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【 特定秘密保護法、自由主義社会からの脱落への途を歩み出した日本 】〈前篇〉

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所要時間 約 9分

自由・平等を保障する民主主義に、キバをむき始めた安倍政権
「日本の報道の自由に対する深刻な脅威」国外の有識者からも深刻な懸念
国民の監視の目が届かないところで、国民の目に触れることなく、自分たちが望む形にこの国を変えてしまうための環境づくり

AP通信 / ワシントンポスト 11月26日

特定秘密03
日本ではより権限の大きな衆議院は、11月24日火曜日、業務上の秘密を洩らした政府職員とその情報を入手したジャーナリストに対し、厳しい刑事罰を科すことが出来る特定秘密法案を議決・通過させました。
この法案については、政府内部の情報を隠し、報道の自由を抑え込む高圧的な手法を形にするものだとの批判が高まっています。

政府は『特定秘密』が何であるか明確な規定を明らかにしていないためも、運用次第ではどのような解釈も可能であり、この点にも市民の懸念が強まっています。
評論家等はこの法律により、政府が国民に情報を開示せずに政治を行う可能性があり、最終的に日本の民主主義が弱体化していく危険性があると指摘しています。

この議案の審議については野党議員からの激しい抗議が相次ぎ、議案は予定を数時間遅れて可決されました。
与党とその支持者は、参議院において12月中に可決されることを望んでいます。
与党側はアメリカをはじめとする同盟国間で安全保障上の重要な情報を共有するために、この法律はぜひとも必要であると述べています。
アメリカ同様の国家安全保障会議の設立とともに、特定秘密保護法は国際社会における日本の軍事的貢献度合いを強化し、さらには政府により大きな権限を持たせようという安倍首相の取り組みの第一歩となります。

特定秘密01
「この法律は、国民の安全を保障するためのものです。」
安倍首相はこう語り、国会で自由文に審議を尽くした上で国民の懸念を払しょくすると約策しました。

この法案では各省庁、各機関の長に、防御、外交、防諜活動とテロ対策に関連した23種類の漠然とした言い回しの事柄に対し、一方的に機密指定できる権限をほとんど無制限に与えるものです。

この法律が施行されれば、政府は原子力発電所に関する情報について、テロリストの攻撃目標になる恐れがあるとの理由で、大切な情報のほとんどを機密扱いにしてしまうことも可能である、このような批判的な意見もあります。

または貿易自由化の交渉において、政府や与党が日本にとって不利な譲歩を行った際、交渉の障害になるとの理由からその事実を隠ぺいしてしまう可能性もあると警告しています。
一方で台頭する中国の軍事的脅威に神経をとがらせているアメリカ合衆国は、日本がその抑止力として強く働き掛けることが出来るとして、特定秘密保護法の成立を歓迎しています。
しかし日本国内では、かつて政府機関が自由な言論・報道を厳しく弾圧し、軍国主義を推し進めた過去に再び回帰する恐れがあるとして、特定秘密保護法案の成立には懸念が広まっています。

特定秘密02
一部の専門家は、この法律によって安倍政権は、国民の基本的人権よりも国民の義務を強調する社会の成立をめざし、かつてアメリカの影響下で成立した平和憲法の軍事面に関する制限を取り払おうとしていると指摘しました。

「私が一番恐れるのは、政府の意思決定プロセスを国民が監視することが非常に難しくなる、という点です。」
こう語るのは元防衛庁の高官で、2004年から2009年にかけて首相官邸で安全保障と危機管理を担当した柳沢協二元官房副長官補です。
「つまり国民は、政府がどこでどのように誤りを犯したのかを確認できなくなり、政府がより懸命な選択を行うよう意見を言うことが出来なくなるということなのです。」

11月23日、特定秘密保護法案の採決の前、たった一度福島で開催された公聴会で、弁護士の牧博康氏はこの法律では秘密の定義が曖昧で漠然としており、もし別の原子力発電所事故が発生した場合、周辺住民にとっては避難の際に不可欠で、かつ死活問題となる放射性物質の飛散状況などの情報が機密扱いされ、公開されなくなる危険性があると語りました。

この法案に反対する人々は、公聴会の席上、地方自治体の7名の当局者が一致してこの法案の可決に反対したにもかかわらず、翌日にはあたかもそんな事実など存在しなかったかのように法案を可決してしまった安倍政権について、民意などまるで無視したやり方だと批判しました。

特定秘密04
与党自民党の国会議員は、日本には機密を保護するための法律が無いため、最高度の国家的機密情報を日本と共有することについて不安があると、繰り返しアメリカ政府が表明したと語っています。
特に中国に機密が漏れてしまう事を、アメリカ側がことのほか恐れていると自民党国会議員が口にしました。

「日本の諜報レベルを上げるためには、この法律が必要なのです。他の多くの国々には、国家的機密を保護するための法的枠組みがすでに存在しています。しかし、日本にはまだ無いのです。」
このように語るのは、与党自民党の特定秘密保護法案作業チームの幹部、町村信孝議員です。

この法律が成立すれば、現行法では機密を漏えいした政府職員の罰則が1年間の懲役であるのに対し、最高で10年間の懲役刑が科されることになります。

「不適切」な手段により、あるいは「不当に」機密情報を入手したジャーナリストには懲役5年以内の刑が科されることになります。
特定秘密保護法は、政府職員にとっては報道機関に対する情報開示について一層後ろ向きになってしまう材料となる一方、ジャーナリストにとっては取材活動に対する脅迫として機能する可能性があります。
機密漏えいを企てたり、機密を暴露する報道を共謀したり要求しただけでも違法性を問われ、検挙されてしまう可能性があります。

特定秘密05
「この法律は、日本の報道の自由に対する深刻な脅威です。」
明治大学法学部のローレンス・レペタ教授がこう語りました。

「安倍政権は望んでいたものの多くを、手に入れることに決めたようです。政府と官僚が国家機密の指定に関する幅広い権限を行使することにより、国民の監視の目が届かないところで、国民の目に触れることなく自分たちが望む法案を成立させられる環境を…。」

〈 後篇に続く 〉

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-secrecy-law-stirs-fear-of-limits-on-freedoms/2013/11/26/b2447b24-566f-11e3-bdbf-097ab2a3dc2b_story.html
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今回の特定秘密保護法案の成立、そして現政権は原子力発電を「ベース電源」、つまり発電手段の『根幹』だと規定しようとしています。
つくづく思いました、今を生きる日本の市民は「戦う市民」にならなければならないのだと。

まさに写真コーナーに掲載した、ネルソン・マンデラ氏の言葉通りです。

「自由と正義を手に入れるための戦いは、本当に骨の折れる仕事です。
だからこそあなたが参加する価値があるのです。
私たちが暮らすこの世界を、より良いものにするための鍵、それはあなたの手の中にこそあるのです。」

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【 ネルソン・マンデラの言葉の中に 】

アメリカCNNニュース / アメリカNBCニュース 12月15日

マンデラ 3
「世界中のどこにも自由を簡単に手に入れられる場所などはありません。
多くの人間が念願の自由を手にするまで、仲間の死が散乱する暗い谷間を何度も何度も越えていかなければならないのです。」

マンデラ 2
「自由と正義を手に入れるための戦いは、本当に骨の折れる仕事です。
だからこそあなたが参加する価値があるのです。
私たちが暮らすこの世界を、より良いものにするための鍵、それはあなたの手の中にこそあるのです。」

マンデラ 3
「今の時代にあっても、自由を手に入れるという事は容易な事ではありません。
そして一人で行動しても自由を手にする事は出来ません。
そのために市民が連帯する必要があるのです。
国民同士が和解し合うために、市民のための国家を作り上げるために、新しい世界を創造するために。」

マンデラ 4
マンデラ 5
マンデラ 6
マンデラ 7

 

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