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【 正しい表現とは何か?第二次世界大戦(太平洋戦争)当時の事実を検証しなければならない日本 】

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所要時間 約 8分

過去について再検証するという行為は、和解を進めるためのものであるべきである
謙虚に過去を検証し、戦争を知らない世代に悲惨な体験や歴史が正しく伝えられていくべきである

マーティン・フリッツ / ドイチェ・べレ(ドイツ国際放送) 3月16日

DW Finding the right words

安倍晋三首相はこれまで、歴史認識を変更することによって日本の「国家の名誉」を復活させようとしてきました。
国家主義者である安倍首相は、日本が第二次世界大戦(太平洋戦争)で全面降伏を行ってから70周年を迎える2015年8月も、この姿勢を貫くと見られています。
2015年3月9~10日訪日したドイツのアンゲラ・メルケル首相は、対立を煽るのではなく和解に向け歩み出すよう間接的に促す会見を行いました。
この中でメルケル首相は第二次世界大戦中のドイツ軍が行なった犯罪行為をドイツが進んで認めた一方、フランスは友好関係の構築に前向きに取り組んだ点に言及しました。
「過去の再評価というものは、和解を進めるためのものでなければなりません。」

メルケル首相のこの発言は、安部首相との会談の後の共同記者会見で行われたものです。
この発言にもかかわらず、メルケル首相はいかなるアドバイスもするつもりは無いとも語りました。
メルケル首相がこの発言をしている間、脇にいた安倍首相は終始表情を変えることはありませんでした。

メルケル首相
メルケル首相が帰国の途に就くほんの数時間前、日本の岸田文男外務相がドイツと日本の第二次世界大戦中の行動について比較するのは適切でないとコメントしているのが聞こえてきました。
岸田外相は、ドイツと日本では戦争中に被った被害の程度が違い過ぎると語りました。
岸田外相のコメントは日本国内の都市と言う都市が空襲によって甚大な被害を受けたことは別にしても、広島と長崎に原子爆弾が投下されたことを指したものと思われます。
さらに岸田外相は詳しく言及することはしませんでしたが、当時の隣国との関係がドイツ日本では性質が異なっていたと付け加えました。

▽終戦記念日70年目の声明

折しも日本国内では戦後70年目を迎えるのを機会に、日本の戦争中の事歴をどう評価するのが正しいのか熱心な議論が続いている最中であり、メルケル首相の会見が意図していたことが明らかであった分、発言に対する反応もすぐに現れました。

戦争終了後10年の節目を迎えるごと、1945年に天皇陛下が無条件降伏の受け入れを宣言した8月15日に、日本政府が第二次世界大戦(太平洋戦争)における日本の事歴について声明文を公表することは慣例化しています。

大日本帝国陸軍(1940)
1995年には、社会党の村山富市首相が日本の「植民地支配と侵略」に対する「心からの」謝罪を表明しました。
保守的であった小泉純一郎首相も、2005年8月、この声明に関しては村山首相の声明をほとんどそのまま踏襲しました。

しかし戦後70周年を迎える今年、現在の首相を務める安倍晋三氏は、「全体としては」村山首相の声明を引き継ぐものの、最も強調することは別のものになると見られています。

何をどう表現すべきか、歴史学者、ジャーナリスト、知識人などからなる70周年声明の内容について検討する委員会が立ち上げられ、2月25日に初めて会合が開かれました。
宣言の内容について委員会は、戦後日本が近隣諸国と和解し友好関係を樹立したこと、その関係は将来も引き継がれていくことがふくまれたものでなければならないとする一方、第二次世界大戦(太平洋戦争)中の事歴について必ずしも触れる必要は無いとされました。

▽隣国、そして同盟国からの圧力

安倍首相に対しては、国際社会から様々な圧力がかかっています。
アメリカ合衆国やドイツなどは、70周年の声明文においても日本政府が従来の立場を引き継ぎ、第二次世界大戦(太平洋戦争)中に戦争犯罪を犯した事実を認める事を期待しています。
隣国も同様の立場を取っています。

東京裁判02
中国の李克強首相は、日本政府が「過去に罪を犯した」と言う事実を受け入れ、その責任を認識しなければならないと語りました。
韓国のパクキョンヒ大統領は、日本が戦争中の事歴と誠実に向かい合うよう求めました。
大統領は特にかつての大日本帝国の軍隊が組織的に韓国人女性を売春婦として使役した従軍慰安婦問題に言及し、日本はその責任をとらなければならないと語りました。
この問題については、安倍政権は真っ向から否定する態度をとってきました。

特に、日本は韓国の女性の性的搾取の責任を日本軍によって認めなければならないと、公園は言いました。 日本は、現在まで正反対をしていました。
10月の末に向け、安倍政権は「従軍慰安婦問題を正面から取り上げ、日本の名誉を回復するための具体的手順」に着手すると宣言していました。

従軍慰安婦は、第二次世界大戦(太平洋戦争)中の日本兵相手の売春宿の売春婦として働くことを強制された最大で200,000人とされるの韓国人女性について、今日まで日本国内で使われてきた婉曲的表現法です。

従軍慰安婦01
独立した立場で歴史の検証を行っている研究者たちは日本軍のために使役された女性の多くが売春行為を強いられたという記録を確認していますが、日本国内で歴史認識を変えようとしている国家主義者や右翼系の人間たちは、女性たちが自主的に売春婦になったのだと主張しています。
日本の外務省は、こうした主張に沿った米国の教科書の記述の変更を、すでにアメリカ側に要求しています。

▽ 後退する『従軍慰安婦』に関する認識

かつての内閣官房長官であった河野洋平氏は1993年、日本軍当局に代理権限を与えられた民間の仲介者たちが女性たちを徴募し、従軍慰安婦として各地に送り込んだ事実を公式に認めました。
しかし短命に終わった安倍首相が率いる政権は2007年当時、すでに日本軍がこうした作業に関わったとする証拠はないと主張していました。
そして河野談話の内容について、以後の内閣はその主旨を引き継ぎませんでした。

そして現在の安倍政権は2014年、河野談話は16人の韓国人女性の宣誓証言に基づくものであるが、いずれの証言も公式には未確認であると断定しました。
その上、こうした証言が出された背景には韓国政府の後押しがあったとしています。

日本政府がことさらに河野談話の内容を否定しようとしている事実は、今年夏に公表される予定の戦後70年の節目に出される首相声明が、修正主義的立場に沿ったものになるであろうことを予見させるものです。

広島平和記念資料館内
こうした状況には、本来なら憲法により政治的発言を許されない立場の日本の皇室ですら、反応を示さざるを得なくなりました。
日本の皇太子は、第二次世界大戦(太平洋戦争)中の日本の事歴について、正しい認識を行うよう求めました。

「戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切です。」
将来天皇になられる身である皇太子は2015年2月23日、ご自身の55回目の誕生日の時にこう述べられたのです。

http://www.dw.de/finding-the-right-words-japan-debates-its-martial-past/a-18318949
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