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【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】《第5回・最終回》

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所要時間 約 8分

福島第一原発の事故について、解決できるはずの問題が放置されている
福島のすべての問題の根本的解決に取り組む、日本政府はその覚悟を決められるか?

フェアウィンズ 7月10日

Marco Kaltofen
カルトフエン : 過去に放射性物質の問題同様、深刻な環境問題を解決した具体例があります。
私たちは環境中の鉛の問題を解決することが出来ました。
環境中の鉛の存在は、子供たちにとって脅威でした。
環境中に存在する鉛、それは人類史上最も大きな環境問題のひとつであったはずですが、各国の国家的、そして国際的な取り組みにより、その環境被害を劇的に減少させることに成功しました。
綿密な調査が行われ、最後はトップダウンの手法により、この問題は元気的に改善したのです。
福島第一原発の放射性物質による汚染問題についても、この手法を用いてはいけないという理由はありません。

ガンダーセン : 福島第一原発の事故について、解決できるはずの問題が放置されている状況をお伝えするのは、実は2度目なのです。
子のフェアウィンズのサイト『原子力発電を解明する』のコーナーでは、プロのジャーナリストであるアート・ケラー氏が執筆した、日本政府が行っている除染の実態を伝えた、『アメリカの除染の専門家が明らかにする、本当の汚染状況【 人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機 】( http://kobajun.biz/?p=11924 )』というルポルタージュをご紹介済みなのです。

福島第一原発の被害現場の管理・運営のまずさがもたらす、悲惨な状況を克明に描いたものです。
興味を持たれた方はぜひお読みください。
技術と実績があっても、アメリカの会社が福島第一原発の事故収束・廃炉作業に参加することが、どれ程困難であるか、お分かりいただけると思います。

アーニー・ガンダーセン
司会 : この黒い物質は、他に類のないものなのでしょうか?そしてこの物質が存在するホットスポットは他にもありそうでしょうか?

カルトフエン : これは、他に類例のない独特の物質です。
なぜそう言い切ることが出来るか、そのために私たちが今回のようなサンプルをどの程度検証した経験があるか、お話ししなければなりませんね。
今回ボランティアの方によって私たちの手元にもたらされたこの物質は、私たちがこれまで取り扱ってきた放射性廃棄物の中で、トップの1パーセントに含まれる、きわめて特殊なものです。
この物質は放射性物質が高い濃度で凝縮されて形成され、当然ながら放射線量が高い。ただし幸いなことにそこら中にある訳では無い。

限られた面積のホットスポットにこの物質がどの程度存在しているのか正確な把握のため、広範な調査が必要であることは明白です。

それを行うためのひとつの方法として、この物質に関して関係者が持っているデータをそれぞれ公開し、それを集計し比較することで分析の精度を高めていくというやり方があります。

110626
ガンダーセン : この物質は珍しい存在ではありますが、報告されるのは初めてではありません。少なくとも約1年前、福島第一原発から20キロほどはなれた以内の場所で、非常に高い放射線量が確認された黒い粉についての報告がありました。
しかし、実際に手元に実物を置いて詳細な分析を行うことが出来たのは、今回が初めてです。

そして特筆すべきことは、研究室においてこの小さなサンプルの分析を行った結果、そこには放射性物質が集中して存在し、放射線量の高さに驚かされた、という点です。

カルトフェン : 私たちは幸運にもサンプルを手に入れることが出来ました。
長い間こうした物質が存在することを耳にしてはいましたが、こうして実物を手に入れ、詳細な分析を行うことが出来、心から喜んでいます。
そしてこの物質がどこで採取されたのかという点についても、今や疑いをさしはさむ余地はありません。
ただ一つ残念なことがあるとすれば、その存在が確認されたのは今回が初めてではないという事です。

しかし一方では、この物質の存在がこれまで取り上げられずにいたという事は、福島第一原発の事故が言われている以上に深刻だという事を意味します。

NYK01
司会 : お二人とも今日はありがとうございました。

ガンダーセン : こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。
もう一度確認させてください。
日本の方からひとつの物質のサンプルが、フェアウィンズ宛てに送られてきました。
そこでフェアウィンズは早速、マルコ・カルトフェン氏に接触を行いました。
その際重要だったことがあります。
サンプルが送付される前に電子メールでのやり取りがあり、輸送途中に不測の事態が起きないよう、ごく少量のサンプルだけが送られてきた、という事実です。
おかげで輸送途中に誰かが予期せぬ被ばくをしたり、紛失したりという事態を避けることが可能になり、サンプルは無事研究施設にたどり着くことが出来ました。

そこで改めて日本の皆さん、特に福島県にお住まいの方にはお願いがあります。
いきなりサンプルを送るようなことはなさらないでください。
まずは電子メールでご一報ください、その上で違法ではない適切な輸送方法を検討しましょう。

今日もフェアウィンズの番組をお聞きいただき、ありがとうございました。

〈 完 〉

http://fairewinds.org/podcast/japans-black-dust-with-marco-kaltofen
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終末日曜日、宮城県と岩手県の県境の『栗園』に栗ひろいに行こうと楽しみにしていました。
昨日電話をかけて確認したところ、「放射線量が高く、営業できずにいる」との返答でした。

事故が過ぎて2年半、福島第一原発から150キロ以上離れた場所の、これが現実です。

日本の原子力行政はまさに『臭い物にはフタ』のやり方で、福島第一原発について問題点を徹底的に洗い出せば、自分たちのこれまでの過失についての長いリストを作るようなことになってしまいます。
そんなことは日本の官僚界、公務員世界では『絶対にやってはならない事』で、国民不在など二の次のようです。
これは、その世界に身を置いていた人から直接聞いた話です。

『身を切る改革』、そんな言葉が作りだされる度、何かが改善されているような錯覚を持たされてしまう。
しかし実は現実を糊塗するためだけの、『逃げ口上』である場合が少なくありません。

福島第一原発の現実、日本の原子力発電の現実、目をそらさず、しっかりと見つめ続けていきたいものです。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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