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【 日本の新テロ等対策 – 共謀罪法案、国家権力の一層の強化を狙う安倍政権 】

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所要時間 約 9分

与党は犯罪と戦うことが目的と主張、しかし拡大する疑念『真の目的は一般市民の自由のはく奪』

一般国民の基本的人権を守るべきことを明確に宣言している日本国憲法の理念を敵視する自民党

自民党の憲法改定草案は、日本の自由主義と民主主義を廃止するための設計図

健全な民主主義社会においては、誰かが国家権力の増長を監視し続ける必要がある

 

エコノミスト 2017年4月20日

 

この数週間、日本の国会を犯罪を犯す『予定』を持つ人間たちを罰する法律の是非について討議を行ってきました。

安倍政権は「組織犯罪処罰法」を改正した新テロ対策法案の目的は日本をテロリズムから守る事だと主張しています。

しかし犯罪発生率が最低を記録し、最後の大規模なテロ犯罪の発生が20年以上前、そして2015年の1年間で銃犯罪による犠牲者が1名だけという日本にあって、テロ対策を強化する法律が必要だという主張には多分に無理があります。

 

そして日本弁護士連合会も、日本の警察機構がこれ以上強力な力を持つことに疑問を抱いています。

日弁連は日本の警察機構が犯罪のための共謀行為を摘発するためには、現行法で十分機能すると語っています。

いま批判的な多くの人々が、安定政権の座に座り続けている自民党の下心を疑っています。

 

「新テロ対策法案に対する必要性は非常に小さなものです、しかしこの法律が潜在的に持っている危険性は巨大です。」

野党民進党の階猛(しな たけし)衆議院議員がこう語りました。

この法案が成立すれば、個人の自由が侵害されることになると、彼は主張します。

「現在の政府は、憲法が保障する個人の権利を保護することよりも、国民に対し国家が自由に権力を振るう事かできるようにすることの方にきわめて熱心です。」

 

公平に見ても、これまで60年間日本の政治権力を握り続けてきた自民党は、個人より国家の権利を優先させる姿勢を隠そうとはしてきませんでした。

 

自民党は1947年に当時日本を統治下においていたアメリカの下で成立した、自由主義の理念に基づく日本国憲法を廃止したいと考えています。

自民党はその憲法の中で戦争の放棄をうたっている第9条を敵視しており、さらには天皇を国家元首の地位から象徴に変えてしまい、一般国民の基本的人権を守るべきことを高らかに宣言している日本国憲法の理念を忌み嫌っているのです。

 

自民党が新たに用意した憲法の改定草案はこうした理念を捨て去り、代わりに国民に対し国家を敬う姿勢を要求しています。

国歌と国旗に対しては、敬意を表さなければなりません。

国民の権利には常に「責任と義務」が伴い、一般市民は「公共利益と社会秩序に従わなければなりません。」

もしそのような秩序を守らないのであれば、言論の自由は制限されることになります。

 

明治大学のローレンス・レペタ氏によれば最も驚かされるのは、「想定される定義の要件がきわめて幅広く、しかも曖昧な条件の下で」首相に、国家非常事態を宣言する強力な権限を与えるとされていることです。

 

レペタ氏は、自民党の憲法改定草案が、日本の自由主義と民主主義を廃止するための設計図だと考えています。

 

自民党がしばらくの間野党の立場に甘んじていた時代に党内の強硬派によって編まれたこの憲法改定草案について、一部の自民党の政治家は個人的に行き過ぎることを認めています。

「誰もこの草案をまともに取り上げようとはしていません。

笹川平和財団(シンクタンク)の渡辺恒雄氏がこう語りました。

渡辺氏によればもし自民党が本当にこの草案を有権者に売り込もうとするのであれば、もっと魅力的な文書に変える必要があります。

しかし2012年に再び権力を奪い返した自民党は右傾化の姿勢を鮮明にし、この草案が公共政策にますます影響力を発揮しつつある現状を示唆しています。

 

2016年、国連の特別報告者(国連から、何らかの特別手続きに関して調査を行い、その報告を行う任務を与えられた人物 ※ALK http://eow.alc.co.jp/ を参照 )は、日本の安倍晋政権が、政権批判をしていた放送局を「偏向報道をしている」と決めつけ、放送法を盾に放送免許を取り上げると脅迫したことについて、非難する声明を明らかにしました。

 

2013年にはジャーナリスト、弁護士、学識経験者などがその必要性に疑問を呈し、一般市民が強硬に反対と抗議の声を挙げ続ける中、自民党は、政府がありとあらゆる情報について国家機密と指定できる権限を付与し、違反者に対しては厳罰を科すことが出来る特定秘密保護法を強行採決の上成立させました。

 

この法律は表向き日米間の安全保障問題に関する同盟関係の強化に貢献します。

アメリカはこれまで防衛政策上の機密情報が、繰り返し日本側から漏えいしてきたことに不満を募らせていました。

しかし実際には、特定秘密保護法が完全に合法的てべあるはずの主題、例えば福島第一原子力発電所事故により実際にざれほどの範囲が放射能に汚染されたのかといった資料を探し出したり、それを公開することが犯罪とされる恐れを生むことになりました。

 

自民党の林義政衆議院議員は、現実に日本を戦前社会に戻そうと考えている議員はほとんどいないと主張しています。

しかし一方で林議員は、一部の自民党議員が極右的政策を実現させようとしていることを認めました。

それでも林議員は2020年の東京オリンピックを安全に開催運営するために、新テロ対策法案、共謀罪を罰する法律は必要だと成立を支持しています。

 

衆参両院における自民党の圧倒的優位は、新テロ対策法案がさしたるトラブルもなく成立するだろうという事を意味しています。

それこそは一般的日本人を最も悩ませている、強力な野党勢力の不在という問題を浮かび上がらせるものだと民進党の階猛(しな たけし)衆議院議員が語りました。

 

自民党は国家権力が強大になり過ぎるという事に、きわめて鈍感であるように見受けられます。

しかし健全な民主主義社会においては、誰かが国家権力の増長を監視し続ける必要があるのです。

 

http://www.economist.com/news/asia/21721213-ruling-party-says-its-fighting-crime-opposition-says-its-squeezing-civil-liberties-new?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

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私がこの新テロ対策法案について考えているのは、特定秘密保護法と併せ、この二つが『序章』である可能性があるという事です。

この2つの法律に加え、これまで民主主義社会において当然の権利とされてきた抗議行動や抗議キャンペーンなどについて細部にわたり制限する法律を別に作れば、一般市民もジャーナリストも簡単に罪に陥れることが可能になる、一方で官僚側の専横が可能になる『ブラック社会』が到来することになります。

私たち日本人はそうした危機の到来を、深刻に感じ取る必要があると思います。

 

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