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【 日本の裁判所、2基の原子炉の再稼働を禁ずる判決 】

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所要時間 約 7分

「核廃棄物 - 幾世代にもわたる後の人々に対する我々世代の責任という、道義的にはこれ以上ない重い問題」
「原発の運転停止が多額の貿易赤字を生んでも、それを国富の流出や喪失というべきではない。豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」
「基準地震動である700ガルを下回る地震によって外部電源が断たれ、かつ主給水ポンプが破損し主給水が断たれるおそれがある」

AP通信 / ワシントンポスト 5月21日

福井地裁判決
日本の地方裁判所が21日水曜日、日本にある2基の原子炉の稼働を禁止する判決を下しました。
判決文で裁判所は大飯原発が持つ危険性に対する関西電力の見通しがあまりに楽観的であり、その安全対策には福島第一原子力発電所の事故の教訓が充分に生かされていないと指摘しました。

現在日本国内のすべての原子炉は停止し、複数の原子炉が再稼働の許可を受けるため新しい基準に基づく安全審査を受けています。
日本の中でも原子力発電所が集中する福井県の地方裁判所による判決は、福島第一原発の事故後初めて下された司法判断です。
今回の判決について原告とその支援を行っている人々は、地方自治体による稼働の認可を撤回させられる可能性が出てきたと語りました。

2011年に発生した福島第一原発の事故は、その周辺地域を放射性物質で汚染し、100,000人以上の住民に避難生活を余儀なくさせましたが、以来日本国民の間では電力会社と日本の原子力行政に対する不信が決定的なものとなり、原子力発電に対する反対感情も強まることになりました。

福島第一原発の事故発生以来、日本国内にある50基の稼働可能な原子炉は点検と安全確認のため停止を続けていましたが、大飯原発の3号機、4号機のみが夏場の電力不足に備えるためとして、2012から2013年にかけ、一時再稼働しました。
現在、国内の50基の原子炉のうち、18基が再稼働の認可を得るため新安全基準に基づく審査を申請中です。

大飯原発の周辺で生活する約200人の住民が、2012年11月関西電力を告訴、そして今回福井地方裁判所が2基の原子炉の再稼働を禁じる命令を下したのです。
関西電力は判決が下された当日、判決を不服として控訴する方針を明らかにしました。

Prorest 02
技術的に安全が確保されていることが新しい安全基準の下で確認されれば、この訴訟が係争中である限り大飯原発の2基の原子炉を稼働させることは可能です。

裁判長の樋口英明裁判官は関西電力が想定している地震の規模についてあまりに楽観的であるとし、緊急時の安全確保手段と安全確保の鍵となる冷却装置のバックアップ電源の確保について不充分であるとの指摘を行いました。

福島第一原子力発電所の事故では、2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が安全確保の要である原子炉冷却システムの外部電源装置と緊急電源装置の両方を破壊してしまったために、3基の原子炉でメルトダウンが起きました。

原告団を代表する一人、海渡雄一弁護士は記者会見で、今回の『分別ある』判決が日本の原子力発電の段階的廃止に貢献することを願っていると語りました。

日本のNHKは全国で約30件の原子力発電所と電力会社に対する訴訟が現在係争中であると伝えました。

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、今回の判決が現在行われている原子力発電所の安全審査に影響を及ぼすことは無いと語りました。
「我々は原子炉が安全基準を満たしているかどうか、科学的、技術的に審査を行い、その合否の判断を行うだけです。その後の決定を行うのは私たちではありません。」

原子力規制委員会01
田中委員長のこの発言は、原子炉の再稼働を決定するのは日本政府であるという事を意味しています。

日本政府の菅官房長官は、安全基準をクリアした原子炉を順次再稼働させていくという方針に変更は無いと語りました。

「我々が世界で最も厳しいと考える安全基準をクリアしているという客観的な判断をくだされたのであれば、原子炉を再稼働させる事に問題は無いと私自身は考えています。」

福島第一原発では東京電力が汚染が少ない場所で汲み上げた地下水を太平洋に放出する作業を開始しました。
約560トンの地下水は特段の処理を行わなくとも、海洋中への放出が可能であるとしています。
一方、高濃度の汚染水は引き続き発電所内に保管を続けていますが、貯蔵の限界が目前に迫ってきました。

この問題の鍵となるのは、これ以上高濃度汚染水が作られないようにするため、地下水のバイパス・システムの構築です。

原子力の専門家と政府当局者は、汚染水の貯蔵スペースのこれ以上の確保は不可能であり、今回放出された地下水よりも放射性物質の含有量の高い汚染水も、最終的には海洋放出を行わざるを得なくなると見ています。
しかしこれには地元民を始め、強力な反対があります。

汚染水タンク
発電所内に流れ込む以前の地下水をくみ上げ、一時的にタンクに貯蔵する作業は現在も続いていますが、東京電力の広報室は次回の海洋への放出のタイミングは未定であるとしています。

汚染水の問題について、もし地下水のバイパス・システムが想定通り機能すれば、現在毎日400トンずつ流れ込んでいる地下水を、最大で4分の1減少させることが可能になります。

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japan-nuke-plant-releases-tested-ground-water/2014/05/21/e5f7a674-e0be-11e3-9442-54189bf1a809_story.html
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この判決文は以下のURLで閲覧が可能です。
http://www.labornetjp.org/news/2014/1400765883365zad25714
この判決文にすべてが語り尽くされていると言っても良いと思います。
裁判所の判決文など普段接する機会はありませんが、この判決分はぜひお読みください。

 

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