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【 アメリカと北朝鮮は戦争を始めるのか? 】《前篇》

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所要時間 約 9分

各国の専門家が読み解く『緊迫する朝鮮半島情勢』今後の展開・冷静な分析

ドナルド・トランプは「炎と怒り」に直面させてやると威嚇、金総書記はグアム周辺へのミサイル攻撃予告で応酬、互いの真意は?

北朝鮮当局によって国内向けに利用されている、トランプ大統領の口汚い威嚇

 

ベンジャミン・ハース(香港)ジャスティン・マッカリー(東京)トム・フィリップス(北京)バーニー・メルキン(シドニー)/ ガーディアン  2017年8月9日

 

米国と北朝鮮間の言葉を使った戦争がエスカレートし、ドナルド・トランプ大統領が「炎と怒り」に直面させると威嚇すると、北朝鮮は直ちに応戦、西太平洋の米軍基地を攻撃する計画を「注意深く検討している」と発表しました。
2017年7月の北朝鮮の2回の大陸間弾道ミサイル発射実験と昨年の2回の核実験により朝鮮半島の緊張が高まり、孤立する独裁国家に対する制裁はすでに強化されています。

しかし朝鮮半島の問題の専門家たちは北朝鮮の指導者たちは自国の核兵器については実際の戦争手段ではなく、飽くまで交渉の切り札と認識していると見ており、実際に戦闘に発展する可能性は低いと考えています。

そうした専門家たちの見解を以下、ご紹介します。

 

▽ ジャン・リー(ウィルソンセンター研究員、元AP通信平城支局長)

 

この地域で新たに戦争を起こすことなど、どの国の国民も望んではおらず、その点は北朝鮮であっても変わりません。

しかし、金正日(キム・ジョンウン)はアメリカに対しては北朝鮮が核兵器保有国であるという事を、自国民に対しては金一族こそ巨大な悪の帝国アメリカから国を守ることができる正当な統治者であるという事を、それぞれ認めさせるためにはできることは何でもする覚悟です。

トランプが行なっている威嚇はいくつかの点で、北朝鮮の思うつぼにはまっています。

金総書記がまず何よりもしなければならないのは、米国が北朝鮮の存在を脅かし続けていると自国民に信じさせることです。

こうした見方を正当化するアメリカに対する恐怖感情はかえって北朝鮮の人々を団結させる結果となり、乏

しい国家資源を核兵器と弾道ミサイル開発に集中させることを正当化しています。

 

私が一番心配しているのは、誤った情報や偶発事故によりこのエリアの軍隊が実際に軍事行動を起こしてしまう事態です。

思い出していただきたいのは、2010年に国境沿いの韓国の島に北朝鮮が砲撃を行い、韓国の民間人数名が殺された事件です。

また日本の領海内に弾道ミサイルが撃ち込まれた場合には、日本が何らかの軍事行動もやむなしとの判断を行う可能性もあります。

 

▽ アンドレイ・ランコフ(ソウル国民大学教授、NKニュース・ディレクター

 

私たちは北朝鮮のメディアによる敵意に満ちた報道の対象にされてきました。

私はトランプ大統領が今後も北朝鮮を口汚くののしる発言を行うと思っていますが、それはすぐに北朝鮮の宣伝機関によって利用され国内に広く流布されるでしょう。

そしてトランプはアメリカ軍の空母を1隻ないし2隻、朝鮮半島付近に派遣することになるかもしれません。

 

北朝鮮はアメリカ大陸を直接攻撃できる核兵器の開発と展開を終えた段階で、核兵器とミサイル開発の凍結について、交渉するための材料が揃ったという判断をする可能性があり、アメリカはこのオプションを受け入れるべきです。

実際に紛争が起きる可能性はほとんどありません。

しかし北朝鮮は外交交渉のみによる解決には興味がありません。

彼らはまず地図の上からシカゴを抹殺する能力を得たいと考えており、その上で外交交渉を行いたいと考えています。

数年のうちに北朝鮮はそうした能力を手にすると考えられます。

 

朝鮮戦争ぼっ発以来何十年もの間、これまでは北朝鮮の側だけが用いてきた論理と戦術の両方を、今やアメリカの大統領も真似する事態となりました。

北朝鮮は数年おきにソウルを「火の海」にしまうという威嚇を繰り返してきましたが、こうした脅迫はいつもの宣伝だと考えるべき性格のものなのです。

 

▽ ソン・ジヨン(メルボルン大学韓国学科上級講師)

 

アメリカ合衆国政府が北朝鮮と水面下あるいは公式に話し合いの場を設定するまでの間、互いに厳しい調子で非難を続ける状態が続くと考えられます。
金正日(キム・ジョンウン)側はアメリカ側の出方を探るために様々な挑発を仕掛けてくると考えられます。

北朝鮮問題には軍事的解決策はありません。

 

北朝鮮が望むのは米国が核保有国として正式に認めることであり、その上で米国との外交関係を確立することです。
北朝鮮が核兵器とミサイル発射能力について世界、特に米国に対し認識させることは、現体制の生き残りをかけたしたたかな計算の一部なのです。
すべての選択肢が北朝鮮政府のテーブルの上にあり、北朝鮮は1953年の休戦状態を終わらせて平和条約を締結するため米国側に何度も和平交渉を提案しました。

北朝鮮がやろうとしていることは、米国と韓国の同盟関係を破綻させ、ムン・ジェイン新大統領が南北関係を改善するためのだとする韓国内での政治的指導力を弱体化させることです。

韓国のムン・ジェイン新大統領は北朝鮮と様々な形の話し合いを提案しており評価されるべきものですが、北朝鮮は故意に無視を続けています。
キム・ジョンウンにしてみれば韓国大統領など眼中にはなく、望んでいるのは飽くまでトランプ大統領との直接会談です。
しかし米国側としては、北朝鮮が少なくとも核兵器開発を凍結する姿勢を見せない限り、会談にのぞむつもりはありません。

希望的観測を言えばキム・ジョンウンが最終的に核兵器の保有をあきらめることが理想的です。

 

中国の習近平国家主席もロシアのプーチン大統領も朝鮮半島で再び戦争が起きることなど望んでいません。

そして金正日(キム・ジョンウン)は国際社会に信頼できる友人などはいません。
彼は全世界の人間、特に韓国人を文字通り致命的機に陥れる非常に危険な武器を開発しました。
もしトランプがこれ以上キム・ジョンウンの行動をエスカレートさせたくないのであれば、彼は席についてキム・ジョンウンと対話しなければなりません。

 

- 後編に続く -

https://www.theguardian.com/world/2017/aug/09/north-korea-v-the-us-how-likely-is-war#img-1

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この記事と前回掲載した【 21世紀社会が抱える深刻な課題 : ノーム・チョムスキー 】《3》デモクラシー・ナウ ( http://kobajun.biz/?p=31626 )を読み、アメリカがエキサイトすればするほど、威嚇を強めれば強める程、北朝鮮の国内統制を利することになるという構図がよく理解できました。

そして経済制裁しか実効的な手段が無いこと、そのためには日韓米中露、すなわちかつての六か国協議を復活させることが、最も妥当な対応だという事も理解できました。

日本国内で核シェルター作りが『ブーム化』しているなどという愚劣な騒ぎを終わらせるためにも、『解決への道』の選択を間違わないようにしなければなりません。

 

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