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【 日本の脱原発運動をつぶそうとする人間たち 】〈3〉

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所要時間 約 9分

再処理計画に正面から疑問をぶつけた4人の政府官僚、意見は潰され、そして排除されたのは疑問をぶつけた4人
一貫して原子力発電を支持してきた自民党、その姿勢に対する電力会社の『評価』は多額の政治献金

 

ダグラス・バーチ、ジェフリー・スミス、ジェイク・アデルスタイン、センター・フォア・パブリック・インテグリティ(公正中立の社会正義) / アメリカNBCニュース 2014年3月11日

経済産業省
▽退けられる反対意見、排除される批判者

六ヶ所村再処理工場の建設が続く間、日本の経済産業省は原子力発電を支持する人間たちの要塞と化しました。

そうした中、2004年、経済産業省の4人の職員がパワーポイントを使って、プルトニウムの再処理計画は時代遅れであり、しかもその実現性には欺瞞が隠されていると告発する内容の『止められない核燃料サイクル』と題する26ページの報告書を作成し、あえて正面から疑問を呈する行動に出ました。

『センター・フォア・パブリック・インテグリティ(公正中立の社会正義)』が入手したこの報告書には、次のように指摘しました。すなわち
「日本の原子力政策が原子力産業界と、その内部に利害関係を持つ人間たちによって支配されている。」
「原子力委員会の5人の委員のうち4人までが、原子力産業界に職業上、あるいは金銭上の利害関係を有している。」
この指摘内容は後に福島第一原発の事故が発生してしまった後、一般国民の前に明らかにされ、広範な批判を浴びることになりました。

六ヶ所村
この報告書はさらに六ヶ所村再処理施設が抱える深刻な問題についても、警告を発しました。
「六ヶ所村再処理施設の建設費用、運営費用、そして使用後の廃炉のためには19兆円もの費用がかかる上、再処理燃料を使った原子炉の実用性については未だ証明されていない。」

そして日本の政治指導者たちはプルトニウム核燃料サイクル計画の実現を急ぐあまり、
「決定的な研究がまだ実現していないことを無視し」、
技術的な検証が不足していることを認識できなかったと指摘したのです。

この報告書を作成した4人は、この報告書に基づく議論を幅広い分野で行うように求めました。
しかし経済産業省はその要求に応える代わり、4人全員を政策立案部門から直ちに排除、報告書を闇に葬り去ったのです。
以上の事実は同省内の直接の関係者の証言に基づくものです。

2012年になってやっと、毎日新聞がこの報告書の存在を突き止めました。
『センター・フォア・パブリック・インテグリティ(公正中立の社会正義)』はこの問題について経済産業省にインタビューを申し入れましたが、拒絶されました。

日本の原子力委員会は先のような指摘があったにもかかわらずこれを無視し、2006年に六ヶ所村施設における最初の試験結果を承認しました。
この試験では放射性物質首脳に汚染されたチリ、溶剤、その他の廃棄物が配管や設備を汚染しました。

この結果、六ヶ所村再処理工場をそのまま棚上げにするいかなる希望も消え失せてしまいました。
原子力委員会の試算によれば、六ヶ所村再処理施設を廃棄するためには数十年の作業期間、そして1兆6,000億円を超える費用が必要になります。

そして1955年以降、1990年代の一時期と、2010年~2012年の3年間を除く期間、一貫して日本の政権の座に座り続けた自由民主党の議員は一貫して原子力発電を支持し続けた姿勢に対し、国の総電力の96パーセントを握る10社の巨大企業、電力各社から多額の献金をもって報いられることになりました。

その中で最大の献金を行ったのが東京電力です。
東京電力の企業としての組織的な政治献金は表向き1974年に終わりました。
しかし朝日新聞が2011年に行った調査によれば、自民党が作った政治団体に対し、政治東京電力の役員や幹部による『自発的』な献金が組織的に続けられました。
朝日新聞が入手し、『センター・フォア・パブリック・インテグリティ(公正中立の社会正義)』が検証した資料によれば、なくとも448人の東京電力の役員が、1995~2009年に総額約8,000万円をこの政治機関に寄付しました。

東京電力社員
これに対し東京電力のスポークスマンはいずれの献金も個人の判断に基づくものであり、会社としての関与はないと、朝日新聞の取材に対し返答しました。
「会社が寄付をするよう求めたことはありません。」

しかし取締役の一人は朝日新聞の取材に対し、会社側からそれぞれの立場に応じていくら寄付すべきか、繰り返し通達されたと話しました。
社長が40万円、副社長が35万円、常務クラスで18万円前後という金額でした。

 

〈 第4回につづく 〉

http://www.nbcnews.com/storyline/fukushima-anniversary/japans-well-placed-nuclear-power-advocates-swat-away-opponents-n50396
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まさに『国会事故調査委員会報告書』が厳しい表現を用いて指弾した、癒着と腐敗が具体的に書かれています。
そして国民の前で広く議論を行うべきであると『提案』しただけで、いわば『粛正』されてしまった経産省の官僚の悲劇も明らかにされています。

これを読むと原発行政に科学的議論など存在しないのではないかと、強く疑わざるを得ません。
国民、国家のための官僚の良心が押しつぶされる現実は、まさに悲劇です。

 

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【 津波が襲った町 】

 

ニューヨーカー 3月11日

大槌 1
3年前、日本はマグニチュード9.0という、観測史上始まって以来最強の地震に見舞われました。
震源は太平洋沖の海底にあり、5分間続いた揺れにより30フィート近い高さの津波が東日本の沿岸部を襲いました。
岩手県大槌町でも津波は防波堤を超えてこの小さな三陸沿岸の町を襲い、町を破壊しつくし、人々は町の近くの丘の上の墓地まで逃げなければなりませんでした。
この津波による犠牲者は、確認されただけで16,000人を超えましたが、そのうちの1割、1,600人が大槌町の人々だったのです。

地震から数日後、大槌町を訪れた日本赤十字社の代表はこう語りました。
「すべてのものが破壊され、町が平らになってしまった。
これこそ災害以外の何者でもありません。日本赤十字社にこの身を奉じて以降、最悪の事態です。」

アルゼンチンの カメラマン ・アレハンドロチャスキエルベルクは、津波の破壊の跡を記録に残すため、今年始め、大槌町を訪れました。

彼は日本人の協力者の助けを得て、かつての住民たちにかつての自宅の跡地での夜間の撮影の被写体になってくれるよう依頼しました。

かつての自宅跡で(写真上)

2年の間水浸しになっていた、家族の写真アルバム(写真下・以下同じ)
大槌 2
基礎だけが残った2軒の家
大槌 3
津波で流された漁網に絡まった様々な遺物
大槌 4
かつての自宅で
大槌 5
破壊された自動販売機
大槌 6
かつての自宅、自分の部屋があった場所
大槌 7

http://www.newyorker.com/online/blogs/photobooth/#slide_ss_0=7

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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