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【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《中篇》

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所要時間 約 6分

人間の手によって作りだされた、人類がこれまで直面した中で最悪の産業事故
付近一帯の汚染をすべて取り去る作業は、今世紀中には終わらない
いったん環境中に放射性物質が放出されてしまったら、それを制御することなど不可能

アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 3月12日

こんにち私たちがこの世界規模の悲劇について考えるとき、福島第一原子力発電所の3基の原子炉のメルトダウン、そして様々な形で放射性物質が環境中に放出される事態を引き起こしたものは天災ではない、という事をはっきりと認識する必要があります。
保険会社は天変地異については人間の手ではどうにもならない事から、『神のみぞ知る』という言い方をします。

しかし福島第一原発の事故は人間の手によって作られたものであり、人類がこれまで直面した中で最悪の産業事故なのです。

福島第一原子力発電所はそもそも設計・計画段階から欠陥を抱えていました。
そして内在する数々の危険性について根拠もなくそれを否定し、併せて今回のような事故が発生した際にきちんと機能する安全システムも存在していませんでした。

様々な事実に対する正確な認識さえあれば、福島の悲劇は防ぐことが出来たはずなのです。
しかし、まず企業が各自に利益を手にできるようにすることが第一義となり、世界の政治的思惑、そして近代技術に関する思い上がった考え方が加わり、まずはカネと権力の確立が優先されることになりました。
その結果何百年もの間福島県内の平和な場所で暮らしていた、農業・漁業従事者や住民の生活と健康が危険にさらされることになってしまったのです。

それでは2014年3月11日まで時間を進め、事故後3年が過ぎた福島第一原発では相変わらず危険な状態が続いているという事実に焦点を合わせましょう。

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福島第一原子力発電所自体、そしてそれを取り囲む福島県のすべての市町村、そして福島県沖の太平洋は、これまで人間が想像したことも無い程ひどく汚染されており、それを根本的に解決する手段を人類は持ち合わせていません。

福島第一原発の事故はこれからも人々の生命に脅威を与え、東京電力の社員と現場作業員に対しては数えきれぬほど多くの困難な課題を与え続けることになります。
そしてかつての住民たちは住む家を失ってしまうか、それとも海も生態系も汚染されたしまった環境の中に戻っていくか、そのいずれかを選択することを強いられています。

この3年の間の唯一の前向きな出来事は、東京電力が4号機の原子炉建屋にある使用済み核燃料プールから少しずつではありますが、計画的に核燃料アセンブリの取り出し作業を開始したことです。
一方、敷地内の膨大な数のタンク内に保管されている高濃度の放射能汚染水については、漏出事故を繰り返すなど予断を許さない状況にあります。
そして原子炉1~3号機の溶け落ちた核燃料とその場所に流れ込む地下水は、高濃度の汚染水を作り続けており、地中にしみ出した分については、太平洋への流れ込みが懸念されています。

そして世界中の専門家が最も懸念している問題があります。
東京電力は悪化し続ける環境汚染について、どのような有効な対策も取れないままでいます。
さらに見過ごせないのは空前絶後とも言うべき産業事故を引き起こした張本人でありながら、自然災害の被害者であるがごとく振る舞っていることです。

廃炉09
福島はこれから一体どうなるのでしょうか?

福島第一原発の敷地の下には汚染水により徐々に地下湖が形成されつつあり、そこから太平洋に汚染がしみだしていく現象は今後100年間は続くと考えられます。

事故収束・廃炉作業には数十年の歳月がかかりますが、付近一帯の汚染をすべて取り去るにはそれ以上の年月が必要であり、おそらくは今世紀中には終わらないでしょう。

ところで、福島第一原発の事故はなぜ世界規模の巨大災害に発展したのでしょうか?

事故がここまで最悪の状態に陥った原因は、日本政府が国民や滞在者では無く東京電力という組織の救済を優先した事、そしてその企業利益を守ろうとしたこと。
そして人々の将来の安全や生活、作物栽培の安全、食の安全よりも、原子力産業界がすでに着手していた計画の達成を保護することを選んだことにあります。

フェアウィンズが3年間訴え続けてきたこと、日本政府は真剣にその実行に着手する必要があります。

1. 事故収束・廃炉作業現場から東京電力を締め出すこと。そして今回の事故により日本がどれ程の財政的被害を被り、放射能汚染がどれ程ひどいものであるかを、国民に対し包み隠さず明らかにすることが必要です。

請戸04
2. 日本の国民は福島第一原発の事故収束・廃炉作業の費用を、数世代に渡り支払い続けなければならない事を正直に認めなければなりません。

3. そして、地震が多発する島国である日本の脆弱な地質学的構造を考慮すれば、安倍政権は欠陥の多いリスク・アセスメントと事故が発生した際の機能に疑問がある安全基準に基づいて日本国内の50基の原子炉の再稼働を認めるべきではありません。
いったん環境中に放射性物質が放出されてしまったら、それを制御することなど不可能なのです。

〈 後篇につづく 〉

http://fairewinds.org/nuclear-power-profits-risks/

 

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