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【 心をこわされてしまった人々 : 福島の放射線 】〈後編〉

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所要時間 約 7分

容易ならざる兆候、そして数々の疑問

ベン・ブラムフィールド / アメリカCNNニュース 2月28日

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▽放射線を浴びせられた

WHOは福島県内で最も災害の被害がひどかった場所では、災害が発生した年、住民は12~25ミリシーベルト(mSv)の被ばくをしたと報告しました。
その量はアメリカ放射線医学大学によれば、全身のCTスキャンを1~2度受診するほどの放射線量であり、仮に上限の25ミリシーベルト被ばくしたとしても、それが原因でガンを発症し、死亡する確率は低いものです。

国連の原子力発電の専門家によると、年間の被ばく総量が1,000mSv未満であれば、ガン発症の危険性が目立って増加することはありません。
健康にとっては喫煙の方が、はるかに有害である可能性があります。
議会の大気浄化特別委員会によれば、同規模であれば石炭火力発電所の方が原子力発電所よりも、環境に対する負荷は大きくなります。
2010年には石炭火力発電による大気汚染が、20,000人の心臓発作の原因、そして13,200人の死亡原因になった可能性が指摘されています。

放射線は自然界にも存在します。
数種類の鉱物、そして太陽がその主な原因ですが、アメリカ放射線医学大学の話では
「平均的なアメリカ人で年間3ミリシーベルト(mSv)の被ばくをしています。」

福島県内の福島第一原発から離れた場所では、最初の年の年間被ばく線量は3~5mSvであり、これは胸部レントゲン検査を受けたときとほぼ同じ被ばく線量です。

▽容易ならざる兆候

それ程動揺すべきことでは無いかもしれませんが、福島第一原発の事故以降、容易ならざる兆候、そして数々の疑問が持ち上がってきました。

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現地調査を行った科学者が福島県とその周辺で、さまざまに突然変異を起こした蝶を採取しました。
放射性ヨウ素が福島第一原発周辺の海に流れ込み、通常の1,250倍の放射線量が付近の海で確認されました。
そして沖合に設置した監視装置も、高線量の放射性セシウムを検出しました。
事故から一年後、福島県の沖合で獲れた魚からは、政府が定めた制限値の250倍の放射線量が検出されました。

被災地周辺で収穫した農産物からは、それぞれ独自に行った検査により、通常よりも高い放射性物質が検出されています。

WHOは食物連鎖の中にガン発症の危険性が著しく高くなる兆候を認めてはいませんが、ひどい汚染の可能性のある魚をわざわざ口にしようとする人はいるでしょうか?

そして、ごく限られた地域でのみガン発症の危険性がわずかに高まったとされましたが、福島第一原発周辺で少女期、少年期に被ばくをしていまい、実際にガンを発症してしまった人にとっては、WHOの報告など何の慰めにもなるはずがありません。

WHOの報告書はするべき調査は一通りすべて行ったとしながらも、放射線被ばくによる影響は、将来のどの時点か、科学者たちが『結果を見て』判断できるようにならなければ、はっきりしたことは解らないとしています。

今のところはっきりしているのは、まさにそれだけなのです。

※(訳者注)記事中の被災者の方の氏名については、原文が英語のため正確ではありません。ご了承ください。

http://edition.cnn.com/2013/02/28/world/asia/japan-who-radiation/index.html?iref=allsearch
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【 写真で見る福島第一原発、この2年 】

アメリカCNNニュース 2月28日

[1]2012年11月12日土曜日、事故後初めて報道陣に事故を起こした福島第一原発の内部が公開され、初めて地上からその様子を確認することができました。
防護服とマスクを身に着け、大熊町でバスに乗り込み、発電所内へと入っていきました。
そこで実際に目にしたものは、その荒れ果てた姿、骨組みだけになった原子炉建屋、何万トンあるか解らないほど大量の汚染水を蓄えた立ち並ぶタンクの群れ、そして8か月前に発生した事故の後片づけを、未だに続けている緊急作業員の姿でした。
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[2]2012年11月12日土曜日、大熊町を走るバスの窓から見えた福島第一原発
マグニチュード9.0の巨大な地震と、引き続き襲った巨大津波は、東北太平洋岸の広大な地域をすっかり荒廃させ、15,000を超える人命を奪ってしまいました。
犠牲者の大半は即死したものと見られていますが、日本そのものはその後数週間、破滅の瀬戸際にまで追いつめられました。
東京から240km離れた福島第一原子力発電所では、東京電力と政府機関による、事故をそれ以上悪化させないための最大限の取り組みが続けられました。
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[3]バスの車窓から見た避難区域の大熊町。ゴーストタウンの様相を呈しています。
CNN03
[4]2011年の夏から秋にかけては、新たな爆発の報道も、大規模な放射能漏れの報道もありませんでした。しかし福島第一原発の内部から報道関係者はシャットアウトされ、半径20キロ圏内は汚染がひどく、新たな爆発や放射能漏れへの懸念から、一般人の立ち入りは厳しく制限されました。
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[5]報道関係者が福島第一原発に近づくにつれ、線量計の値は上がり続けました。
大熊町では6.7マイクロシーベルトに達しました。
ジャーナリストは防護マスク、つなぎの防護服、2組の手袋、そして靴の上からビニール製のカバーを2重に装着しなければなりませんでした。
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[6]バスの中から見た福島第一原発、その破壊の跡。
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[7]福島第一原発に隣接して建設されている防波堤の脇を通りすぎるバス。
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[8]J-ビレッジの建物の外で、防護服、マスクをつけた緊急作業員たちが、放射線量の測定を受けている。
サッカーのための総合施設であったJ-ビレッジは現在、福島第一原発の事故収束に取り組む作業員たちの宿舎となっている。
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[9]J-ビレッジに隣接して建設中の、緊急作業員のための仮設住宅と東京電力の職員。
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[10]J-ビレッジに隣接する仮設住宅に、身の回りのものを運び込む緊急作業員。
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[11]バスの車窓から見える、荒廃した避難区域の景色。
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[12]同じくバスの車窓から見える、荒廃した避難区域。
CNN12

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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