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【 闇が支配する場所 : 福島第一原子力発電所 】《第4回》

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所要時間 約 9分

特別報道 : 福島が上げている悲鳴 : 低賃金、深刻な危険、そして暴力団
作業員の銀行口座を『管理する』手配師たち
福島のヤミの人材派遣は、暴力団にとって格好の資金源
暴力団に関係しているとして地元で公共事業から締め出された会社、福島に現る

アントニー・スロドコウスキー、斎藤まり、ケヴィン・クロリッキ、ソフィー・ナイト、クリス・メイヤー、長田よしゆき / ロイター通信 / アメリカNBCニュース
10月23日

03 Spiegel
2012年9月、林さんは日本の最大規模の建設会社である鹿島の系列の下請けで、別の仕事を見つけました。
彼は得るものが何もないまま故郷に戻る気にはなれなかった、そして最初にひどい目に遭ったのも単に運が悪かっただけなのかもしれないと思った、そう語りました。

しかし彼は運が悪かった訳では無かったのです。
それが福島第一原子力発電所の現実だった、それだけのことでした。

今度は何人もの労働者を下請けに送り込んだ手配師が、林さんの銀行口座は自分が管理すると宣告しました。
林さんは一日あたり16,000円前後の報酬の3分の1を、この手配師にピンハネされてしまったものと考えています。

この手配師は、自分は林さんと同じ長野県の、元暴力団員であったと語りました。

同じく長野県出身の五島遼さんも、この手配師のあっせんにより福島第一原発の廃炉を行う作業員して働いた際、報酬の半分をピンハネされたと語りました。

五島さんと林さんは福島の同じ下請けで働いていた際、友人になりました。

汚染水タンク05
五島さんは横行するピンハネについて抗議したところ、昨年12月にクビにされたと語りました。
五島さんを雇っていた下請け会社の『テック』は、五島さんの報酬をピンハネしていた別の従業員1名をすでにクビにしたと語りました。
『テック』の記録では、五島さんは一身上の都合により退社したことになっています。
同社が五島さんに未払いの賃金を支払ったことについて、双方がその事実を認めました。
五島さんによると、支払総額は90万円ほどでした。

鹿島のスポークスマンである藤野氏は、林さんとも藤野さんとも契約を交わしたという事実は無く、そのためコメントする立場にはないと語りました。
「我々は協力会社(下請け)に対し支払を行う際、作業員の方々に危険手当もきちんと支払うように、指導をおこなっています。」
鹿島のスポークスマンは声明でこう述べていました。

▽ ヤクザと福島第一原発

福島の多重下請構造の仕組みの複雑さは、日本のヤクザ社会を利することになりました。
日本のヤクザ = 暴力団は何代にも渡り労働者の闇のあっせんを生業(なりわい)としてきました。

警察によれば、1,050人の福島第一原発の作業員が、日本の主要な3つの暴力団組織である山口組、住吉会、稲川会の50人の暴力団員によって管理されています。

汚染水01
関係省庁、警察、そして除染作業、廃炉作業を行う企業は福島の現場から組織犯罪を締め出すための特別委員会を立ち上げました。
警察関係者は、被害を受けた本人から告発が無い限り、暴力団関係者を取り締まることはできないと語りました。
警察も大手下請け企業からの情報が頼りというのが現状です。

住吉会系暴力団の幹部が派遣労働法違反の疑いで逮捕され、有罪判決を受けましたが、これなどは稀な例です。
裁判で被告の暴力団関係者は、被災地で働いていた作業員の報酬の3分の1をピンハネし、2年間で約600万円を着服していたことを認めました。
今年3月に言い渡された判決では、被告はすでに暴力団から脱会し、改悛の情が認められるとして8カ月の執行猶予つきの判決を受けました。
この暴力団の元幹部は、日本の大手建設会社である大林組が福島県北部の伊達市で行っていた除染作業に、違法に作業員を派遣していた件について、有罪判決を受けました。
伊達市は福島第一原発の事故後、放出された放射性物質の通過地点となり、除染の必要性が生じていました。

今回の事件の捜査にあたった警察関係者は、今回の摘発は福島で暴力団が関わっている様々な問題の中、その氷山の一角に過ぎないと語りました。
大林組のスポークスマンは、下請け企業の内の一社が暴力団から労働者の派遣を受けていた事実については把握していなかったと語りました。

Jビレッジへのバス待ちの列
「下請け各社と契約する際、私たちは犯罪組織と一切関わりを持つことの無いよう、約款で定めています。」
大林組のスポークスマンがこう語り、こうした事例が二度と発生しないよう、警察とも連携を強めていると付け加えました。

今年4月、厚生労働省は福島に違法に労働者を派遣していた企業3社の認可を行いました。

この中の1社、長崎に本社を置くヤマト・エンジニアリングという会社は、手配師を締め出すための法律に違反して、福島第一原発の現場で配管を行うための作業員、510名を送り込みました。

しかし記録によれば、これら3社とも労働管理当局より、その商習慣を改善するよう命じられました。
2009年、国土交通省・長崎支所の文書による公示では、ヤマト・エンジニアリングについては、警察が「事実上犯罪組織の管理下にある」と判定し、公共事業に参加することを禁止されました。
大和Engineeringは、即時のコメントをしませんでした。
この点について、ヤマト・エンジニアリングは回答をしていません。

自身の証言によると、五島さんは14歳の時から山口組傘下の地方組織の下で働き、金銭の拠出を強要され、借金がかさんでいました。

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五島さんは刑務所での刑期を終えた後、組織を抜けました。
彼は脱退を認めてもらうため、数カ月間に渡り毎月20万円支払うよう要求され、高利貸しから借金せざるを得なくなりました。
「私の両親は暴力団と一切関わり合う事を拒否し、私に家を出て、二度と戻らないよう言い渡しました。」
結局五島さんはてっとり早く現金を手に入れるために福島に向かいました。
そこで彼は抜けたはずの出身地の暴力団の構成員の下で働くことになったのです。

※オリジナルの記事では逮捕された暴力団の元幹部について実名が記載されていますが、翻訳記事のため漢字表記に正確を期すことが出来ず、三人称の表現に留めました。

《第5回に続く》

http://www.nbcnews.com/id/53370391/ns/business-oil_and_energy/t/special-report-help-wanted-fukushima-low-pay-high-risks-gangsters/#.Unhaq1NDFnU
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電力会社も大手建設会社も、暴力団とのかかわりを否定しています。
でも、私個人としては、釈然としません。
これまでに読んだ原発関連書籍には、原発建設、処分場建設問題が持ち上がると、決まったように現れて反対派を脅す右翼の街宣車について書かれています。

彼らが反対派を脅すのは、原発や処分場を建設する側から資金提供を受けているからなのではないでしょうか?
飽くまで私個人の認識ですが、右翼の街宣車は暴力団とつながっています。

街宣車という『改造車両』を作るだけでも、相当金がかかるはずです。
原発建設、処分場建設現場に彼らを『派遣』するにはさらに金がかかるはずです。
その金は誰が負担しているのでしょうか?

さらに言えば、原発継続を訴える政治家諸氏は、自分は地球温暖化に取り組む世界の知識層の一員であると考えているかもしれません。
しかし、私のような政治的利害などにはまるで無関係な一庶民の目には、『脅す側』の頂点に立っている存在こそ、原発継続を訴える政治家諸氏なのではないのか?そう映っているのです。

 

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