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【 非正規雇用の女性の貧困化を、一層深刻にしてしまったアベノミクス 】《前篇》

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所要時間 約 12分

安倍政権下、弱者が日本という国から切り捨てられ、追いつめられていく
女性の労働条件は増々不安定、多くの女性たちが希望すら持てない貧困状態に追い込まれている

スヴェンドリニ・カクチ / IPSニュース 9月18日

女性の貧困

54歳のマーリン前田さんは結婚経験がなく、一度も定職に就いた経験を持たないフリーライターですが、彼女は今、老後も自立した人生を送るという数十年来の夢が無残に打ち砕かれた失望感の中にいます。

「私は4つの仕事をこなし、かろうじて暮らしています。」
54歳の女性フリーライターはペンネームだけを明かす条件でIPSニュースの取材にこう答えました。
彼女は記事を書いている時間以外はコールセンターで働き、週に5日間化粧品販売を行いそして週に一回は夜のバーで働くという気の進まない仕事をすべてこなした後の彼女の月収は17~18万円ほどにしかなりません。

まさに前田さんは日本の1億2730万人の人口のうち、2013年に16%という高率を超えてなお拡大を続ける貧困層の一員にほかなりません。
20年間の経済停滞はこうした人々の収入を低く抑え込んできました。

そして前田さんは、日本で進行するもうひとつの深刻な危機をも象徴する存在です。

世界第3位の規模を持ち経済大国であり世界最速のスピードで高齢化が進む日本にあって、女性の間に今貧困化が進んでいるのです。
日本の女性は今、その多くが高齢化するとともに貧困の危険に直面しています。

実際、前田さんは現在は記事1本の収入が6,000円前後でしかないと語りました。
1980~90年代のバブル期、彼女は少なくとも今の3倍の収入を得ていました。

日本では貧困線に関する公式の定義はありませんが、厚労省の調査では一人当たり収入が127万円を下回る人々を貧困層としています。

女性の貧困02
高齢者とパートタイマーの女性の多くがこの境遇に落ちこんでいます。
前田さんも身を削る思いをしながら働いていますが、その収入はあと一歩で貧困層に陥るレベルであり、人間として最低限の生活を送るだけのものでしかありません。

「コールセンターでの勤務が週3日に減らされ、フリーライターとしての原稿料が引き下げられた時、私は自分の将来が本当に不安になりました。もし病気になって働けなくなってしまったら、私は路上生活者になる以外ありません。」
前田さんがこう訴えました。

税金と国民健康保険料等の必要経費を支払うと手元に残る現金はわずかで、彼女は生活のため年老いた両親から度々借金しなければならないと打ち明けました。

前田さんの現実は、多くの日本人女性が直面させられている問題ですが、安倍政権が宣伝を繰り広げる女性の社会進出促進と地位向上の華々しさときわめて対照的です。

今年始め安倍首相は女性の地位と権利拡大に関する広範囲の一括法案について華々しく宣伝を行いましたが、数多くの性差別の専門家や女性の権利を守る団体から疑問を突きつけられ事になりました。
これらの人々は女性に対する日本の社会的・経済的障壁に落胆を隠せません。

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2013年初頭日本経済をデフレから脱却させて成長軌道に乗せるとする政策アベノミクスに比して、安倍首相の女性問題に関する政策は『ウィメノミクス』の名で呼ばれることがあります。
この政策は長い間日本で性的差別を受けて来た女性に対し、男性と変わらない給与を保証し、長期間の育児休暇の取得を可能にし、さらには昇進昇級についても性差別が行なわれないことなどを求め、女性の社会進出を容易にするものだとうたっています。
日本では働いている女性の6割が結婚と同時に仕事をやめることから、安倍首相は保育所の数を20,000カ所に増やし、2020年までに放課後教育のための施設を30万カ所にするなど、女性が働くための大きな障害を取り除いていくと公約しました。
そして同じく2020年までに、企業における女性役員の割合を30パーセントにするとの公約も明らかにしました。

安倍首相は9月にウォールストリート・ジャーナル上にこの計画について寄稿し、安倍政権の長期にわたる計画の半ばにはインフレ調整後の国内総生産の10年間の平均値、すなわち日本経済の成長率を2パーセント台に引き上げることが可能だと説明しました。
「我々は、女性の就業率を現在の68パーセントから2020年には73パーセントにする目標を設定しました。」
安倍首相はこのように述べています。
「収入の男女格差については、アメリカが20.1%、フィリピンが0.2%であるのと比較し、日本の女性は平均して男性より30.2パーセント収入が少なくなっています。我々はこの差を無くさなければなりません。」

しかし長年働く母親が直面する問題と取り組んできた性差別問題を専門に研究する猪熊弘子さんは、
「女性の労働条件は増々不安定になっており、収入その他の数字は彼女たちが希望すら持てない貧困状態に追い込まれている」現状を考えれば、安倍首相の主張は「無理な注文」であることが解ります。
Abenomics 4
東京に拠点を置くシンクタンクの中でも代表的な存在である国立社会保障・人口問題研究所(NIPSSR)によれば、20歳から64歳の働く独身女性の3人に1人が貧困状態に置かれているのです。

〈 後篇に続く 〉

http://www.ipsnews.net/2014/09/can-womenomics-stem-the-feminisation-of-poverty-in-japan/
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日本は経済発展の過程で女性をどう守っていくかということに、きわめてうかつだったと思います。
経済が発展し社会が高度化していけば、それを利用するためのコストも上昇して行きます。
そうした社会の中で女性たちの暮らしがどのような影響を受けていくか、検証が不足していたのではないでしょうか?
人口は増え続けて当然という安易な考え方が、子供を産み育てていくという国にとって最も大切な役割を果たしてくれている女性たちを、どう支えていくかという部分についての手抜きを許してしまいました。

株価の上昇などというのは枝葉の部分の話で、女性たちをしっかりサポート出来ないがために子供たちが生まれず、高齢化が進んでいる現状は大切な幹の部分が細っていく社会であることを警告していると思います。

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【 戦争とはこれ程に無益で残酷なものである 】

故郷を守るクルド人の戦い、家族の思いやりの暖かさと思い出に溢れていた家は、すべてがれきと化した
家畜、食糧、家具の類まで、生活を支えるためのすべてのものを持ち去られてしまった

AP通信 / アメリカNBCニュース 12月1日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

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イスラム国とクルド族の民兵が一進一退の激しい戦闘を続けるコバーニは、今やがれきだらけの町と化してしまいました。
11月末、報道写真家のジェイク・シムキンはトルコとの国境に近いシリア領北部、コバーニの町に入り、もともとクルド人が暮らしていたこの町が2カ月以上イスラム国からの攻撃にさらされ、徹底した破壊が行われている様子を写真に収め、独占的レポートを行いました。

トルコとの国境に近いシリア領コバーニの入口のロータリーを廻り、戦闘陣地に向かうクルド人民防衛隊(YPG)の兵士たち。(写真上)

コバーニに残る数少ない生活の証しのひとつが、この写真の古くから営業しているパン屋です。
20年前に廃業したままになっていましたが、クルド人兵士により再び営業を始め、毎日約2トンのパンを焼き、前線の兵士たちの食料として配布するほか、各所に取り残され動けなくなっている住民たちの貴重な食料になっています。
「我々は10日前にここにやって来て、パンを焼くことができるようにこの場所を修理しました。それ以前、ここはもっと悪い状況でした。以来毎日パンを焼き続け、兵士と住民に毎日配っています。(写真下・以下同じ)

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たこつぼに入って遊ぶ子供たち。しかし近くで爆発が発生することも珍しくなく、その都度あわてなければなりません。
この子どもたちが平和に暮らしていたコバーニはもうどこにもありません。
家族の思いやりの暖かさと思い出に溢れていた家は、すべてがれきと化してしまいました。
近くの商店はすべて内部がめちゃくちゃに破壊されました。
通っていた学校は倒壊してしまいました。

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破壊された町の中を、隠れている狙撃兵に撃ち殺されないように懸命に走り抜けようとするクルド兵。
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クルド人民兵はイラク国籍のクルド人民兵組織のペルシュメガの数少ない兵士たちとともに、今年9月にコバーニになだれ込んできたイスラム国の兵士たちと終わることの無い戦闘を続けています。
イスラム国の戦闘部隊がシリアとイラクを広範囲にわたり制圧した今年夏、彼らはコバーニに襲いかかりました。
YPGは非宗教的な武装組織であり、コバーニを守る戦闘の最前線に立っています。

取り残された住民にパンを配る、クルド人民兵。
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米国が率いる多国籍軍の延べ270回にわたる空爆の繰り返しと、武器の供与によりクルド人はイスラム国の戦闘部隊の前進を食い止めています。
彼らは戦いが峠を越したのではないかとの実感を持ち始めています。
しかし戦いは町の住民に極めて高い代償を支払わせることになってしまいました。

迫撃砲弾が近くに着弾し、爆発する瞬間を見つめる女性。
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コバーニの市街地にはかつて50,000人の人々が暮らしていましたが、その大半は国境の向こう側のトルコ領内に避難しました。
2,000人程の住民が戦いは短期間で終わると信じ、町に残ることを選びました。

緩衝地帯に張り巡らされた鉄条網を使って、洗濯ものを乾かしている女性。
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町に残ることを選んだ住民たちは、夜は車の中か間に合わせのテント中でやすみます。
彼らがいる場所とトルコ国境の間には有刺鉄線が張り巡らされ、地雷が至る所に埋められています。
彼らを狙ってイスラム国側の占領地から一定間隔で迫撃砲弾が雨のように降り注ぎます。

トルコ国境近くの緩衝地帯から見るコバーニ市内の爆発の様子。
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農民の中には何とか農機具と家畜を連れて逃げることが出来ましたが、他の多くはすべてを失いました。
「私の羊は連れ去られました。神に捧げるための私の牛、私の雌鶏、私の寝具、そして小麦を詰めた袋も何かも、持ち去られてしまいました。」
取材に応じた女性住民がこう語りました。
彼女は今、クルド人民兵が配るパンで命をつないでいます。

http://www.nbcnews.com/news/photo/inside-kobani-look-war-zone-n259291

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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