリー・ポッターの物語になぞらえての非難は、後を引くことになりました。
現在日本と中国の間では東シナ海にある無人島の尖閣諸島を巡る領土問題が先鋭化していますが、駐英国日本大使は、中国側の強引な主張は横車を押すことに他ならないと非難したのです。
中国は国際法に則った対応を取るべきであるが、『軍拡競争を煽って緊張を高めることによってこの地域を悪魔の手にゆだねることをすれば、中国はまさにヴォルダモート伯爵の役割を演ずることになるだろう』との非難を行いました。

日中紛争 1
一連の動きを見て観測筋の一部からは両国の争いが、いずれ日本の主要な同盟国であるアメリカをも巻き込むことになるだろうとの見方が示されました。
しかし11月に開催されたAPECサミットで安倍首相が習近平総書記との短い会談を行ったことにより、日中両政府の緊張関係は幾分緩和されることになり、アメリカを巻き込むことなく2014年という年が暮れることになりました。
しかし中国の指導者として安倍首相と握手した際、習近平氏は一切笑顔を見せることは無く、尖閣問題を巡る両国の緊張関係が2015年に持ち越されることを示唆しました。

国内においては、安倍首相は世界第3位の規模を持つ日本経済を復活させるという目標に対し、早くも大当たりをとったのでしょうか?
円安政策により輸出業者の業績が回復し、株価は急騰しましたが、それが日本経済の復活なのでしょうか?
慎重過ぎる程慎重だとされる日本の消費者だけは、日本経済が再生しつつあるというメッセージを受け取ろうとはしていないように見受けられます。

様々な議論があった2014年4月の消費税の引き上げは、安倍氏率いる自民党が未だ野党であったタイミングで合意していたものですが、2012年以降以来初めて日本を景気後退局面に押し戻す結果となり、その状況は11月の数値にも引き継がれました。
女性の貧困
安倍首相はこの状況を見て2度目の消費税の引き上げを2017年まで延期することをいち早く決定するとともに、任期途中の衆議院の解散総選挙を実施、再び安定多数の議席を確保しました。
選挙結果について安倍首相は、増え続ける公的負債や福祉関係の費用の問題より経済成長の実現に集中する安倍政権の政策に国民が信任を与えたのだと語りました。
しかし周囲では日本経済についてさらに悪い状況が明らかになっても、安倍首相が今後4年に渡って政権を掌握できるという事実の方が重要だとの観測が専らです。

2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電に対する不信を露わにする多くの有権者が反対しているにもかかわらず、2015年の早い時期に安倍首相は国の南西部で2基の原子炉の再稼働にいての最終的な正式許可を与えることになっています。

さらに年度後半には、自衛隊が同盟国の軍隊とともに海外で戦闘に参加できるようにするための憲法の解釈変更が
解釈変更に伴う立法措置が採られることになっており、一層の議論を巻き起こすことになるでしょう。
日本の軍隊が海外で戦闘を行うことになれば、1945年以降初めてのことになります。
憲法第9条01

今のところ安倍首相は『アメリカの手によって起草された』日本国憲法そのものを改定することはあきらめ、憲法を改めて解釈し直すことにより、同盟国の軍隊が攻撃を受けた場合には、自衛隊を援軍として派遣することは可能だと主張しています。

国防予算の著しい増額と合わせ、軍事力を強化しようという路線がはっきりとしたことで、日本の右傾化がもはや止めようがない程強まっているという懸念が大きくなっています。

〈 後篇に続く 〉

http://www.theguardian.com/world/2014/dec/31/japan-2014-wartime-conduct-economic-stagnation
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『国際貢献を積極的に行う上でも、日本の軍事力強化が必要だ』
という意見が言われますが、果たしてそうでしょうか?

私は逆だと思っています。
一層の軍事力強化を図りたいがため、国際貢献という言葉を利用しているのだと思います。
シリアで行われているイスラム国軍への空爆に、日の丸をつけたジェット戦闘機にも参加してもらいたい、世界はそう考えているのでしょうか?

 

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