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【 避けられたはずの事故 – 福島第一原発 】〈後篇〉

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所要時間 約 14分

「官僚たちは『外部委員会』の報告書を自分たちが書き上げることにより、実権を持っている者が誰であるかを思い知らせた」
「外部の学識経験者などで組織された委員会などにも、互いのアラは探さない、という監査手法が蔓延してしまっていた」
「日本原子力安全基盤機構の仕事は、原子炉の状態に疑問を持つ事では無く、ただそれを認めることだけなのだ!」

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 3月9日


    (写真と記事は直接関係ありません)

経済産業省の元官僚である古賀氏の批判は、もっと大きな問題に向けられています。
日本の原子力行政を担当する官僚は原子力の専門家でも何でもなく、本来彼らが監督すべき会社から提供される資料を、まるごとそのまま世間に向けて復唱しているだけだというのです。

「例えば日本原子力安全基盤機構、原子力安全保安院とともに安全点検を実施する政府機関においては、検査官のほとんどは電力会社や原子炉メーカーの元従業員なのです。
かれらは元雇用主の権益を守るために、しばしば安全性の問題を見つけても務めて見て見ぬふりをしています。」
藤原元検査官がこう話してくれました。

原子炉の設計に携わっていた藤原氏は、2009年3月北海道の泊原子力発電所で監査を行った際、上司と衝突しました。
藤原氏は北海道電力が行った定期点検には明らかに欠陥がある、 と主張し、検査を承認することを拒否したのです。

一週間後、藤原氏は所属する部門の長に呼び出されました。
そして検査は正しく行われた、と調査報告書を『正しい見解』に書き直すよう命じられたのです。
尚も藤原氏は拒否しましたが、結果は彼の契約が更新されなかっただけのことでした。

「上司は私に対し、日本原子力安全基盤機構の仕事は原子炉の状態に疑問を持つ事では無く、ただそれを認めることだけなのだ、と決めつけました。」

62歳の藤原氏は現在、契約が更新されなかったことの不当性について、日本原子力安全基盤機構を相手に訴えを起こしています。
この問題に関するニューヨークタイムズの問い合わせに対し、日本原子力安全基盤機構は現在裁判所で審理中の問題については回答できない、と返答しました。

東京電力とその支持者たちは、結果論において同社を批判することは的を得たものではない、と語ります。
日本観測史上最大となるマグニチュード9.0の巨大地震が発生し、巨大な津波が6基ある原子炉のうちの3基の原子炉の冷却用の電源システムを壊滅させてしまうことは、誰にも予測できなかったことだと語ります。

しかし多くの専門家、そして業界内部の人々が、この見解を否定しています。
東京電力の技術者すら、東京電力に対し何度もその危険性を警告し続けてきました。

東京電力によれば2008年に同社の技術者が、福島第一原発が最大50フィート(15メートル)の高さを超える津波に襲われる可能性を指摘した、3例の異なる計算予測を作成しました。
東京電力のスポークスマンである岩本氏は、同社は監督官庁である原子力安全保安院に対し、こうした計算予測が存在することをほぼ一年の間明らかにせず、その後も最も警戒すべき計算予測を握りつぶしていた、と述べました。
福島第一原発を15メートルを超え る津波が襲う危険性があることが明らかにされたのは、2011年3月7日、実際に津波が襲った4日前のことでした。

なぜ東京電力は発電所の防御力を高めるため、もっと早く対策を行わなかったのか?
この問いに対し岩本氏は、これらの予測は当時はまだ広く受け入れられていなかった学説に基づいた『仮の予測』であったためである、と答えました。
原子力安全保安院の職員は、東京電力に委ねてある津波対策がきちんと実施されているかどうか、同院の役割はそれを後から検証することだけである、と述べました。

正常な監査機関として機能することが期待されていた、外部の学識経験者などで組織された委員会などにも、この互いのアラは探さない、という監査手法が蔓延してしまっていたと、評論家などが批判しています。
かつての委員会のメンバーの多くが、過去および現役の経済産業省の官僚たちが委員会の議題の選定を行っていただけでなく、最終的な委員会としての見解すら自分たちで作り上げていた、と語っています。

これは原子力安全委員会が2006年に完成させた、『原子力発電所の耐震指針の重要な改訂』作成の際実際に行われたことを、神戸大学を退官した地震学者の石橋克彦現神戸大学名誉教授が明らかにしました。

石橋名誉教授は、津波防災のための新しいガイドラインを作成するための委員も務めました。
石橋氏はこれまで長い期間にわたり、地震が原子力発電所にもたらす危険性について警告を繰り返してきましたが、政府が組織した22人からなる委員会の中で、自分が批判的立場の委員の象徴としてのみ利用されている、と感じたことが何度もある、と話しています。

2006年8月、石橋名誉教授の警告一切が取り上げられない改訂ガイドラインの草案が作り上げられ、怒りに身を震わせている石橋氏には解任が告げられました。

「官僚たちは報告書を自分たちが書き上げることにより、実権を持っている者が誰であるかを思い知らせたのです。」
67歳の石橋名誉教授がこう語りました。

「福島第一原発の事故は、避けられたはずの事故なのです。」
〈 完 〉

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よくも、よくも国民の税金を使って、これだけ恥知らずな行為ができたものだ。
このような憤りを感じるのは、私だけではないはずです。
今日民放で「高級官僚が日本人の年金を争って自分のフトコロに入れ、国家に1千兆円の借金を背負いこませた」と批判していました。
しかし福島第一原発の事故原因を作った官僚たちがやったのは、税金を自分のフトコロにねじ込むだけではありませんでした。

福島の地の100,000を超える人々の故郷を奪い
日本の国土と海を汚染し
子どもたちをはじめ、東日本の人々の命と健康を危険にさらし
ただでさえ機能していなかった日本の政治をますます停滞させ
国際社会における日本製品、特に食品の価値を徹底的に破壊し
………
きりがありません。
遠山の金さん、鬼の平蔵、桃太郎侍、水戸の黄門様に大岡越前を総動員しても、この日本の中央官庁にはびこる悪は一掃できそうにありません。

これでこの記事に登場した官僚や原子力安全保安院、そして日本原子力安全基盤機構などの『独立行政法人』などが目論む原発再稼働を易々と認めてしまえば、まさに
「この国に正義はあるのか?!」
と叫ばなければなりません。

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【アメリカのネット起業家が次に目指すもの】

アメリカCBSニュース 3月18日米国のスペースシャトル・プログラムの終了により、アメリカの宇宙飛行士が宇宙ステーションにたどり着くための方法はたった一つになってしまいました。往復チケットの代金6,000万ドル(49億2,000万円)を支払い、ロシアのソユーズロケットに乗り込むことです。
PayPalとテスラ・モーターズの成功により名声を得た、インターネット起業家のイーロン・マスクは、こうした状況のすべてが気に入りませ ん。
彼はすべてを変えるべく、彼自身の会社[スペースX]社を立ち上げました。
アメリカの私企業として初めて宇宙船を建造し、打ちあげることになります。
しかしマスク氏にはもっと大きな野望があります。
望む者なら誰でも、惑星間旅行に連れて出かけることです。

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【 ウォルター・クロンカイトからスコット・ペリーまでが伝えたNASAの一時代 】

ライド・コリンズ・ジュニア / アメリカCBSニュース 3月18日我々は今週スコット・ペリーの[Space X]社の話題について様々に企画を練っていたとき、私たちの企画責任者のビル・オーウェンズがまたとないアイディアを出してくれました。
彼はCBSの番組[60 minutes(60分)]しばしばスコット・ペリーのプロデューサーをつとめたことがあります。
「スコットにアメリカの宇宙開発史について、自由に語らせればいいんだよ。彼は宇宙の話には夢中だよ。」

案の定、私たちがスコットにこの話をすると、彼の熱意は部屋を明るくするほどものでした。
彼はすぐに子供の頃の、アメリカの宇宙開発計画について熱心に語り始めました。
この頃、アメリカ中を熱狂させた宇宙開発のニュースを届けていたのは、アメリカCBSニュースのウォルター・クロンカイトでした。

私のこの時代の思い出も鮮やかなものです。私の父、ライド・コリンズは1960年から85年にかけ、CBSニュースの特派員を務めていました。父はCBSニュースのラジオ部門の担当でしたが、宇宙開発の話題となると目の色を変えて飛び回り、打ち上げの度現場に駆けつけていました。

スコット同様に、私の父も宇宙のすべてを愛しています。
想像力、科学、技術、そしてそのたすべてのものを。
私の父はモンタナ州で育ち、スコットはテキサス州西部の出身です。
似たような背景、同じような情熱。
そして父はその情熱の一部を私にも伝えました。

ですからスコットが熱心に子供の頃の話を始めたとき、私も自分の子供時代を振り返らずにはいられませんでした。
私は1969年7月、アメリカが歯締めて月面着陸に成功したとき9歳でしたが、月面からの中継メッセージ、そして月面歩行の様子を食い入るようにして見ていました。
その後間もなく、私は部分日食の取材をする父に同行する機会がありました。私たちはニューヨークの57番街から部分日食を見たのですが、隣にはウォルター・クロンカイトと彼の息子のチップがいました。
感心してしまったのは、クロンカイトが目を傷つけないようにするため、あらゆる種類の道具を予め用意していたことでした。

12歳の時、父は私に学校を一週間休ませ(!)、アメリカ最後の月面探査計画、アポロ17号の打ち上げのためにフロリダに連れて行ってくれました。
打ち上げは夜でしたが、凄まじいうなりと爆音、まばゆいばかりの光の炸裂、地を揺るがす振動が与えるスリルを今でもはっきり覚えています。

私は今51歳になり、私にも息子がいます。
私は今週の番組を編集中、息子の世代にはアメリカには宇宙計画が存在しないことに気がつきました。
スコット・ペリーは、現代のたった一代のスマートフォンですら、1969年にニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズを、地球から送り出し、月に着陸させたミッションをコントロールしたコンピュータ以上の性能を持っています。
単一のスマートな電話を私達に言ったように、これらの日は、ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズは、地球を 離れ、月に着陸したときにミッションコントロールのすべてが1969年にあったより多くのコンピューティングパワーを持っています。

しかし、携帯電話でフェイスブックのチェックをすることは、私にとってはさほどワクワクすることではありません。

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