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【 東京電力の原子力発電所に再稼働の許可 】

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所要時間 約 7分

日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈

福島第一原発事故の被災者への補償費用、そして廃炉費用、総額が50〜70兆円に急増

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月4日

2011年3月日本の福島第一原子力発電所において3基の原子炉をメルトダウンさせる事故を起こしてから6年以上経過し、東京電力は原子力事業への復帰への第一歩を踏み出しました。
日本の原子力規制委員会は10月4日水曜日、東京電力(Tepco)からかねて申請のあった世界最大の原子力発電所である柏崎刈羽原子力発電所の2基の原子炉を再稼働するという申請を承認しました。

 

しかし東京電力は現在も福島第一原子力発電所において、完了に向け確実な見通しすら立たない事故収束・廃炉作業を行っています。

今後実際の再稼働に向けた手続きの過程では一般市民との意見交換や協議が行われなければならず、新潟県の日本海沿岸で暮らす人々の強い反対に直面することも予想されます。

原子力規制委員会はそれぞれ出力が1,650万メガワットの柏崎刈羽原子力発電所原子炉6号機と7号機が福島第一原発の事故後に導入された新しい厳格な安全基準を満たしたとして、4日水曜日に開催された委員会で5人の委員全会一致で再稼働の承認に賛成しました。

この決定に対し、原子力発電に反対する様々な立場の人びとから批判が相次ぎました。

グリーンピース・ドイツの上級原子力発電技術の専門家であるショーン・バーニー氏は、原子力規制委員会の決定は無謀だと非難し、次のように語りました。

「東京電力が2011年に福島第一原子力発電所で引き起こした3基の原子炉のメルトダウンの原因は、すべて原子力発電のリスクの無視によるものです。大地震が発生するリスクが極めて高い場所にある世界最大の原子力発電所について、その原子炉の安全性を承認することは日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈しています。」

 

グリーンピースは、23個に上る地震活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地の下に存在すると述べました。

 

東京電力は声明を発表し、原子力規制委員会の決定を厳粛に受け止め、福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業と被災者に対する補償を充分に行いつつ、柏崎刈羽原子力発電所での安全性を高めるための努力を継続して行うと発表しました。

しかし原子力規制委員会の承認が得られても、実際に再稼働が実現するまでには尚数年を要すると見られています。

米山隆一新潟県知事は、少なくとも3年はかかると言われている福島第一原子力発電所の事故に関する検証作業を東京電力が完了させない限り、再稼働に同意するかどうかを検討することはないと述べました。
福島第一原発事故の被災者は原子力規制委員会の決定に対し、怒りを露わにしました。

いまだに仮設住宅暮らしをしいられている松本ひろ子さんは、共同通信の取材に次のように答えました。

「福島第一原子力発電所の事故がすでに終わったかのように物事が進められているように見えます。」

かつては福島第一原発に近い場所で暮らしていた松本さんは、東京電力は「深刻な原子力事故が周囲に信じられない程甚大な被害をもたらす可能性があることを忘れてはならないはずです。」

と語りました。

東京電力は巨大地震と巨大津波によって引き起こされた福島第一原発の事故以降高騰している火力発電用の化石燃料の輸入価格の高騰に苦しんでおり、その支出を削減するために停止している原子炉を再稼動する許可を求めてきました。

福島第一原発の事故発生により日本国内の原子炉はすべて稼働を停止しましたが、現在 4基の原子炉が新しい基準に基づく安全審査に合格し、再稼働しています。

 

東京電力は現在、2011年3月11日に福島第一原子力発電所の6基の原子炉の内3基がメルトダウンを起こした事故により、生活の基盤を根本から破壊されてしまった人々からの巨額の補償請求、そして事故収束・廃炉作業に必要な巨額の費用の発生に直面しています。

福島第一原発の事故収束・廃炉作業に必要な期間は約40年、経費はこれまで約22兆円と試算されていましたが、日本経済研究センターは今年の初め、その金額が50〜70兆円に急増する可能性があると発表しました。

そして原子力発電を今後も継続するかどうかという問題は、この10月に投票が行われる衆議院議員選挙でも重要な争点のひとつとなることが予想されています。
安倍晋三首相は経済成長のために、そして日本が気候変動の問題に関する数値目標を達成するためにも原子炉の再稼動が必要であると主張しています。

安倍政権の下で日本政府は、2030年までに原子力が日本の発電総量の約20%を供給することを望んでいます。

 

しかし自民党の対抗勢力としてその地位を急浮上させている新設された希望の党は、2030年までに原子力発電を段階的に廃止するという方針を打ち出しています。

世論調査の結果は、ほとんどの日本人が原子力発電所の再開に反対していることを明らかにしています。

 

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/04/fukushima-operator-tepco-restart-nuclear-reactors-kashiwazaki-kariwa#img-1

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実際に原発難民にされてしまった方のお話を直接うかがうことができたとき、
「人間としての誇りすら失ってしまった…」というエコノミストの記事( http://kobajun.biz/?p=17075 )が伝えていたことが本当なのだと実感しました。
それまで自分の仕事に誇りを持って情熱的に取り組んでいた人が、それまでの仕事に関わるすべてを取り上げられ仮設暮らし、あるいは思いもかけない身過ぎ世過ぎの仕事を強いられる。

もちろん思い出も絆もそこで断ち切られてしまう。

 

そのことが人間としてどれほど辛いことかも考えもせず、日本の原子力行政は電力会社の投資資金の回収が最優先…

そこだけ見れば終わりか?! という憤りを禁じ得ません。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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