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【 アベノミクスのほんとうの評価は? 】《後篇》

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所要時間 約 6分

ぼろぼろの、みすぼらしい、〔行為などが〕卑しい、粗末な – shabby(シャビィ)『アベノミクスはシャビィノミクス』
2度の消費増税に耐えられない日本経済の危うさは、『アベノミクスは失敗』のシグナル
小泉政権のカタチだけを真似た、安倍政権のまさに大義なき総選挙

エコノミスト 11月22日

安倍エコノミスト1122
日本の世論は総選挙の必要性など感じていません。
いくつかの選挙区では自民党の地方本部ですら不満を口にしています。
中部地方の岐阜県では、地方の党本部が解散総選挙を行うことに正式に反対する決議を採択しました。
決議は、政府に政治的空白を作りだす危険を冒す代わり、景気回復に専念するよう求めました。

安倍首相は消費税の再引き上げの延期については、すでに支持を取りつけました。
しかし解散総選挙のほんとうの狙いについては、別の可能性があります。

多くの日本人はもし予想通りに安倍氏が首相として再任されれば、新たな4年間の任期中に何より雇用問題と日本の農業の構造改革という、最も困難な課題に着手するだろうことを期待しています。

これに加え、自民党は野党に対しもうひとつのアドバンテージを持っています。
野党が無秩序なまま、バラバラの状態で選挙戦を迎えることへの期待です。

2009年の選挙で地滑り的勝利を手にして政権の座に就いた後、2012年にはまさに屈辱的な敗北を喫し、野党最大会派の民主党は支持率が10%未満にまで落ち込み、地方の選挙区において自民党の候補と対決する利害計算を度外視する候補者を探し出すのに苦労しました。
民主党については、野党として2番目の勢力を持つ維新の党との連携も考えられますが、右寄りの橋本代表は前向きではありません。

橋下演説
一般の有権者が総選挙に対し熱意を書いている状態は、自民党に加え連立与党である公明党に有利に作用する可能性があります。
自民党と公明党の強力な選挙マシーンは2012年12月の総選挙では際立った集票力を発揮し、衆議院480議席中325議席をもたらし、安倍政権は67%という大多数を手にしました。
今回の選挙では180議席が改選の対象となりますが、最近の世論調査で安倍政権に対する支持率が低下していることから、与党の議席が減ることも考えられますが、減少が40議席以内であれば安倍政権が国政運営を継続できる安定多数が確保されることになります。

決定的勝利を手にすることが出来れば、安倍首相の党内での地位はさらに揺るぎないものになるだろう、こう語るのは昨年安倍政権の経済政策の立案にも関わった自民党の山本厚三氏です。
そうなれば今年9月以降相次ぐ閣僚のスキャンダルによりイメージが悪化した安倍政権にとっては、再び強力な政策推進のための条件がそろうことになります。

しかし、あらゆる状況がアベノミクスに反対の立場を取る人々から、安倍政権を追い詰めるチャンスを奪ってしまう訳でもなさそうです。
日本国内で突出して高いアメリカ軍基地の存在に対する県民感情が主な理由であるとしても、11月16日に行われた沖縄県知事職選挙での敗北は、自民党の支持が万全ではないことを示しました。

反安倍01
沖縄県知事選の勝利は安倍政権の政策遂行の後押しになるだろうと考えていた人々にとって、選挙に敗北したことは落胆内外の何ものでもありませんでした。
この敗北以降、安倍首相は改革課題について具体的な言及を行なわなくなりました。

しかしこれすらも計算の上である可能性があります。
現在アメリカと太平洋沿岸諸国との間ではTPPに関する交渉が進行中であり、日米の交渉の重要性をこのタイミングで際立たせれば、いやでもTPP交渉の行方が注目されて地方の有権者の支持を失ってしまう可能性があるからです。

日本の農民はTPPの交渉の行方次第では、自分たちの生計が著しく脅かされるのではないかと憂慮しています。
そして今回の解散総選挙により、安倍政権が推進してきたはずの女性活躍推進法案など、いくつかの改革案が廃案になろうとしています。

それでも消費税率の2度目の引き上げの時期を1年以上先送りすることにより、安倍政権は政府官僚に対しにらみがきくことをアピールしました。

安倍首相が本気で改革に取り組もうとすれば、最大の抵抗勢力は各省庁と自民党の中にいます。
安倍首相の政治顧問のひとりが個人的な見解だと断った上で、今回の突然の解散総選挙について2005年に当時の小泉政権が行った郵政民営化への国民の支持を確認するための選挙に匹敵するものだと語りました。

Shabbynomics 1
しかし今度の12月の選挙が、小泉首相が獲得した圧倒的な支持を安倍首相にももたらすという保証などはありません。
小泉首相には抵抗勢力をことごとく退けて郵政の民営化を実現するという大きな、具体的な目標がありましたが、安倍首相には国民に再び信を問わなければならない大義などは一向に見当たりません。

〈 完 〉

http://www.economist.com/news/asia/21633874-shinzo-abe-preparing-do-battle-snap-general-election-bigger-struggle-will-be?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

 

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