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【 原・発・襲・撃!】狙われる発電所

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銃規制と発電事業:発電所を襲えば、社会が大混乱に陥るという「認識」の広がり

ピーター・ガーデット / AOLエナジー 1月16日

アメリカ、クリスタル・リバー原子力発電所の警備員

アメリカ、クリスタル・リバー原子力発電所の警備員


半年前、ルイジアナ州にあるバレーロ製油所の前で保安官2名が射殺され、別の2名が負傷しました。
6年前にはサウジアラビアにある世界最大の製油所が襲われ、駆けつけた警官隊と施設の門を巡って銃撃戦になり、車一台が爆発・炎上しましたが、テロリストによる攻撃は失敗に終わり施設そのものには被害はありませんでした。

銃はエネルギー事業にとっては、本来の性能以上の脅威となります。
事故を起こせば目も当てられない地獄を作り出しますが、襲撃に対しては最も弱い施設、それがエネルギー施設です。
アメリカでは度重なる発砲による無差別殺人により、公共の場で銃規制に関する議論が戦わされる事態となっていますが、社会の基盤を形成するエネルギー施設を巡る保安問題と銃規制問題は不可分の関係にあり、ここで今一度この問題を正面に据え、エネルギー関連施設が持っている潜在的な危険性にどう対処すれば良いのか、じっくり考えてみたいと思います。

ある意味、アメリカのこの10年は、エネルギー関連施設の安全確保に関する問題については平和なものでした。この点に留意する必要がありそうです。
メキシコ湾のマコンドの原油流出は操作ミスによる事故であり、ハリケーン・サンディによる大規模停電は天災、いずれもテロリストには関わりがありません。
しかし問題を起こした施設に一般人が近づくのは、極めて容易なのです。

2012年8月にルイジアナ州の銃撃が起きたミシシッピ川沿いの製油所に沿って車を走らせると、ひとつの問題に気がつきます。
いずれの施設にもゲートはありますが、それ以外の場所ではどんなに施設に接近してみても、一度も見とがめられることはありませんでした。

▽ 問題は以前からあったのですが…

エネルギー関連施設を守る事、そしてどれほどの保安体制を布けば間に合うのか、それはこれからも大切な問題ですが、別に新たに持ち上がった訳では無いのです。
そしてこの問題はエネルギー産業に関連する多くのものがそうであるように、一般消費者にとっては目にとまりにくいものなのです。

火災を起こしたまま放置された、ナイジェリアの『無許可』原油採掘現場。2012年12月6日。

火災を起こしたまま放置された、ナイジェリアの『無許可』原油採掘現場。2012年12月6日。


アフリカのナイジェリアから南米コロンビアに到る各油田施設は、主に当地の政情不安定など問題から、度々武装攻撃を受けています。コロンビアでは原油を輸出港にある関連施設に運び込むまでの間、輸送列車には完全武装の警備員が乗り込む決まりになっています。
さらに大きな規模で考えると、ホルムズ海峡など主要エネルギールートを無事通過することは、強力なアメリカ軍の後ろ盾が無ければ出来ない事なのかもしれません。

しかしいくら武装を厳重にしても(先進国の施設では完全武装の警備員を見かけることは稀ですが)問題は残ります。
エネルギー施設の周辺住民に対する潜在的脅威です。

液化天然ガス(LNG)を取り扱う施設、そして輸送を行う場合には、万が一襲撃を受けた場合、あるいは爆発してしまった場合、辺り一面にLNGが散乱してしまった場合の科学的対処法について検証を迫られました。
シェル石油のかつての役員はAOLエナジーの取材に対し、天然ガスはその物質的特性により、爆発するよりも辺り一面に散乱する可能性の方が高く、トルコのボスポラス海峡のような幅が狭い水路ではその点は有利なのだと答えました。

9.11のテロリストによる攻撃の直後、アメリカの原子力産業界はその安全体制について再考を迫られることになりました。
墜落した飛行機が直接原子炉を直撃しても大丈夫なように、施設の強度が補強されました。
原子力発電の警備には重火器の配備が認められ、2009年には銃を持って原子力発電所に近づくことは、連邦犯罪にあたると法の改正もようやくに行われました。

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2009年3月には、原子力発電所に配置される武装警備員は10人を下回らないようにするよう求められる事になりました。
それまでの規制では5名を基準に、アメリカ原子力規制委員会がそれぞれのケースごとに必要人数を判断していたことを、議会調査局が作成した報告書が明らかにしています。

しかしこの報告書は警戒を厳重にしているにもかかわらず、大きな欠陥が潜んでいることも指摘しました。
エクセロン社のピーチボトム原子力発電所で記録されたビデオテープが、その『不適切』な安全管理を明らかにし、米国議会で厳しい批判を招きました。その結果2005年に制定された法律が強化され、原子力規制委員会の指導による戦闘訓練方式の原子力発電所内の防衛訓練が、最低でも3年に1回義務付けられることになったのです。

さらにアメリカ政府は、特定し排除するまではいかなくとも、アメリカ国内の重要エネルギー施設内に危険人物が潜んでいないかどうかの検証も行いました。
国家安全保障省は18の重要地域の1つにエネルギー関連施設を含めることにし、エネルギー部門政府情報連絡協議会を通してエネルギー省と協働して、規制の適正化に動いています。
さらに米国エネルギー規制委員会と北米電気信頼性向上機構を含む多数の組織も国家安全保障省に協力します。

▽ 今後最大の『攻撃』を受けることになるのは原子力発電所?!

アメリカ国内のエネルギー関連施設を守るための取り組みが数多く行われるようになりましたが、水圧破砕法の普及は天然ガスや石油生産量を増大させることになり、アメリカにおけるエネルギー資源の生産量が増大する可能性があります。

あらゆる地方で水圧破砕による資源開発が進むことには異論もあります。
水圧破砕による採掘がところ構わず行われ、中には乱暴なやり方をする地方、潜在的リスクに対処できずに危険な状況を作り出す場合があるかもしれません。
コンサルティング企業のコントロール・リスク社が年間報告書の中で、このような懸念がある事を明らかにしました。
「3つの流れが、将来、水圧破砕事に対する反対勢力を形作る可能性があります。採取場所の際限もない拡大、影響を受けるあらゆる分野で問題が発生すること、そしてブームに乗った勢いで節度を失いつつある水圧破砕業者に対する直接的な反発。」

多くの大規模エネルギー関連施設にとっては、エネルギー生産や送電、あるいは大規模なシステムを運営することに伴って発生せざるを得ない問題の方が、個々の施設に対するテロ攻撃などの問題よりも、より大きな脅威となる可能性があります。

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「特に原子力発電所については、その存在に反発する人々が社会のあらゆる場所に数多く存在するため、電子的攻撃も含め、新たな問題に次々遭遇することになるでしょう。」
ロッキード・マーティン社の先任部長のリッチ・マーラー氏が、AOLエナジーに掲載した記事中にこう書きました。
「国家安全保障省やメディアが指摘する通り、大規模送電網の維持管理や大規模施設の安全の確保については、これからますます難しいものになる、私たちはこの点に留意しなければなりません。」

http://energy.aol.com/2013/01/16/guns-and-the-energy-sector-risk-awareness-grows/?icid=mostPopular2
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同じAOLには、昨年アメリカ東海岸でハクケーン・サンディによる大災害が発生しましたが、その際被害を受けた一帯が、大規模発電所でつくった電気を大規模送電網で送電するシステムでなければ、すなわち地区ごとに、あるいは建物ごとに小規模な自家発電を行うシステムを採用していれば、あれほどの混乱は起きなかったであろうという記事(未翻訳)がありました。

日本の都会には細い道路にも電信柱が林立し、時には交通事故の原因になったりしていますが、規模の大きなビルディングがそれぞれ太陽光などにより自家発電を行なえば、都会の電柱の数も大分減らすことが出来るのではないでしょうか?

3.11は一方では、それまでの『認識』がひょっとしたらすでに時代遅れなのかもしれない、そう考えるきっかけとなりました。
社会の進化は、認識の転換の積み重ねにより実現してきたという事が言えるでしょう。

大規模発電所の中でも「きわめつけ」と言っていい原子力発電所を、数々のリスクを背負っても尚、維持しなければならない理由はどんどん希薄になってきているはずです。

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【 100人目の焼身自殺、故郷を追われたチベットの人々 】

アメリカNBCニュース 2月13日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

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チベットに対する中国の支配に抗議し、焼身自殺をとげたチベット人への連帯を示すため、故国を追われた人々が13日水曜日、ネパールの首都カトマンズで徹夜の追悼集会を開催しました。

この日の早暁、一人の僧侶がカトマンズにある最も神聖とされる聖地のひとつ、ボダナート・ステューパ(巨大仏塔)で、中国政府に対する抗議のため体にガソリンをかけ焼身自殺しました。
これで中国政府に対する抗議のため自ら命を絶ったチベット人は、2009年以来100人に達しました。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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