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【 安倍首相、原子力発電所の再開を明言 】

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所要時間 約 7分

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 2月28日

030201
安倍晋三首相は2月28日木曜日、今年後半に新たな安全基準が採用されれば、現在稼働停止中の原子炉を再稼働させることになると語りました。
福島第一原発の事故後、一般国民が原子力発電に対する懸念を深めているにもかかわらず、国は電力の安定供給を確実にするため動き始めることになります。

議会演説で安倍首相は、より厳しい安全基準の下、原子炉の再稼働を公式に宣言しましたが、日本の新しい原子力監視機関である原子力規制委員会が早ければ今年7月にもあたらしい安全基準を策定し、再稼働承認の手続きを始めるものと見られています。
しかし首相は再稼働の規模と時期については、明言しませんでした。
最近の報道によれば、新たに策定される安全基準をクリアするためには、国内の原子力発電所は多額の費用を費やして改善措置を採らなければなりませんが、そのためには数か月、場合によっては数年の期間が必要になると見られています。

日本国内の使用可能な50台の原子炉全てが、2011年3月に発生し3基の原子炉がメルトダウンした福島第一原発の事故により停止されました。
この事故では巨大地震と巨大津波が原子炉の安全を確保するために必要不可欠な冷却装置を破壊してしまい、日本の北半分のほぼ全域にわたり放射線を放出しました。
その後大阪と京都を含む人口密集地である関西地区の電力不足を回避するためとして、2基の原子炉が再稼働されました。

福島第一原発俯瞰図
前政権を担った民主党政府は一般の国民の懸念に応え、環境に対する負荷がほとんど無い太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーへの切り替えを推進し、2040年までに原子力発電を段階的に廃止するとの公約を行いました。
しかし2012年末の国政選挙で自民党が勝利し安倍氏が首相に就任すると、直ちに原子力発電の段階的を棚上げすることを発表しました。
日本が国際的な経済競争に勝ち残るためには、原子力発電から安定した電力供給を受けることが必要だと述べたのです。

木曜日の演説で安倍首相は、日本は福島の事故によってより厳しい安全基準が必要なことを学んだと語りました。
福島第一原発の事故では未だに100,000人以上の人々が避難生活を強いられていますが、安倍首相は新しい安全基準については、妥協することなくこれを適用すると語りました。

安倍首相は同時に再生可能エネルギーへの切り替えをできるだけ推進し、原子力発電への依存を減らしていくと語りましたが、廃止にまで踏み込むことはありませんでした。

今年1月原子力規制委員会は、新たな安全基準案の骨子を明らかにしました。
津波を防ぐためのより高い防波堤の建設、冷却装置のための予備電源の設置、耐震構造の司令棟の建設などがその中に含まれています
朝日新聞の報道によれば、全国16か所の無傷の原子力発電所の内、新しい安全基準に適合する原子力発電所は1か所もありません。
福島第一原発の事故後急きょ実施された安全対策に加え、新たな安全基準を満たすための改良工事には、約1兆円の必要が必要であると朝日新聞は伝えています。
7月18日までには新たな安全基準の策定作業が完了し、実施に移されると原子力規制委員会が語っています。

新しい安全基準は、40万年以内に活動の記録がある活断層の上に建設された原子炉の再稼働も禁じます。
原子力規制委員会は原子炉の下に活断層が走っていないかどうかを確認するため、全国の原子力発電所に専門家による調査チームを派遣しています。

柏崎刈羽原発
専門家による調査チームはこれまで、2か所の原子力発電所で、1基あるいはそれ以上の原子炉を廃炉にせざるを得ない活断層を発見しています。
活断層は他の3か所の原子力発電所にもある可能性があります。
その中には世界最大の原子力発電所、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が含まれています。
原子力規制委員会は確認された断層が、活断層に間違いないかどうか、さらに詳しく調べる必要があるとしています。

新たな安全基準は、昨年東京電力が規制強化やさらなる安全対策を求められることを恐れ、災害に対する備えを万全にすることを故意に怠っていたことを認めたことを受け、導入が決まりました。

2012年10月に東京電力が行った報告では、福島第一原発の事故が発生する以前、巨大津波の発生を予測することにより、原子力発電所の閉鎖を求める世論が起きることを恐れていたことを明らかにしました。

東京電力の体質は変わった、そのことを一般にアピールするために、この報告書が作成されました。
福島第一原発を実際に襲ったのは高さが14メートルに達する津波でしたが、それに対する発電所の備えは極めてお粗末なもので、あらゆる方面から厳しい批判を浴びました。


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国内原子炉の再稼働への道への地ならしが着々と進められています。
しかし、例えばこの記事「福島第1原発 汚染水「背水」の処理 タンク増設もう限界(河北新報3月2日朝刊 - http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130302t63023.htm )をお読みください。
このような深刻な問題に解決の道筋をつけること無く、再稼働が勧められようとしています。

また同じ朝刊には「脱原発派の比率低下」として、経済産業省の諮問機関である総合エネルギー調査総合部会のメンバーから、脱原発派の議員が「政権交代を受け」、明確な脱原発派と見られていた委員が7人/24人から2人/15人に減少させられたことも伝えられています。

同朝刊では4月にはフランスから、福井県の高浜原発で使用されるものと見られるMOX燃料が運ばれて来ることも報じられています。

政権交代により、原発推進派の攻勢が始まった感じが否めません。
私たちにできること、しなければならないこと、考えていきましょう。

 

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