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【 福島第一原発の放射線への、監視の目をゆるめてはならない 】《第2回》

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所要時間 約 6分

次々に不備が明らかになった、放射性物質観測装置の設備とメンテナンス
空間線量が上昇を続けている状況下、迅速で信頼性の高い観測方法を確立すべき

ハリマ・カゼム / アルジャジーラ 1月19日

▽ 信頼性に疑問、環境保護局の放射線監視システム

インディアン・ポイント原発
アメリカ国内のほとんどの州には1〜2基の放射線測定装置が設置されています。
このうちカリフォルニアとテキサスは、各州の中で最大の11基の測定装置を設備しています。
「アメリカ環境保護局の放射線の監視システムであるラドネット(RadNet)は時々ダウンする事があり、また別のときにはデータを表示しなくなる事があります。」
『フクシマ・レスポンス』のバートゥッチ氏がこう語りました。

2012年4月、環境保護局の総括監察官は、全米の124の放射線測定装置のうち、20パーセントにあたる25基が福島第一原発の事故直後、稼働していなかった事が明らかになり、懸念が広まりました。
追加で設置された観測装置はメンテナンスが不充電で、浄化フィルターが8週間以上交換されないままの機器もありました。

報告書は次のように述べています。
「ラドネットの適切な管理運営を最優先課題と位置づけなければ、福島第一原子力発電所の事故のような重大事故が発生した場合、環境保護局には事故以前の資料も、事故の最中の、そして事故後のデータも存在しないことになってしまうでしょう。
こうしたデータが無ければ、万が一大気中に放射性物質が放出された場合、人体と環境にはっきりと悪影響を与える値はいくつなのか、その判断も出来なくなります。」

Gorleben04
監査が実施されて以来、環境保護局はさらに8基のモニターを増設した上で、ほとんどの観測機が機能していると語りました。
しかしこれらのモニターはボランティアによって運営が続けられており、環境保護局の職員は直接関わってはいません。
ラドネットがデータを収集し報告を続けたとしても、ボランティアの人々が自分たちの日常生活を続けながら、データの内容を解析し、重要な判断を下すことなど不可能だと、サイズ氏が語りました。
「このシステムは納税者が収めた税金によって運営されている以上、収集されたデータは一般市民がタイミングを逸することの無いよう提供されなければなりません。」
福島第一原発の事故発生以来、現地も含め日本を9回訪れているサイズ氏がこのように指摘しました。
サイズ氏と福島レスポンスのメンバーは、空間線量が上昇を続けている状況下で適切な対応を取れるよう、迅速で信頼性の高い観測方法を確立する必要があると語っています。

「人々は環境保護局に対応に不信を抱いており、勢い個人が持つガイガーカウンターに頼らざるを得なくなっているのです。」
サイズ氏がこう語りました。

線量計の多くは30,000円前後から購入が可能で、放射線の内ガンマ線、アルファ、ベータとX線を検出することができます。
こうした個人のネットワークによる放射線監視システムは、日本が発祥の地であり、その代表的なものがセイフキャストです。

福島線量01
ジョンS.&ジェームズL.ナイト財団や慶応義塾大学のようなパートナーに支えられ、セイフキャストは福島第一原発の周囲及び影響を受けたと思われる日本各地で、固定式と移動式の線量計を組み合わせ、放射線監視ネットワーク・システムを構築・運営しています。
セイフキャストのウェブサイトを見ると、彼らが2013年12月までに1,400万の放射線ポイントデータを収集し、その結果を無料で公開していることがお分かりいただけます。

セイフキャストもアドバイザーを務めたこともあるサイズ氏が次のように語りました。
「ここカリフォルニアには日本のセイフキャストのような高度な監視ネットワークなどは全くない上、放射性物質の拡散状況について、いち早く市民に知らせるための政府機関のシステムも無いのです。」

「『これは間違いなく福島第一原発から放出された放射性物質だ』というものはここカリフォルニアの陸上で、具体的に検出されたわけではありません。地元の漁獲物も今のところ安全です。しかし近い将来、太平洋が福島第一原発の放射性物質によって汚染されている事実が確認されても、私は驚かないでしょう。」
カリフォルニア大学バークレー校の原子力工学が専門のエリック・ノーマン教授がこう語りました。

▽絶えざる監視が必要

福島第一原発の事故の数日後の2011年3月、ノーマン教授は地元バークレーの雨水と地場で催乳された牛乳を検査し、福島第一原発から放出されたとか考えられない少量の放射性物質が含まれていることを確認しました。

それ以来、ノーマン教授は雨水と地元産のヨーグルトの検査を繰り返してきましたが、しかし最初の時以外は放射性物質は検出されていないと語りました。
「アメリカには大気、食物、そして水について、組織的な検査と解析を継続するシステムがありません。これから継続的に検査することが必要です。」

廃炉10
ノーマン教授は日本政府が昨年の7月になってやっと高濃度の放射能汚染水の太平洋への流出を認めたこと、そしてそれが現在も止むことなく続いていることを懸念しています。
それにもかかわらず、11月後半には4号機から1,500体に上る核燃料アセンブリの取り出し作業を始めたことを知って、教授の懸念は一層深まりました。
別の専門家はこの作業中に再び巨大地震が襲ったり、重大な作業ミスが発生すれば、再び大量の放射性物質が環境中に放出されることになると警告しています。

〈 第3回につづく 〉

 

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