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「廃止すべきいくつもの理由がある」【 脱原発、ニューヨークでも議論白熱!】[AOLエナジー]

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所要時間 約 14分

原発を再生可能エネルギーに切り替えても、1世帯当たりの電気料金の増加は1カ月100円
再生可能エネルギー発電所2か所で、原子炉1基分の電力を供給可能

ジャード・アンダーソン / アメリカAOLエナジー 10月16日


長年に渡って論争が続いてきた原子力発電の危険性と恩恵と、どちらが大きいのかという問題について、ニューヨークでは
○住民の安全をどう守るのか
○そもそも原子力発電は安全な発電手段なのか
○環境に対する本当の負荷はどうなのか
○原子力発電を行うため、住民の税負担はどれだけになるのか
などの視点が加わり、議論は新たな段階に入ることになりました。

エンタジー社が運営するインディアン・ポイント原子力発電所はマンハッタンの北約30マイル(約48キロ)の場所で2,000メガワットの発電を行っています。
この発電所はニューヨークとウェストチェスター郡(ニューヨーク市の北隣)で消費される電力の25%を賄っています。
しかしこの原子力発電所の操業許可は、あと2、3年で期限切れになるため、事業の継続について住民の意見を聴くための公聴会では、インディアン・ポイント原発の支持者と反対派の間で、白熱した議論が交わされています。

この原子力発電所は正確には、マンハッタン地区の北35マイル(約56km)のハドソン川の東岸のブキャナンにあります。
※ちなみに日本なら、銀座4丁目の北56km地点は、埼玉県古河市役所庁舎のある辺り(訳者注)。

ハドソン川畔に立つインディァン・ポイント原子力発電所


この原子力発電所の閉鎖を求める最大の理由は、住民の健康被害についての懸念です。
「最大の懸念は、操業開始から40年が経ち、至る所劣化が進んでいることです。」
天然資源保護協議会(Natural Resources Defense Council - http://www.nrdc.org/ )の幹部である、キット・ケネディがAOLの取材にこう答えました。
「この原子力発電所は全米で一番人口密度の高い場所にありながら、そもそもの始めから、いい加減な安全基準しかないまま操業を続けてきたのです。今となればもう、操業の継続など許されて良いはずがありません。」

天然資源保護協議会はさらに、この地区はハリケーンなどの通り道に当たり、洪水や地震のリスクを考えれば、閉鎖すべき根拠は充分にあると主張しています。
ニューヨーク州当局も同様の見方をしており、同州のクオモ知事もインディアン・ポイント原発の廃止を支持しています。

▽ 誰もが納得する解決策は?

しかしこの原子力発電所は、大量の発電を行っていますね?
その発電量は、通常の天然ガス発電所や石炭・石油を使った火力発電所の2倍から4倍の規模になります。
2,000ワットの発電の代替手段はどうなるのでしょうか?


この問題について、天然資源保護協議会とリバーキーパー(ニューヨーク周辺の水質環境保団体 - http://www.riverkeeper.org/ )は、すでに大規模な調査・研究を実施しており、その結果は、再生可能エネルギーと節電技術の活用により、インディアン・ポイントの役割を肩代わりすることは別に難しいことでは無いと結論しています。

しかし対立する陣営は、インディアン・ポイント原発は安価に安定的に電力を供給しており、これを別の手段の発電所に作り変えることは技術的に困難である上、費用も高くつくと主張しています。

インディアン・ポイン原子力発電所の存続を図るためのマンハッタン政策研究会を立ち上げた、コンチネンタル・エコノミクス(経営者向けシンクタンク)の主宰者であるジョナサン・レッサー、そしてマンハッタン政策研究会の上級研究員のロバート・ブライスは、この問題に関する特集ページをHP上にアップし、風力や太陽光のような不安定な発電手段は、送電業務の信頼性を低下させ、電力使用者の金銭的負担を増加させると主張しています。

インディアン・ポイン原子力発電所を廃止してしまえば、一般家庭は年間100ドル(約1万円、)平均的中小企業は年間1,000ドル(約10万円)の負担増を求められることになる、と彼らが試算しました。

天然資源保護協議会とリバーキーパー陣営側の調査報告はどうなっているでしょうか?
彼らのコンサルタント、シナップス・エネルギー・エコノミクスが作成した報告です。
こちらの試算結果によれば、一般家庭の負担の増加は1か月1ドル程度です。
そして効率の良い送電方法を採用することにより、カナダやニュージャージーなどで再生可能エネルギーによって作られた電力を使って、インディアン・ポイント原発を閉鎖しても影響は生じないと結論づけました。

ニュージャージーからの新しい伝送網の整備は、2013年には完了し、これまでインディアン・ポイント原発が発電していた電力の25%を供給することになる、とケネディが語りました。
「これにより、原子力発電から安全でクリーンな発電手段への移行期間中も、電力が不足することは無くなります。」
ケネディからのコメントです。


この点についてレッサーは懐疑的です。
原子力発電所を廃止すれば、新たな発電施設を建設しなければならないのではないか?
それはたぶん天然ガスになる?
いずれにせよ、新たな送電網の整備、あるいはガス・パイプラインの整備には多額の費用がかかるうえ、ニューヨーク市とその北郊の高度に都市化された地区で、そうした工事が可能かどうか、その点を指摘しました。

レッサーとブライスはさらに、人口密度の高い地区に天然ガスを送るためには、地下の浅い部分を通すパイプライン網が必要になり、この建設コストが莫大な額になる可能性について言及しました。
マンハッタンの繁華街まで最新型のパイプラインを伸ばすためには、1マイル(約1.6km)あたり4,000万ドルの建設費用が必要だと、レッサーがAOLエナジーに語りました。
しかもこうした新たな送電網や天然ガス・パイプラインを建設しようとすれば、地元の環境保護団体との摩擦が避けられない、とも語っています。
特に天然ガス・パイプラインについては、水圧による破壊や腐食の問題も無視できない、と語っています。

さらにはインディアン・ポイン原子力発電所を廃止した場合、ニューヨーク州のその他の発電能力をどれだけ増大させなければならないか、その見込みに関しても、両陣営の意見は対立しています。

天然資源保護協議会側の見通しでは、少なくとも2020年までは、ニューヨーク州はインディアン・ポイント原子力発電所を稼働させなくとも、従来設備の活用により、必要な電力以上を供給することが可能だとしています。この間に再生可能エネルギー設備の整備を進めれば、電力不足の問題は発生しない、としています。

一方、レッサーは、この見通しには、新規の天然ガスによる火力発電設備の稼働が含まれているのではないか、と指摘しました。
そして老朽化した火力発電所などの廃棄も、計算には入っていないと語りました。
それに加え、遠くにある発電所から、ニューヨーク南西部の利用者に電気を送るための送電網の整備には巨額の費用が必要であり、それが納税者の負担となることについても、検証されていないとしています。


これに対し、送電網の整備は民間企業である送電開始やが行うものであって、税負担の増加などあるはずが無い、とケネディが語りました。

これ程の問題が一週間やそこらで、かたがつくとは思えません。
この点については両陣営とも認めておりインディアン・ポイン原子力発電所の操業継続の是非について、途中訴訟沙汰になることも予想され、最終決定が下されるまでには、尚数年を要するだろうと見ています。

しかし、それが原子力発電所の廃止を求める側に、不利になるという事ではありません。
最後にケネディがこう語りました。
「安全でクリーンな発電手段を政策に盛り込み、実行するためには時間がかかるため、原子力発電所の廃止のためにはむしろ好都合です。」

http://energy.aol.com/2012/10/16/nuclear-power-debate-heats-up-in-nycs-backyard-relicensing-cont
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まあとにかく、原発推進派(英語では pro-nuclear という表現がよく使われます)の言う事は日本もアメリカも、どうしてこう変わらないのだろう、と思います。
「カネ、カネ、金…」
おそらくはこの人たちの人生の価値観の中では、金が非常に多くの部分を占めているからなのでしょう。
しかし原子力発電の問題は、経済や政治にだけ留まる問題では無い、人間の存在そのものを脅かす存在だとする世界中の世論を、【星の金貨】では繰り返しご紹介してきました( http://kobajun.biz/?p=1760など )。


そして、原子力発電の方が金がかからないという主張が、如何に欺瞞に満ちたものであるかについて、アーニー・ガンダーセン氏とヘレン・カルディコット博士が明らかにしてくださいました( http://kobajun.biz/?p=5062 ほか)。
ご紹介した対談の中でガンダーセン氏は、日本国内の全原発に1基当たり8,800トンを超える高レベル放射性核廃棄物が「隠されて」いて、全国の原発を合わせるとその量は30,000トンに達する可能性があることを指摘しておられます。

いちばん金がかかる高レベル放射性核廃棄物の処分、それができないまま、本来保管場所でないはずの原発内に隠されている。
この処理にかかるはずの費用を計上せずに、「経済的」と主張しているのですから、ごまかし、ペテンの類(たぐい)であることは明らかです。

しかも、この日本全国に30,000トンもある、きわめて危険な高レベル放射性核廃棄物が「いくら金を積んでも処理できない」可能性が出てきました。
同じ問題を抱えている米国と組んで、日本はモンゴルに莫大な補償金を支払って、核廃棄物処分場の建設をねらっていたようですが、結局はモンゴルも
『核廃棄物も、補償金も、どちらもいらない』
そう返事をしたようです( http://kobajun.biz/?p=5436 )。

もちろん、日本国内でも僻地と言われる場所をねらって『最終処分場』の建設を目論んでいるようですが、どこに行っても地元の強力な反対に会い、手も足も出ません。

しかも、京都大学の小出裕章氏によれば、日本は再処理技術の開発にまだ成功していないため、青森県の六ヶ所村には全国の原発から集めてきた高レベル放射性核廃棄物が「100年分」溜まってしまっている、という事です(小出裕章氏著『原発のウソ』)。
そういえば『原発ゼロを目指すはずだった』民主党政権は青森県から、核燃サイクル事業を廃止して原発予算を青森に回さないつもりなら、「100年分」の高レベル放射性核廃棄物を全国の原発に「叩き返すぞ」と開き直られ、あわてて廃止を撤回したことは、記憶に新しいところです。

さらには「巧妙に粉飾された公的補助金が交付され、コストを不当に安く見せている」という指摘もありました( http://kobajun.biz/?p=2001 )。

これだけの事実がありながら
「原発は経済性に優れたクリーンエネルギーである」
と、なおも言いつのろうとする。

ヨーゼフ・ゲッペルス(1897-1945)


ゲッペルス(ナチスドイツ国民啓蒙・宣伝大臣)より性質(たち)が悪い…私個人の感想ですが…

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【 スパイダーマンがやって来た!】

アメリカNBCニュース 10月17日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

スパイダーマンの扮装をした、アメリカン・ナショナル・スカイラインの高層ビルの窓清掃作業員が、垂直懸架装置を使いラボネール小児病院の病棟の窓を拭いているところです。
喜んで出迎えているのは3歳の入院患者、オーランド・ファーマーです。
2012年10月17日、テネシー州メンフィスにて。

アメリカン・ナショナル・スカイラインの従業員は、スーパーヒーローの衣装を身に着け、仕事に出かけて行きます。

 

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