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【 福島第一原発のメルトダウン、終わらない悲劇の実相 】《5》

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所要時間 約 9分

現在の食品管理体制で、人々の二次被ばくを防ぎきれるのか
今回の事故も、事故収束・廃炉作業も、すべてが金に支配された展開となってしまっている
原子力産業とそれを支える官僚組織、それを第一に守ろうとした結果が眼前に展開されている

 

フェアウィンズ 3月3日

金子 : この放射性廃棄物の焼却処分というのは、非常に問題だと思います。そしてこれは福島だけに留まる問題ではないと思います。
私は福島から200~240キロ北の岩手の出身ですが、岩手県内にも福島第一原発の事故によって発生した低レベル放射性廃棄物が処分できずに残されています。
さらには放射能に汚染された草、牧草、シイタケ栽培用のほだ木、しいたけなども汚染されまま残っています。
もし政府が設定した基準を超える放射性物質が検出されれば、これらのものも低レベル放射性廃棄物とされることになります。
現在環境省はこれらを焼却処分してしまうことにより、全体の質量を減らそうと考えています。
その根拠として環境省は焼却処分設備のフィルターが99.99%のセシウムを吸着し、環境中に放出されることは無いとしていますが、今のガンダーセン氏のご発言からすると、実際にはどういうことになるのでしょうか?
この点に関し、今や市民の側には焼却処分の際、すべての放射性物質の環境中への放出を防ぐことは不可能であり、実施されれば不必要な二次的な被害が発生するとして、反対する意見が強まっています。

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アーニー・ガンダーセン :
市民の方々が低レベル放射性廃棄物の焼却処分に反対する、その立場を私は完全に支持します。
セシウム粒子の直径と比較した場合、フィルターの『目』が大きすぎます。
結局はセシウムの粒子はフィルターを通過して再び環境中に放出されることになってしまいます。
このセシウムが汚染することになるのはキノコ類に限りません。
これまであなたが触れてこられたように、水田のコメも、海中の魚類も、そして陸上にいる食肉牛や乳牛の類まで、すべて汚染されることになってしまいます。
こうした環境の中で収穫された食品を食べるということについて、日本の人々はとどのように考えているでしょうか?

金子 : この点につき私はありのままをお伝えしなければならないと思います。
一部にはその食品の産地を厳密に調べ、福島県産および周辺地区の産品は一切口にしないという人もいることはいますが、日本の人々は4年前の事故発生当時と比較すると、食品に関してはほとんどもう気にしなくなっています。
しかしこの問題は実は複雑な側面を持っています。

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食品検査は福島県内はもちろん、福島第一原発から200キロ以上離れた岩手県内でも実施されています。
私の出身地でも学校給食の食材の検査を行っています。
しかし政府が定めた食品1キログラム当たり100ベクレル以下の放射線量であれば、放射性物質の存在が確認されていても、市場での流通が認められています。
従ってこれらの食品を口にすることにより、たとえ微量ではあってもセシウムやストロンチウム90などの放射性物質が食べた人の体内に取り込まれ、そのまま体内に留まり放射線を出し続ける可能性があります。
これによってDNAが損傷する危険性があります。
そうです、内部被ばくが起きる可能性があります。
これは懸念しなければならない事態であり、実際に小さなお子さんたちを持つ母親などの懸念を深める結果になっています。

アーニー・ガンダーセン :
ここに多くの人が知らない思いがけない事実があります。
実はアメリカの食品としての魚の放射線量の基準値は、日本の12倍も高い設定になっているのです。
日本人なら口にしない魚も、アメリカに持って来れば堂々と売ることができるのです。
実に恐ろしいダブルスタンダードです。

01ドイツ・反原発
金子 : そんなことがあるとは考えたくもありませんが、事実そうなのでしょうか?

アーニー・ガンダーセン :
残念ながら事実です。
そしてもうひとつの問題は米をブレンドしているという事です。
基準値を超えて汚染されていると判断されたコメでも、他の汚染されていないコメと混ぜ合わせることにより1キログラム当たりの放射線量を下げることができ、基準値を下回れば販売も可能になります。

金子 : 汚染されたコメとそうでないコメを混ぜ合わせることにより、何種類かの放射性物質の汚染度を下げることができる、そうすれば包装し直して販売することができるという事ですね?

アーニー・ガンダーセン :
保健物理学的見地から判断する限り、それを行うことによりガンを発症する人の数は最終的に同じになる可能性があります。
汚染された米だけが詰め込まれ袋のコメを食べれば、その人のガン発症率は高くなる可能性があります。
一方で汚染米を他のコメと混ぜて数多くの袋を作れば、今度は1人当たりの被ばく線量は下がりますが汚染米を食べる人の数は多くなります。

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この場合、人間全体が摂取した汚染米の総量は等しくなり、統計的にはガンの発症割合は同じ数値になります。
ただ、後者の場合福島から遠く離れた場所にも汚染米が拡散する恐れがあり、その場合には統計的にもガン発症の事実の確認なども困難になってしまうという事になります。

金子 : 結果的には 「統計的にガン発症割合が低下した」ということになりますが、その辺りが真実かもしれません。

アーニー・ガンダーセン :
そろそろ冒頭にお話した、今回の本題に戻らなければならない時間が来たようです。
今回の事故も、その後の事故収束・廃炉作業も、すべてが金に支配された展開となってしまっています。
ゲンパツ難民となってしまった人々や周辺で暮らす人々の事を顧みることなく、原子力産業とそれを支える官僚組織、それだけを守ろうとした結果が眼前に展開されることになりました。

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金子 :
最後につけ加えさせていただきたいことがあります。
それは私がこの4年間に見聞きし、体験したことは、いったん原子力発電所の事故が発生してしまったら、誰も、どんな組織も、一国の政府ですら状況をコントロールすることなどできなくなってしまうという事です。
被害はどこまで広がるのか、いつになったら収束させられるのが、どれだけのコミュニティが破壊されてしまうのか、コントロールできることなど一つも無く、誰もコントロールすることなどできないのです。

アーニー・ガンダーセン :
そう、誰にも止めることはできないのです…

〈 完 〉

http://www.fairewinds.org/fukushima-meltdown-4-years-later/#sthash.cS4E7Xtk.0cl8vZ9P.dpbs
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今日ご紹介するもうひとつのニュースは『<楢葉準備宿泊>「帰る家がない」厳しい現実』という被災地の地元紙、河北新報の記事です。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150403_63012.html
今回の事故では、自宅に住めなくなった人々に対し当然ながら『その家の資産価値に応じて応分の補償をする』ということになっていますが、もしあなたが住んでいた家を破壊された上で「金銭的価値についてだけ補償する」と言われて、納得できるでしょうか?
人が長年にわたり住み暮らしてきた以上、家には数限りない金銭以外の価値が積み上がっていたはずです。
その点については当然のように無視され、しかも支払われるべきとされている金銭価値に対する補償すら満足に行われてはいないようです。
その点を考えると、私などの理解はまだまだ不足していると反省せざるを得ません。

 

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