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【 孤児になった子供たちと日本の制度的限界 】

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所要時間 約 7分

養父母の下で育つ孤児の割合は日本は12%、最先進国中最低の割合
減少を続ける人口、増え続ける子供のいない家庭…、一方で養父母のもとに『行けない』子供の数も増加

エコノミスト 6月17日

ECO孤児院
各国の大使館や裕福な家々が立ち並ぶ地区から少し離れた狭苦しい裏通りに、東京都内でも屈指の児童養護施設、広尾フレンズがあります。
この施設では42人の子供たちがほぼ同数のスタッフによって世話されています。

夜、子供たちはそれぞれ自分の部屋で眠ります。
朝になると、子どもたちは都内でもトップレベルのいくつかの公立学校へ歩いて通って行きます。
そしてこの子供たちが手に入れることがほとんどできないたったひとつのものが、ごく普通の家庭生活を過ごす機会です。

日本全国には約39,000人の孤児となった子供たちがいますが、そのうち12%だけが里親の下、あるいは養子として引き取られた親の下で成長する機会を手にすることができます。
しかしこれは世界でもっとも豊かな最先進国の中で、最低のパーセンテージです。

シリア難民10
公的保護の下で成長する日本の子どもたちのほとんどは、成人になるまで施設で暮らさなければなりません。

日本では毎年80,000人以上が養子としての法的な手続きが行なわれていますが、そのほとんどは成人であり、家業を相続させるというはっきりとした目的がある点、際立った特徴を持っています。
これに対し子供たちが養子として迎え入れられたのは、2014年の場合わずか513人です。
そして2015年3月時点で、わずか4,731人だけが里子として養育されていました。

背景にある理由のひとつは日本独自の文化であると、広尾フレンズの所長を務める高橋よし子氏が語りました。
大部分の日本人は、血縁関係の無い子供たちを受け入れるのを嫌います。
そして日本の法律、そして官僚的な障壁が子供たちの受け入れを一層難しくしています。

日本経済04
子どもたちを育てる能力の無い実の親たちは、しばしば子供たちを施設が引き取ってちゃんと育てると繰り返し約束はするものの、結局実現できないまま法的な親子関係だけが維持されることになります。
結局このことが養育能力のある義理の親たちのもとに引き取られる養子縁組を難しくしているのです。
日本の裁判所も実の親たちに対し養育能力は無い、あるいは養育する意思が無いと判断することを回避する傾向が見られます。

これまでこの問題はほとんど政治的には注目されることはありませんでした。
しかし今や塩崎恭久厚生労働大臣は、この問題に対しある驚くべき理由によって、行動を迫られています。
減少を続ける人口、増え続ける子供のいない家庭…
こうした現状にも関わらず、施設に収容されなければならない日本の子供たちの数は増え続けているのです。

多くの子供達が無視または暴力の犠牲者です。
公立の児童養護施設で成長した人々は、往々にして失業者やホームレスになってしまいがちです。

DAY02
人権ウォッチ(NGO)の土井かなえさんによると、養護施設に収容されていることもたちは、半数以上が虐待を経験させられています。
定員で一杯の養護施設でプライバシーを確保することは難しく、子どもたちは5平方メートル未満の占有面積しか持ちません。

設備の整った養護施設にいる子供たちの生活も、痛々しいものです。
広尾フレンズの高橋所長は、施設に収容されている子供たちうち、問題行動を起こさないようにするため投薬されている子供たちが10%程度いるものと見積もっています。

来年4月の施行を控える塩崎厚生労働大臣の下で改定された児童福祉法は、2029年までに孤児たちの3分の1を養父母の下で養育することを目指しています。
この法律は孤児たちを施設ではなく家庭の中で養育するため、里親のなり手を探すことを求めています。
そして法廷は、養父母以上に子供たちに関しより強い権限を持っています。

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法律の改定は子どもたちを家庭環境の中で育てることを優先しています。
しかし里親となる家庭が勤労者世帯である場合は、現状よりもっと多くの公的支援が必要だと長野大学の児童福祉スペシャリストである上鹿渡和宏准教授が指摘しました。

法律を改めることは、方法のひとつでしかありません。
さらに大切なのは、ものの見方、接し方を変えていくことです。

http://www.economist.com/news/asia/21700726-new-law-will-make-it-less-absurdly-hard-adopt-orphans-japan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 ゴミが積み上げられた理由 】

アメリカNBCニュース 7月18日

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トラック暴走による無差別殺人の現場となったフランス、ニースの海岸沿いのプロムナードのあちこちには臨時の献花台が出来、犠牲になった人々を悼み多くの花などが捧げられています。
しかし一か所だけ、別の種類のものが積み上がっている場所があります。
84人を殺し、200人以上を負傷させた犯人モハメド・ブフレルが射殺された現場にはゴミが積み上がり、その脇にはフランス語で『卑怯者!』と記されていました。
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http://www.nbcnews.com/storyline/france-truck-attack/coward-garbage-piled-site-where-truck-attacker-died-n611766

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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