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【 文部科学省の国立大学運営指針に猛反発 】《後篇》

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所要時間 約 7分

人文科学と社会科学の否定には、狭い専攻分野にしか興味を示さない偏った人間を作りだす危険がある
すぐにビジネスに役立たないという理由で社会学と哲学をやめさせるなど、信じられないほど近視眼的
文学、歴史学、哲学、社会科学の研究は、公平な視点で社会情勢と政治情勢を観察できる人間をつくるために不可欠

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ(ドイツ国際放送) 11月6日

日の丸
文部科学省が示した方針に各界が反発する中、最も厳しい批判のひとつがジャパンタイムズの社説でした。
「人文科学と社会科学の研究を進めることでは、目に見える経済的成果をすぐには得られないかもしれません。この二つを否定することは、自分の狭い専攻分野にしか興味を示さない偏った人間を作りだす危険を冒すことになるでしょう。」

『批判的な目』

「文学、歴史学、哲学、そして社会科学の研究は、批判的な目で社会情勢と政治情勢を見ることができる人間をつくるためには不可欠です。」
ジャパンタイムズの社説はさらに次のように続けました。
「こうした意味から、下村文部科学大臣が行なおうとしているのは、日本政府の政策を批判することなく受け入れる人間たちを作る、そのための取り組みである可能性すらあります。」

大学キャンパス02
方針に対する批判は文部科学省内でも自民党内でも問題になりました。
これまで自民党内の幾人かは教育現場に対する介入を行い、教育プログラムに愛国教育を実施しようとしない教育機関を攻撃してきました。
下村文部科学大臣の今回の通達は、日本の教育現場においてすでに危ういものとなっている自由主義を、この際葬り去ってしまおうとするさらなる一撃となったのです。

一斉に批判が巻き起こったことに対し文部科学省はこの通達の取り下げは否定していますが、対応には変化が見らます。
同省のスポークスマンは10月1日付で「これまでの誤解を解消する」ための新たな文書を公表したと、ドイチェ・ヴェレの取材に答えました。

文部科学省が新たに公開した文書は、最初の方針に反発して展開された主張の多くが「事実とは異なる」と主張し、以下のようにコメントしています。
「今は教養学部時代に柔軟な思考によって解決を見つけ出す能力開発の重要性が高まっている時代であり、決まった答えが無くとも与えられた問題の答えを見つけ出す自主的な能力開発が求められています。」

▽納得できない学術関係者

しかし日本国内の学術関係者は、文部科学省の主張には納得していません。

学生の抵抗
「ビジネス社会で即戦力として働ける学生を、教養学部時代に育成しようというのが、そもそもの発想の原点だったと思います。しかしそれでは大学が大企業や産業機構の一部になってしまうようなものです。こうした理由から、大多数の大学は文部科学省の方針に強く反対しているのです。」
ドイチェ・ヴェレの取材に対し、北海道文教大学で通信・メディアについて教えている渡辺淳(まこと)氏がこう答えました。

「反発の大きさとその拡大に驚いた文部科学省は、結局撤回せざるを得なくなりました。」
渡辺氏はそう確信しています。
「自由民主党と文部科学省内の一部の人間が、通達の内容を良い考えだと判断したことは明らかです。しかしすぐにはビジネスに役立たないからという理由で社会学と哲学のような学問を廃止するなど、信じられないほど近視眼的です。」

「幸いにも日本の社会は文部科学省の官僚と政治家に対し、ビジネスと金儲けだけが社会の価値でのすべてではないという事実を突きつけました。
渡辺氏はこう付け加えました。

しかし、自らの領域が将来的に廃止の対象にされるかもしれない国公立大学の研究者の中に、今回の通達について、そのすべてには反対していない人々もいます。

日本雑踏
「文部科学省の通達には多くの人々が反対していますが、私自身はそれ程の深刻な影響があるとは思っていません。」
福井県立大学で国際関係論を専攻する島田洋一教授がこう語りました。
「私は文部科学省の担当者と話をしましたが、彼らは大学卒業生の就職先の確保を最優先に取り組んだ結果だという事を、私に保証しました。」
「私は哲学やフランス文学を専攻する学生が職を得るのは簡単なことではないと思っていますし、彼らが社会に大いに貢献しているとも思えません。文部科学省の取り組みは、彼らにとっても恩恵があるはずです。」

〈 完 〉
http://www.dw.com/en/backlash-prompts-japan-to-rethink-controversial-university-policy/a-18831857
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【 足止めされる難民たち 】《後篇》

アメリカNBCニュース 11月23日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

難民11
11月22日ギリシア、イドメニ村、マケドニアとの国境で立ち往生しキャンプで火を焚いて暖を取るモロッコからの難民。(写真上)

11月22日ギリシア警官に通行を許可され、マケドニアに向かう難民の家族。(写真下・以下同じ)
難民12
難民を押し返そうとするギリシアの警官。
難民15
マケドニア領内に入った後、難民登録を待つ母子。
難民16
イラク、シリア、アフガニスタン以外の難民の受け入れを拒否され、抗議の声を挙げる難民。
難民17
治安警察に許可を受け、マケドニア領内に入る母子。
難民18
マケドニア領内に入った後、他の子供たちと一緒に難民登録を待つ女の子。
難民19
http://www.nbcnews.com/storyline/europes-border-crisis/europe-clamps-down-borders-leaving-migrants-stranded-n468376

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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