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【 未だに120,000人もの人々が、生活を根こそぎ破壊されたままにされているフクシマ 】《後編》

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所要時間 約 7分

隣人同士が支え合い、家族同士が慈しみ合う、その生活のすべてをゲンパツ事故がだいなしにした
荒れ果てた自宅を訪れた人々は、口々にそこが悲しみが支配する場所になってしまったと嘆いている
互いに支え合いながら生活していた人々が、今やくつろげる場所すら持たないゲンパツ難民に

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2014年9月10日

9月10日GRD
菅野さんの世代の人々にとって、孫と遊んだり、慈しみ育てる事が出来なくなるなどという事は、想像もできない事でした。
「飯舘村に留まる事さえ出来ていれば、今頃はみんな一緒に暮らしていたと思います。」
「私はほとんど祖父母によって育てられました。そして、私の両親は私の子供たちを育てるのを手伝ってくれました。しかしそうしたことを一切、放射線が不可能にしてしまったのです。」

菅野さんは事故後何ヶ月間も鬱状態が続き、今は睡眠薬が無いと眠る事が出来ません。
「睡眠薬を飲まないと、私はねむれずに孫の写真をずっと見つめて起きていなければなりません。孫が大人になるまで、一体何回会う事が出来るのだろうと考えながら…」

菅野村長は2016年までには除染作業が完了し、飯舘村が再び人が住める場所になるだろうと語りました。

しかし、かつての住民たちは飯舘村は山地が多いため、平らな場所の除染が完了しても雨によって山間部の放射性物質が再び人が住む場所に流れ込んで来るため、人が住めるようにはならないのではないかと懸念しています。
これまで、避難指定区域の東側の2つの地区の住民数百人だけが、再び居住し生活する許可を与えられました。

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「私たちが戻れるようになるまでには尚数年がかかる可能性があり、家族は厳しい選択をしなければなりませんでした。」
一事避難場所となった施設の世話人を務めた、かつての飯舘村の住民だった長谷川はな子さんがこう語りました。

かつての村民たちの自宅はカビや害獣のはびこるままになっていますが、長谷川さんの夫はかつて子供たちや孫たちと一緒に暮らしていた自宅の清掃や手入れを続けるため、短時間自宅に戻っる生活を続けています。
「荒れ果てた自宅を訪れた人々は、口々にそこが悲しい場所になってしまったと嘆いています。」
「それでもみんなは、二度と暮らせないかもしれないのに、あきらめきれずに雑草を取り家の中を片付けるために自宅に戻るのです。」

かつては互いに支え合いながら生活していた飯舘村の住民たちは、今やくつろげる場所すら無いゲンパツ難民になってしまいました。
そのほとんどは、居住困難区域以外の福島県内に留まっています。
村役場の調査によれば、飯舘村のその他の住民は日本の48都道府県のうち、46の都道府県にバラバラになってしまいました。
海外に移住した人も4人います。

アルジャジーラ抗議集会
長谷川さんはかつて家族全員で酪農を営んでいましたが、今や4つの場所でバラバラに暮らしています。
一般的に祖父母が見ず知らずの土地で生涯を終える事を嫌い福島県内に留まる傾向があるのに対し、父親たちは仕事を求めて故郷を離れ、子供たちは母親と一緒に福島県を出て行く傾向が見られます。

今回取材した仮設住宅の居住者の平均年齢は66歳であり、70代と80代の住民のうち、約20人が一人暮らしを強いられています。

「息子がここに連れてこない限り、私は決して孫娘に会う事は出来ないのです。」
長谷川さんがこう語りました。
「この仮設住宅では、たくさんの高齢者が同じ状況に置かれています。若い人たちはお祭りやスポーツイベントなど、何か特別の事が無い限りここにはやってきません。そして催しが終わると、逃げるようにこの場所を後にするのです。」

菅野さんとその隣人たちは朝のラジオ体操で体調を整えようと務めています。
そしてこの場所から車で2時間程の場所にある福島第一原発によって破壊されてしまったコミュニティの人々と、お茶を飲みながら一緒に午後を過ごしたり、時には一緒にバス旅行などをして絆が切れてしまわないように努めています。

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「ゲンパツ事故が何もかも台無しにしてしまいました。」
菅野さんがこう語りました。
「たとえ避難命令が解除されたとしても、若い人たちも子供たちももう戻っては来ないでしょう。」
私たち飯舘村の人間は村役場、除染作業員、環境省の官僚、その全部にこう尋ねました。一体いつになったら安全になった故郷に帰る事が出来るのか、と。でも誰からもどんな答えも返って来なかったのです。」

〈完〉

http://www.theguardian.com/world/2014/sep/10/fukushima-nuclear-disaster-japan-three-years-families-uprooted
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この福島の120,000人というゲンパツ難民になってしまわれた方々の苦難と絶望を、私たちが本当に思いやる事が出来るか、その事がこれからの日本の本当の価値を決めるのではないかと考えています。
株価の上り下がりよりも、アメリカと一緒になって海外で軍事作戦を展開するよりも、東シナ海の無人島の防衛体制を鉄壁のものにするよりも、「日本の政治」に私たちが求めなければならない事は何でしょうか?

現在、朝日新聞が『吉田調書』の報道内容などを巡って批判の矢面に立たされていますが、少なくともその存在を世に知らしめたことにより『報道の良心』を持っていることは証明されていると私は思っています。
あとは『報道姿勢』を正すべき。
しかし今先頭に立って朝日の『報道姿勢』を攻撃している週刊誌や新聞は、かつて脱原発運動家の個人攻撃をするなど『報道の良心』すら持たない事実をあからさまにしていたはずです。

元の生活を壊されてしまった後の暮らしがどれ程つらいものになるか、そのご理解の一助となる記事『都市生活かさむ出費/家計のひずみ(1)/かすむ復興』のURLです。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140917_13010.html
ご参考になさってください。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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