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【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《7》

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所要時間 約 8分

原子炉のメルトダウン、爆発、高濃度汚染水の大量発生、すべて1980年代に危険性が確認されていた
放射能の漏出という問題は、少なくとも数十年という単位でしか解決されない
福島第一原発事故の深刻さについて、決して真実を伝えようとはしなかった各国の原子力行政官僚たち

フェアウィンズ 4月5日

アーニー・ガンダーセン
福島第一原発で現在進行している危機は、1970年代、1980年代という早い時期に技術者たちが指摘した危険性がそのまま現実になったものです。
その意味で彼らは全く正しかったということになります。

しかも安全装置のひとつが設計された通りには動作せず、このため大量の放射性物質が地下水系、大気中に放出され、毎日汚染された水が太平洋中に流れ出す結果となりました。

時限爆弾にも等しいこの原子炉の欠陥について、40年もの間原子力産業界の誰一人として議論をしようとしなかったのはなぜなのでしょうか?
そして欠陥が指摘され、それが福島第一原発の事故で実証されたにも関わらず、なぜ欠陥のある原子炉が稼働を続けているのでしょうか?

フェアウィンズはこの点について、繰り返しこう述べてきました。
『カネの流れを追いかけてください!』

EDF
ことはまったく単純明快です。
原子力産業も電力会社もそして監視機関までもが投資銀行の利害を最優先にし、さらには原子力兵器の開発や売買に関わる企業と政府が、原子力分野の開発能力の拡大を切望しているのです。
その結果、市民の安全な暮らしや健康問題などはすべて後回しにされているのです。
2011年の出来事を振り返ってみれば、地震多発帯の上で稼働を続けていた老朽化した原子炉が太平洋に放射性物質を流し込みづける結果を招いたものは、まさにこうした体制だったのです。
放射能の漏出という問題は、少なくとも数十年という単位でしか解決されないことは明らかです。

2011年当時、放射性物質の漏出問題を最初に認識した人間の1人が私でした。
当時私はこう発言しました。
「原子炉の一番外側を覆っているのが原子炉建屋、箱状の建築物です。次が格納容器。事故当時、原子炉1号機と3号機の格納容器内の圧力が上昇したため、内部から水素ガスを放出する処置が採られました。このガスが原子炉建屋内に充満し、爆発につながったのです。
私たちが目撃した劇的なシーン、それがこの原子炉建屋の爆発でした。

CNN05
そしてそのがれきに埋もれたのが原子炉格納容器です。
原子炉建屋自体は頑丈な作りなのですが、事故当時原子炉建屋も格納容器も必要なタイミングでこの水素ガスの放出をすることが出来ませんでした。
その結果今度は原子炉格納容器内で爆轟が発生したのです。
これは人間に例えると、口と鼻を完全にふさいだままくしゃみをするようなものです。
衝撃は鼓膜に集中することになるでしょう。

そして原子炉2号機では何が起きたのか?それは爆発による格納容器そのものの破壊でした。
このため2号機では溶け落ちた核燃料が格納容器の外にまで漏れ出し、トレンチ内に流れ込んだのです。」

これに対し番組司会者が私にこう尋ねました。
「話を先に進めましょう。
今度は太平洋に流れ込んでいる放射能汚染水の問題についてお伺いしたいと思います。
東京電力は11,500トンの放射能汚染水が太平洋に流れ込んだと報告しており、我々はこの数字を基準に話を進めたいと思います。
この量は大きなプール5杯分ほどの量になりますが、太平洋の規模を考えると文字通りスズメの涙ほどの量と考えてよいのでしょうか?
ガンダーセンさん、あなたはこの点について東京電力が放射能の脅威を過少にとらえているとお考えですか?」

CB02
「福島第一原発では汚染水を地下から汲み上げましたが、問題はその保管方法です。現在敷地内には通常時の許容値の500倍もの放射線量に汚染された水が貯められていますが、毎日増え続ける以上さらなる容量の確保が必要です。
しかも後から発生した汚染水の方が一層高い放射線量を持っています。このため福島第一原発ではこれから発生するより汚染のひどい水を備蓄するため、11,000トンの放射線量の低い方の汚染水の海洋投棄を行ったのです。

計画外の漏出についてはその手当が終わりましたが、それまでの2週間一日あたり約7トンの汚染水が太平洋中に漏れ出したと見られています。これは安全基準の500倍までは汚染されていませんが、それでもやはり相当汚染されており、その分海洋も汚染されています。」

ところでフェアウィンズには世界中の方々から、福島第一原発の事故収束・廃炉作業がなぜそんなに長引くのか、いったいいつになったら完全に収束するのか、問い合わせが相次いでいます。
そこで私が事故発生から1週間たたないうちにCNNニュースの番組に出演した際お話したことを、ここで繰り返させていただきます。
『福島第一原発の事故収束作業はきわめて長い時間を必要とする困難な作業です。』

CB06
福島第一原発の事故が発生してから一週間、フェアウィンズのスタッフは要路にある人々に真実の危険性について伝えようとしていましたが、ここアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の政府関係者は東京電力の原子力発電所で起きたことについて、世界中の人々にさほどのことが起きたわけではないと信じ込ませようとしていました。

「心配する必要はありません、大丈夫なのです。」
まるで世界中で同じテーマソングを歌っているようでした。
歌っていたのは国内に原子力発電所がある国々であり、市民たちに健康や生命に関する懸念を抱かせることなくこれらの原子力発電所は事故以前と変わりなく稼働を続けることができたのです。

情報公開法(1966年ジョンソン大統領の下で制定され翌年発効したアメリカの連邦政府の情報公開を定めた法律)に基づき公開されたアメリカ原子力規制委員会の文書や電子メールは、事故発生当時、アメリカの原子力発電関係の技術者がインターネットを通し、世界の人々が目の当たりにしているものが、最大規模の原子力発電所事故であり、かつてない程大きな悲劇の到来であることを認識していたことを明らかにしました。

FR24 破壊された福島第一原発
こうした認識があったにもかかわらず、世界各国の原子力行政に携わる官僚たちは、福島第一原発の事故がどれ程深刻なものであるか、決して真実を伝えようとはしなかったのです。

《8》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean

 

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