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【 知識も理解もないアメリカ大統領トランプのアジア歴訪 – 最大の難問は本人自身 】

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所要時間 約 8分

北朝鮮問題に対するトランプの独善的なやり方は、解決へのどんな糸口も導きだすことはできなかった
トランプには人権問題への関心が完全に欠如、他国の人々が残酷な運命に落ち込もうと気にもしていない

 

ガーディアン[社説]2017年11月2日

アメリカ合衆国大統領は今、アジア地区への最初の旅に取り掛かろうとしています。
北朝鮮をめぐって緊張し中国が野望を逞しくしている中、この地域について無知と言って良いトランプは、自身の中にくすぶり続ける外交上の不満をどうするつもりでしょうか?

 

11月に入って間もなく、ドナルド・トランプは大統領として初めてアジア各国を訪問することになりますが、これは就任以来最長の海外出張になります。
1週間半をかけて、日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンを訪れる予定です。
これらの国々の指導者たちが場当たり的対応をするのか、挑発的言動に及ぶのか、あるいは一国の指導者として無能をあらわにするのか、そのあたりは様々な可能性があるでしょうが、トランプ氏はものの言い方について気をつける必要があります。

今という時代が間違いなく「アジア世紀」だということであれば、いかなる結果になるにせよ米国大統領のアジア歴訪は多くの事実を明らかにすることになるでしょう。

しかしその多くは懸念材料である可能性があります。

トランプ氏はこれまで予測不能の発言と行動をするという評判を「得て」きましたが、多くの場合はあからさまにツジツマの合わない話であったり、あるいは米国が長年培ってきた外交方針についての無知や無理解を露呈するものでした。
貿易摩擦問題に関しては激しい中国叩きを行った挙句、結局トランプ大統領はマル・ア・ラーゴの自分の別荘で中国の習近平氏と顔をそむけ合うような『友情ショー』を披露する羽目になりました。
そして10月末には『中国の皇帝の再来だと言う人々もいる』と見え透いたお世辞を口にしました。

 

しかし競合する互いの国家的利益のバランスを取るためには、お世辞や追蹤などよりもっと大切なことがあるはずです。

ミサイル発射と核実験を繰り返す北朝鮮問題に対するトランプの独善的なやり方は、解決に向かうためのどんな糸口も導きだすことはできず、結局中国からさらなる協力を取り付けることが今回の歴訪の最重要課題となっています。
トランプは中国を通貨操作をおこなっている国家と決めつけるという、大統領就任直後にとった姿勢に何度か戻ったことがあります。
彼は『恐ろしい金額』の貿易赤字に取り組む能力を誇示したいと考えているのかもしれません。

米中間の貿易戦争の話はすでに過去のものである可能性もありますが、そうでない場合も考えられます。

トランプ大統領自身を国際社会の取りまとめ役としてのキャリアを望んでいますが、新しい枠組みを構築するというよりはこれまでの合意を破ったり弱体化させたりしています。
彼は欠点の多い12カ国が参加する環太平洋パートナーシップ貿易協定をからの撤退を決定しましたが、代わりに提案した「インド - 太平洋地区」協定の中身については説明も何もありません。

こうした状況を見て、アジア太平洋地区全体でトランプ率いる米国の指導力に対する疑念が拡大し、中国を利することになりました。

 

トランプ氏はこれまでで最大の『不支持を獲得した』スキャンダルだらけの大統領として登場しました。
一方の習近平は共産党大会において信認を新たにし、個人的な影響力を行使するための人事を強化し、国際社会における中国のリーダーシップの新しい時代を約束しました。

バラク・オバマ前大統領は、自分を米国「初の太平洋大統領」と呼び、米国とアジアの関係を「改めて均衡したものにする」と語りました。
トランプの今後の方針は国内への政治的配慮やアメリカ人労働者を守るという公約を大きく逸脱したものにはならないでしょう。
結局国家戦略を練りあげる作業は、現政権の将軍たちである旧来の権力階級を代表する人間たちに委ねられることになりました。
ただしそれもいつツイートの大洪水によって邪魔をされるかわかりません。

 

防衛に関する同盟関係の先行きを懸念する日本と韓国については、日韓が自国の防衛のために核兵器を所有すればその防衛力が「向上する」だろうという彼の発言は、さすがに今はすっかり影を潜めました。
とりわけ日本の安倍首相とゴルフコースを共にラウンドしてからは、こうした発言をしなくなりました。

しかし、トランプ大統領と安倍首相のコンビは、日本国憲法の平和主義条項・第9条を廃止するべきかどうかという日本国内の議論に火をつけました。
フィリピンに関してホワイトハウスは、ロドリゴ・デュアルテとの「温かい交流」を自慢げに語っています。
しかしこれはトランプ政権には人権問題への関心が完全に欠如しているということを証明するものであり、デュアルテ政権が裁判もなしに12,000人の殺人事件を犯した「麻薬戦争」を問題視しないということの意思表示です。

訪問先の各国の政治指導者たちは、トランプが阿諛追従に弱いということを知っています。
トランプのエゴを喜んで受け入れさえすれば、対米関係を後々楽なものにすることができます。
しかしトランプがこれまでのアメリカ大統領と最も違っている点は、国際社会において不安定かつ戦略上最も重要な部分の舵取りをするのは自分だと考えていることです。
訪問先の国々はこの点を不安視しており、世界中が心配しています。

 

https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/nov/02/the-guardian-view-on-trump-in-asia-brace-yourselves

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トランプが自分の周囲にいる人間以外の『人権』に無関心だという指摘には全く同感で、アメリカ大統領戦以来アメリカのメディアを中心に報道された内容はその指摘を裏書きするものばかりでした(http://kobajun.biz/?p=29205など)。

北朝鮮については、問題の本質はキム・ジョンウン体制、その世襲制度による北朝鮮支配というものであり(http://kobajun.biz/?p=29067など)、トランプがちらつかせる『軍事的選択』など日本・韓国・北朝鮮の市民や兵士が大量に死傷するだけで、問題の『本質的解決』につながるのかどうかきわめて疑問です。

トランプ・安部ラインというのは、アメリカの軍産複合体に奉仕し、日本にもそれに似た体制を作り上げようという底意に基づいて政治を壟断している、そしてその視界に『基本的人権』という言葉は無い、そんな感じがします。

 

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