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【 福島の被災地に忍び寄る残酷な運命 】

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福島第一の被災地は、放射性核廃棄物の処分場になることを運命づけられてしまったのか?

日本の原発官僚たちは、官僚の典型的手口である『先送り』を繰り返し、問題の存在をあいまいにしてきた

地上で最も危険な放射性廃棄物を、最も悲劇的状況に追い込まれた福島第一原発の被災地に押しつけようとしている日本の官僚たち

 

ピーター・ウィン・カービー / ガーディアン 2018年3月16日
福島県飯舘村の核廃棄物保管場所(写真:クリスチャン・アスランド / グリーンピース)

周辺の数百平方キロメートルの範囲を一面放射能で汚染された廃棄物で覆うことになった、福島第一原発の3基の原子炉のメルトダウンと爆発事故から7年が経過した2018年3月、日本の政治家と役人たちは福島の豊かな未来を希望させる言葉を口にしました。

しかしながら福島の未来に関わる最も重要な問題には触れずじまいでした。

それは人が入ることが許されない指定避難区域内が、まるで日本国内の放射性廃棄物を引き受ける処分場の様相を呈しているという事実です。

 

この事実を日本政府関係者は少なくとも公然とは認めていません。

原子力発電所が出す核のゴミ、放射性核廃棄物を安全にほかし続けることが出来る施設を確保することは、日本列島にとって長い間実現不可能な目標でした。

しかし本が原子力発電所から排出された使用済み核燃料を約17,000トンも抱え込んでいることを考えると、こうした施設を確保することは必要不可欠です。

現在日本国内にある使用済核燃料棒の大半は、地震が多発する国土の頭上にある核燃料プールの中に、危険と隣り合わせの状態で保管されているのです。

 

日本の官僚や自治体の役人は福島の短期的および中期的な見通しについて希望を抱かせるようなメッセージを強調し、被災地の安全性に疑問を抱く人々に『修復された』地域への段階的帰還を促しています。

その際強調されているのが経済発展の優先的位置づけです。

しかし福島第一原発の事故で最も被害の大きかった市町村への帰還率はわずか15%です。

避難指定区域内と周辺の地域における安全は再び確保されたとする日本政府の宣言は住民が仕事をする上での障害がなくなったという事を暗に言っているのかもしれませんが、その実態は人間らしい生活とはあまり関係の無い不吉な未来に向かっているように見えます。

福島県当局は現在、イノベーション・コーストという名称の計画を推進しています。

これは福島第一原子力発電所の事故によって誰にとっても問題だらけの場所になってしまった地域を、最先端技術の開発拠点のひとつに変えようとする取り組みです。
その目的の主なものは「ロボット関連産業集積地」の成立であり、ロボットの実験場などの開発拠点を設けることです。
実験場は、まさに現在福島第一原子力発電所の事故処理現場で現実になっている様々な困難な課題や障害のような、災害時に必要とされるロボット技術の開発です。
実験施設のうちのひとつである巨大な水槽は、ガレキと化した福島第一原子力発電所の地下いたるところにある汚染水に関しこれまで明らかにされた問題を再現しています。

 

これまでの数年間にメルトダウンの事故現場に投入されたロボットは、すべて高い放射線量のため機能不全に陥りました。
実験場の他の場所は、破壊され廃墟と化した建物やその他の障害物が散乱する場所を移動しなければならないロボットの性能を視線するために用意されたものです。
災害用ロボットはねじれた鉄筋、コンクリートの破片やその他のガレキを避けながら事故現場を移動しなければなりません。
まあたらしい滑走路とその周囲の放射能に汚染されたエリアは、人口密度の高い日本の国土で、あらゆる気象条件の下様々困難な任務をこなさなければならない無人飛行機の実験のため特別に用意されました。

 

この場所に隣接して、海岸沿いに幅13kmに渡り人間が全く入れないあるいは入るのが難しい汚染区域を上空から調査するためのテストエリアが設けられています。

当然ながら、これらのロボットは福島第一原子力発電所の周囲の放射線量が高く人間が活動しづらい場所で威力を発揮することになります。

そして福島県当局者はこうしたことに加え、福島第一原子力発電所の周辺の被災地が放射性廃棄物の長期保管施設など、人間の手をあまり必要としない設備の設置場所となる可能性のあることを示唆しました。
このような状況について、福島県を誇りにしてきた住民たちの側から見ると、故郷が東京によって『植民地化されてしまう』と感じています。
それは福島第一原子力発電所という悪運に取り憑かれた発電所が、そもそも地元ではなく東京に住む人間に利便性を与えるために東京の人間たちの手で建設されたものであったのと同様に、最先端技術の開発も何も福島以外の場所で役立てるためのものであるというこれまでのパターンがまた再現されるということを意味しています。

 

これまで何年も続けられてきた除染作業は、被災地の森林、公園、農場、道端、学校など、あらゆる場所から放射線によって汚染された物質を掻き取ってきました。
この1,600万立方メートルにもおよぶ放射性廃棄物は指定避難区域内の各所に仮置きされたまま、未だに確保の見通しがほとんど立っていない中間貯蔵施設に移動されるのを待っています。
指定避難区域となった市町村の土地は、まだ半分以上が人間が入れないままになっています。

 

日本政府は30年以内に福島県内の汚染土をすべて取り除くと約束し、こと土壌の問題に関する限りこの点は間違いがないと慎重な言い方で主張してきました。
しかし約17,000トンの高放射性廃棄物、すなわち使用済核燃料を抱え込んでしまっている日本ですが、その中間貯蔵施設については建設予定の候補となる場所すら見つけられずにいます。
このような事情を考えると、日本の政治家が福島県民への約束を反故にし、福島第一原発周辺の汚染された場所を中間貯蔵施設の設置場所にすると考えを変えるのは時間の問題だと見られています。

原子力発電所が排出する核のゴミ・放射性廃棄物の問題については、担当する部署も含めて日本政府は日本人官僚の典型的手口である『先送り』を繰り返し、問題の存在をあいまいにしてきました。
そうした日本の官僚たちのやり口は実に巧妙なものですが、官僚たちは目立たないようにしかし着実に状況を、原子力発電所の立地イコール多大な便宜を供与するという、かつて使い古された図式に戻そうとしています。
議論の本質を徐々に変えてしまうというやり口により、積みあがったまま処理できない放射性廃棄物の問題、誰もが目を向けようとしない問題について、地上で最も危険な物質である放射性廃棄物を最も悲劇的状況に追い込まれた場所に押しつけようとしているのです。
そして仕方なくではあっても、日本の国民がそうした解決法について受け入れるよう状況を都合よく利用しているのです。

 

2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故によって一度汚染されてしまった場所一帯に暮らす住民は極めて少なく、核廃棄物処分場建設への反対も微弱なものになることが予想されます。
原子力発電に関わる利益団体、いわゆる原子力ムラに対しこうした状況は、強硬な反対運動などに遭遇する可能性が低い機会を提供することになります。

こと原子力発電に関する限り、福島は何十年もの間脇に追いやられ、重要な情報も与えられず、そして裏切られ続けてきました。 最終的に福島県はリスクを負わされましたが、福島第一原発で作られた電気はすべて首都に直行していました。

福島は2011年以降、日本政府がそれまで繰り返してきた都合の良い宣伝とはまるで逆に3基の原子炉のメルトダウンがもたらした大災害により何もかも奪われるという悲劇に見舞われ、最低でもこれから数十年間、市民たちは背負いきれないほどの重荷を背負い、苦しみ続けなければならなくなったのです。

 

ピーター・ウィン・カービーはオックスフォード大学で核問題・環境問題を専攻しています

https://www.theguardian.com/environment/2018/mar/16/is-fukushima-doomed-to-become-a-dumping-ground-for-toxic-waste

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この官僚達のやり口、どこかで聞いたり見たりした記憶はありませんか?
「どうせ汚れちまった体だ⋯カネをやるから、黙って言うことを聞きな⋯」
そう、これってヤクザの論理じゃないでしょうか。
福島第一原発周辺一帯の汚染が深刻であることを口実に、
「どうせもう誰も戻れないほど汚染されてしまったのだから、金をもらって放射性核廃棄物を受け入れてしまいなさいよ。」
それが本音ですか⋯
加計学園といい森友学園といい、日本の官僚の腐敗が問題になっていますが、原発行政にはついにヤクザ官僚、官僚ヤクザまで現れたと言うことでしょうか?
劣化したとしか言いようのない自民党の下で腐敗し続ける日本の官僚組織。
彼らの管理の下で原発が次々と再稼働し、処理不可能な放射性核廃棄物が尚も増え続ける日本には、どのような未来が待ち受けているのでしょうか?

 

 

 

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