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【 安倍3選の大義とは何か?! 】

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所要時間 約 9分

実績・実態の無い経済政策、不明のままの今後のヴィジョン、あるのは憲法9条改定への執着だけ
国民に冷たい視線を向けられても、あらゆる手段を使いライバルたちの芽をつぶし続けてきた成果が間もなく現実になる

 

ロイター/ ニューヨークタイムズ 2018年8月26日

安倍首相の経済政策への期待は低く、平和主義を基本とする日本国憲法の改定手続きを進めようとする姿勢に疑問が突きつけられていますが、勝利が確実視される自民党総裁選挙に出馬する意思を表明しました。

 

9月28日の自由民主党の総裁選挙で、安倍氏は対立候補の石破茂氏に大差をつけて勝利することが確実視されていますが、そうなれば戦後最長の任期を持つ首相になる可能性があります。
連立与党が衆参両院の過半数の議席を抑えているため、自民党総裁に就任すれば自動的に日本の首相に就任することになります。

 

「あと3年、自民党総裁、日本の首相として舵取りを担う決意を固めた。」
安倍首相は訪問先の鹿児島県で、記者団にこのように語りました。

 

複数のアナリストによれば安倍氏は首相としての6年間、首相の地位をゆるぎないものにするため、自らの政権支持者に対し見返りとして閣僚ポストやその他の便宜を提供するなどしてライバル候補をシャットアウトし、日本の有権者の安倍政権への支持の低さを議席数の少ない野党が利用できないようにしてきました。

安倍氏は2012年の首相再任以降、「アベノミクス」と呼ばれる政策でデフレ状態に陥っている日本経済を復活させること、そして防衛力の強化を主要な公約に掲げてきました。
安倍首相は防衛予算の増額を続け、実質的には国軍である自衛隊の憲法上の制約を緩めました。

しかし経済面では、極めて大きな規模の金融緩和政策にもかかわらず、日本銀行が設定した2%のインフレ目標を達成することはできませんでした。

 

安倍氏が自民党総裁選挙に勝利して任期を延長することになっても、その後どんな政策に力を入れるつもりなのかほとんど全く何も解っていません。

 

「経済政策のテーマは何にすべきなのでしょうか?それは安定です。つまりは『ボートを揺らすのはやめろ!』と言うことです。」
有価証券ファンドのウィズダム・トゥリー・ジャパンの責任者ジャスパー・コール氏がこう語りました。

 

安全保障面における最大のテーマは、自衛隊の現在の曖昧な地位を明確にするために戦後の日本国憲法第9条改正することです。
第9条は日本の戦力の保持を明快な表現で禁止していますが、自衛のための戦力を有することは許されていると解釈されてきました。

▽ 憲法改定のリスク

 

しかし安倍氏が憲法改定を実現させられるかどうかははっきりしません。
日本国内では憲法第9条を変更することへの反対意見が多く、そのための政治的手続きにはリスクが伴うからです。

憲法改定案は、衆参両院において3分の2の承認を得たあと、国民投票で過半数の賛成票を得る必要があります。

 

「私が確認できる安倍氏の唯一の具体的な政策は憲法改定だけですが、国民に受け入れられる可能性は低いと思います。」
コロンビア大学名誉教授のゲリー・カーティス教授がこう語りました。

 

今年始め安倍氏は自分の周囲の人間に国の予算を流用して便宜を与えた一連のスキャンダルによって支持率が30パーセント台に落ち込みました。
現在の支持率はそこから回復していますが、支持率は高くありません。
安倍首相自身は不正行為を否定しています。

8月第4週に公表されたテレビ朝日(ANN)の世論調査では、安倍政権支持率は38.8%、同26日の共同通信の世論調査では44.2%でした。
27日の日本経済新聞による調査では48%、保守系の読売新聞の調査では安倍政権支持率は50%でした。

 

『誰が日本の首相としてふさわしいか』質問したテレビ朝日(ANN)の世論調査では、日本の政治への国民の信頼を回復し、経済格差を是正する必要性を強調した石破氏が安倍氏を上回る支持を獲得しました。
しかし自民党支持者のうち安倍氏を支持する割合が58%だったのに対し、石破氏の支持は31%に止まりました。
日経新聞の調査では一般有権者の39%が安倍首相を支持したのに対し、石破氏支持は31%でした。

自民党支持者だけの調査では安倍氏を支持する割合は65%に上昇しました。

 

国内メディアの調査によれば、安倍氏は9月の総裁選挙では議員票405票のうち少なくとも70%の支持を固めています。
これとは別に一般党員による405票によって、次の自民党総裁が決定します。

「安倍氏が語るビジョンについて、一般の人々は冷たくなった不味いピザを出されたかのように反応しています。
しかし安倍氏は自民党内のライバルとなる可能性のある人間たちを傘下に組み入れ、あるいは立候補取り下げを強要、あるいは脅迫している上、野党は分裂状態にあるため、国民が冷めた目で彼を見ていることについて心配する必要がありません。だから総裁選の勝利が見えているのです。」
テンプル大学日本校のアジア研究所長のジェフリー・キングストン教授がこう語りました。

 

2009年から2012年、多難な政権運営を強いられた民主党は、昨年の選挙で崩壊しました。
その後継者である中道左派の立憲民主党と中道の民主党は苦戦を強いられています。

 

今月のNHKの世論調査では立憲民主党の支持率は5.6%、国民民主党の支持率は0.4%でした。
自民党の支持率は35.6%、しかし43.2%は支持する政党は無いと回答しています。

 

https://www.nytimes.com/Japanese PM Abe Seen Headed for Extended Term Despite Policy Doubts

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ある業界団体の常務理事をしている友人に直接聞いた話をご紹介します。

 

彼の団体で国の補助金を受けた事業を企画し、専門家も加わり詳細な計画書を作成し、1年ほど前に自民党本部の幹事長室に『陳情』に出向きました。
机の上に資料を置き並べ、計画の概要について説明を始めようとしたところ、自民党幹事長は一冊の資料も手に取ることなく、こう言い放ったそうです。
「ああ、いいから、ウチはそういうの関係無いから。選挙で何票(安倍自民党に)投票してくれたか、それしかみないから。」
そして前回の選挙で、自民党が全国の市町村で何票・何割の票を獲得したかの資料を手元から出して、そこだけ詳細にチェックし始めた、ということでした。

 

その事業がどういう性格のものであったかは別として、大切な国家予算を、私たちの税金を、そんなやり方で使っていたのか?
何となくは解っていたつもりでも、実際にあった話を聞いて気持ちが暗くなりました。

 

「だから日本は、国際競争において肝心な場面で負けるようになったのだ。
国内の経済格差が拡大するのも、
官僚が腐敗するのも、
弱者が攻撃され放置されたままになるのも、
一般給与所得者の公的負担が増え続けるのも、
福祉予算が一方的に削られていくのも、
そして国の借金がかさみ続けるのも、
すべて国家予算の使い道をこんなやり方で決めているからなのではないか?!」

 

大学や企業の研究部門などでは、将来の日本や人間社会に役立てようと懸命の努力をしている人々がたくさんいます。
そうした分野にこそ私たちの税金が投入されるべきなのに、中も外も太鼓持ちそのものの人間が最後の命運を握っているのが今の日本。
変えましょう、何としても変えていきましょう。

 

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