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【 安倍首相のタカ派的防衛政策、その展望と目的に疑問! 】《後編》

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所要時間 約 7分

イラク戦争は実質的には侵略戦争、日本はこうした戦争には加担すべきではない
互いが互いの武力紛争には巻き込まれたくない、それが日米両政府の本音
今後戦いは議場から法廷へ、しかし日本の裁判官は安全保障問題について政府の方針に逆らおうとしたことはない

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 9月20日

安全保障関連 3
安全保障関連法案に最も強力に反対しているのは主にリベラル系の政治家や平和運動家などですが、実はそれだけではありません。
安倍首相よりも一層強硬な保守派の人びとも、この法案がもたらす結果に懸念を抱いています。

右派の著述家で漫画家でもある小林よしのり氏もその一人です。
小林氏は外国人特派員協会の会見場で、安倍首相の政策に反対であることを表明しました。
「日本はアメリカが行なう侵略戦争に、巻き込まれるべきではありません。」

小林氏の発言はイラク戦争を念頭に置いたものですが、少なくともベトナム戦争以降、アメリカが行なってきた戦争には多かれ少なかれこうした疑いがついて回りました。
この戦争では日本政府はアメリカ合衆国を支持することを繰り返し表明し、自衛隊の名で知られる軍隊をアメリカ占領下のイラクに派遣しましたが、再建事業など非戦闘行動に活動を限定していました。

イラク米軍
小林氏は法制度の変更の本来の目的は、日本周辺での偶発的事態の発生に対し日米両軍が連携して対応できるようにするためのものであるべきだと語りました。
氏は不安定な朝鮮半島を実例として挙げ、日本から遠く離れた場所の紛争には巻き込まれないようにするべきだと語りました。
そして軍事情勢のもつれは日米双方にとって危険なものだと語りました。
例えばアメリカ政府内には、東シナ海の尖閣諸島を巡る日中両国の紛争に巻き込まれることを警戒する意見があります。
「そうした意見は日本国内では聞かれません。」
藤原氏がこう語りました。
「日本国内で聞かれるのは、もし可能性があるとすれば、アメリカが日本を戦争に巻き込むだろうということです。」

日米艦船
安倍政権は、新しく成立させた安全保障関連法案の中で自衛隊の軍事行動の範囲に関する制限を維持しました。

安全保障関連法案の成立により自衛隊は同盟軍を防衛するための海外での戦闘行動が可能になりますが、それには他に平和的解決手段がなく、そのままでは「日本国民の生命と日本国の存立が脅かされる場合」という制限がつけられています。
しかしこの基準は危険な程漠然としているという批判があります。

安倍首相はイラクの場合のような戦争に日本が巻き込まれることは『考えられない』と語ったことがありますが、いったん安全保障関連法案が成立すれば歯止めがきかなくなるという多くの一般市民の懸念を拭い去ることはできませんでした。
5月に報道機関などが行なった各種の世論調査の結果を見ると、安倍首相のこのいわば『約束』を信用すると答えたのは6人に1人という割合でした。

安全保障法案02
金曜日夜、国会議事堂周辺で抗議活動をしていた人々はこうした疑いを当然のように抱いていました。
参議院での投票に先立つ3日間、国会周辺には警察と日本のニュースメディア発表で、ピーク時で10,000~30,000人の市民が抗議のため集まってきました。

「アメリカの力は総体的に弱まり、巨額の軍事負担を賄いきれなくなっているため、日本にその一部を肩代わりするよう求めてきているのでしょう。」
東京の北、栃木県から抗議活動に参加するためやって来た会社員の山之内武人さんがこう語りました。

「アメリカの要請に応じた日本が安全保障関連法案の成立を図っているという印象を私は受けています。」

史学科の学生である馬場芳江さんは、日本が中東地区などでアメリカ軍の後方支援を行なえば、危険な敵対勢力を呼び寄せる結果につながることを懸念しています。
「日本がアメリカと同じ政治信条を持っているとみなされれば、英国など他のアメリカの同盟国と同様に、テロリストの標的にされてしまう危険があります。」
「私は、日本が紛争その他のトラブルに巻き込まれてしまうことを心配しています。」

自衛隊02
この安全保障関連法案は具体的にはどのような効力を発揮するでしょうか?
これらの法律が発効することで、日本の軍隊=自衛隊が国際紛争の場でアメリカや他の同盟国とより密接に共同作戦を実施することになります。

その中には国外で同盟国軍を掩護するために戦闘するという行為も含まれますが、それが許されるのは他の平和的解決手段を選択しようがなく、かつ『日本人の生命あるいは日本国の存立が脅かされている場合』に限られます。
現在の法体系では、日本は直接攻撃を受けない限り、武力を行使することはできません。

ではこれに対する賛成意見、そして反対意見にはどのようなものがあるのでしょうか?
安倍首相は第二次世界大戦(太平洋戦争)後にアメリカの占領下で起草された日本国憲法による制約の下では、現状の潜在的脅威には対応しきれないと主張しています。
さらに安倍首相は安全保障関連法案の成立は、日本を軍事的により一層アメリカと対等のパートナーにするものだとも主張しています。

Kobani04
これに対し反対の立場を取る人々は、安全保障関連法案が憲法に違反し、日本を本来なら関わる必要が無い海外紛争に巻き込んでしまう可能性があると主張しています。

日本国内では次にどのようなことが起きるでしょうか?
安全保障関連法案に関わる法廷闘争が展開されることが予想されます。
多くの憲法学者はこれらの法案は平和憲法に違反していると語っています。
しかしながらこれまで日本の裁判官は、安全保障問題について政府の方針に逆らおうとしたことはありません。

〈 完 〉

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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