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【 安定と成長を選択したつもりの日本人、その先の民主主義の崩壊と支配される身分への転落 】《後篇》

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所要時間 約 10分

選挙期間中、日本の民主主義に対する危機感を共有できなかった有権者
安倍首相の強力な支配、日本の民主主義は先例のない程にまで弱体化する

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 7月11日

安部2016年選挙
今回の選挙で有権者は、日本の平和主義的な憲法の条項を書きえて良いのか?という問題よりも、経済不振を打開するため安倍政権が掲げる政策をこのまま結果が出るまで継続させようという意思を持っていたように感じられます。
「私は自民党政権に雇用機会を増やし、社会福祉政策を充実させるため経済政策を推進するよう期待しています。」
29歳の町田あけみさんがこう語りました。
彼女は東京郊外の相模原市の投票所で自民党候補に投票しました。野党については、
「自民党に対抗できるだけの選択肢が無かったと思います。自民党の経済政策の方が説得力がありました。」

繰り返し行われている世論調査は、日本の大多数の回答者が安倍首相の防衛政策には反対している状況を伝えています。
しかし報道各社がこうした調査を行う際の質問は漠然としがちです。

アベ政治01
「世論調査の質問では、憲法を改定する必要はあるのかどうかという尋ね方をします。」
早稲田大学の憲法学者である長谷部安夫教授がこう語りました。
「これはかなり変な質問です。憲法のどの条項をどう変えることについての質問なのかわからなければ、人々は回答のしようがありません。」

さらには憲法の改定に関して用いられている日本語独特の言い回しが、有権者を混乱させている可能性も指摘されています。
「日本人の『改正』という言葉には、何かが改善される、あるいは達成されるという語感があります。」
こう語ったのは、第二次世界大戦(太平洋戦争)以後初めて日本の軍隊が海外の紛争地帯で戦闘行動が可能にされたことに対し、7月戦争に反対する母の会を立ち上げた京都市内の3児の母親である28歳の西郷みなこさんです。
「そのために人々は考えるのを止めてしまうのです。」
「そうしてその先に待ち受けるものが何であるか、考えるのを止めてしまうのです。」

北朝鮮ミサイル
安部自民党の圧倒的多数の議席獲得は、ただでさえ緊張が高まっている東アジア地区において一層の不安定要因となりそうです。

7月初め韓国は北朝鮮の脅威に対する防衛策の一環としてアメリカの先進的かミサイル防衛システムを導入展開すると発表し、中国をいらだたせました。
そしてアジア地区の多くの人々は、中国が南シナ海で行っている一方的な領土拡大政策に対しフィリピンが国際法廷に提訴した問題について、7月12日にどのような裁定が行なわれ、それに対し中国とアメリカがどう反応するか注目しています。
「中国人は、安倍首相が事態を自分たちに有利に展開するための方策を見つけ出すことを恐れています。」
ワシントンの戦略国際研究センターのアジア地区担当上級顧問で中国問題の専門家であるボニー・S.グレーザー氏がこう語りました。

NYT広島02
11日に行われた定例の記者会見で中国外務省のスポークスマンは、中国と他のアジア諸国は日本の政治的動向を懸念していると語り、その背景には太平洋戦争における日本の軍事的行動があるとコメントしました。
韓国の右派系新聞の文化日報の社説は、今回の選挙結果が『日本が戦争行為に参加するための道を開いた』と述べました。
その一方で日本の再軍備は『北朝鮮の核兵器開発の脅威と中国の軍事的台頭への抑止力となる』とつけ加えました。

アメリカ政府は選挙結果について、直ちにコメントする事は有りませんでした。

ホワイトハウスは、選挙についての即時のコメントをしませんでしたが、在日アメリカ大使館のジョナス・スチュワート広報官は、日本政府が
「アジア地区と世界における幅広い分野の問題について、強固な同盟関係にある国」であることに変更は無いと語りました。
アメリカ合衆国は、昨年日本の軍隊(自衛隊)が海外でのあらゆる戦闘行動を可能にする安全保障関連法案を成立させた際、安倍政権に対する支持を表明していました。
一部のアナリストは憲法改定への道のりは容易では無いものの、10日の選挙の結果が日本社会の根幹により深くかかわるものであることについて懸念していると語りました。

憲法解釈変更 7
「民主主義は本来、抑制と均衡のシステムを必要とするものです。」
コロンビア大学で政治学を専攻するジェラルド・L・カーチス教授は取材に対し、電子メールにこのように記しました。
「しかし野党が無力なまま、政権与党の自民党が安倍氏の強力な支配下にあり続ければ、日本では民主主義のシステムは先例のない程にまで弱体化することになります。」

〈 完 〉

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朝通勤しなければならない私が仏頂面で自宅の駐車場に出て行くと、「おはようございます!」と元気良く、そして礼儀正しく挨拶してくれる女子高生と会うことがあります。
私も慌てて仏頂面を引っ込め、「おはようございます。」と丁寧に挨拶を返します。
彼女は知的障害者です。
私の自宅の前を通って、近くの養護学校に通学しているようです。
想像に過ぎませんが、ご両親が障害を抱えていることで社会から疎まれることがないよう、健常者の親以上に懸命に教育をされているのでしょう。

知的障害者を「劣等遺伝子」と決めつけ、ユダヤ人と一緒にどんどんガス室に送り込んだ連中がいました。
ナチスドイツです。
忌むべき全体主義者たちです。
全体主義や国権主義の推進に、社会的弱者は邪魔な存在でしかありません。
残念ながら私には「社会福祉政策を充実させてほしい」から自民党に投票するという行動は理解できません。
安倍政権は福祉予算や教育予算を削り、それを最新鋭戦闘機や戦闘艦艇などの購入費用に充てる防衛予算の増額を繰り返しているという海外の報道を、何度か翻訳した覚えがあるからです。

最新鋭の武器など、10年も経てばガラクタです。
イラク戦争の際、米軍のアパッチヘリの空からの攻撃に、イラク軍のソ連製T-55やT-72などの時代遅れの戦車は動く棺桶になってしまいました。
戦場の記録映像を見たことがありますが、あれは戦争などというものではなく一方的屠殺というべきものでした。
だから一国が最新鋭の武器を配備すれば、仮想敵国はそれを上回る性能の武器の開発に躍起になるのです。
それには素人の私たちには想像もできない規模の莫大な経費が必要です。

一度受けた教育はその人間の中に留まり続け、無数の可能性の芽を育てていきます。
受けた教育の価値は20年が過ぎても、50年が過ぎても、色褪せることはありません。
障害者の方もしっかりした教育予算の下で教育を受け、初めて自立することが可能になります。
「守る!守る!」と言われて大量の兵器を置き並べられても、自立する機会など巡っては来ません。

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【 トルコのクーデターと市民たちの戦い 】

アメリカNBCニュース 7月15日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

トルコ 1
天安門広場で戦車の行く手を阻もうとしていた、あの象徴的シーンを思い出させるこの写真は、トルコのアタチュルク国際空港の前の路上で、あとわずかで1人の男性が戦車のキャタピタラーの前に身を投げ出している様子をとらえています。
この男性は軍が権力を掌握しようとクーデターを図ったことに対し、エルドアン大統領の呼びかけに応じて路上に溢れ出した市民の一人です。
エルドアン大統領は今回のクーデターについて、
「これを企てた者には、最も厳しい制裁を受けさせる。」
と宣言し、自身もあとから空港にやって来ました。

トルコ 2
クーデターに反対し、空港周辺に詰めかけた市民たち。
トルコ 3
進撃しようとする戦車を実力で止めようとする市民たち。
http://www.nbcnews.com/storyline/turkey-military-coup/dramatic-image-shows-man-lying-front-tank-turkey-n610686

 

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