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【 安倍政権の政治圧力、ニュース解説者たちから報道と発言の場を奪う 】《後篇》

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所要時間 約 8分

政権の意に沿わないニュース解説者を降板させるというやり方で、自己検閲姿勢を強める日本のメディア
政府批判をすればすべて偏向報道だとする安倍政権の見解を受け入れることが、日本の報道なのか?

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2月17日

安倍首相03
「政権の意に沿わないニュース解説者を降板させるというやり方で、日本のメディアが自己検閲姿勢を強めていることを非常に心配しています。彼らは自分たちに権力を監視するという大切な役割について、まるで意に介していないように見受けられます。」

上智大学の政治学が専門の中野晃一教授は、古舘伊知郎氏、国谷裕子氏、岸井成格(しげただ)氏の3人のニュース解説者としての契約の打ち切りと安倍政権との関係について、直接の因果関係を証明することは不可能だと語りました。

「しかし安倍首相、そして特に菅官房長官が積極的にテレビ局のトップと歓談する機会を設け、その結果ニュース解説者たちに対する圧力がどんどん強まっていったという事例証拠は数多く存在します。」

昨年4月、自民党は委員会開催前にテレビ朝日とNHKの番組制作担当者を呼び出し、特にテレビ朝日については公平な政治報道を行なわなかったとして責め立てましたが、多くの専門家がこの事実を問題視しています。
早稲田大学のメディア学科の花田達朗教授は、こうした事実は『事実上の脅迫』に他ならないとして批判しました。

安全保障01
権力の濫用に対する公共利益の擁護者としてのジャーナリズムの役割を肝に銘じ、その信念に従って行動しようと決心した瞬間から3人のニュース解説者は攻撃目標とされてしまったのであり、今回3人がほぼ同時に契約を打ち切られることは偶然でも何でもないと、花田教授が指摘しました。
「3人が3人とも、自ら番組を降りるつもりが無かったことは明らかです。」

安倍首相が放送局などの編集報道の独立を巡る論議の的になるのは、初めての事ではありません。
安倍氏は2005年、NHKのスタッフに対し従軍慰安婦問題を扱ったドキュメンタリーの内容を変えるよう要求を行ったことを認めています。

2014年の後半、安倍首相が抜き打ちで衆議院選挙を行った時も、自民党は東京の各ネットワーク各局に対し、「間違いなく公正、中立、正確な」報道を要求する文書を送付しました。

安倍首相はさらに、公共放送のNHKの会長に、自らの取り巻きのひとりであり、同じ保守派の籾井勝人氏を据え、その番組編集方針に影響力を振るおうとしているとして批判を集めています。

会長に就任した籾井氏は、会見の席上中国との間で領有権を巡り紛争が起きている外交問題について発言した際、NHKは今後政府の意向に忠実に沿う形での報道を行うつもりだと語り、取材に訪れた世界各国のメディアを唖然とさせました。

反安倍01
「国際的な報道と国内報道とはおのずと異なります。」
籾井氏は次のように続けました。
「政府が『右』と言っているものを、われわれが『左』と言うわけにはいきません。」

安倍政権が2013年に成立させた特定秘密保護法もまた、日本の報道を脅迫するための手段のひとつであり、その成立は日本の国際的評価を一段と低下させることになりました。

日本は国境なき記者団が作成した世界的な報道の自由ランキングで、2005年には180ヵ国中12位という位置にいましたが、安倍政権下の2015年にはその順位を一気に61位にまで低下させました。

そして同じ2015年12月、日本の報道の自由に関する調査を行うため国連が特別調査官デイビッド・ケイ氏を日本に派遣すると発表しましたが、日本側は政府関係者が対応できないとして訪問が突然キャンセルされました。
これは日本政府が報道の自由に関する詳細な調査を拒否したものとして、改めて懸念を引き起こしました。
ケイ氏は2016年4月、改めて来日するため調整が行なわれています。

ヒットラー安倍
「今まさに行なわれている安部政権と保守タカ派グループによる日本の報道の自由に対する攻撃は、もはや右派、左派といった立場の違いに留まるものではありません。日本の民主主義、自由主義の根幹への破壊行為です。」
上智大学の中野晃一教授がこうに指摘しました。

「私は日本の報道の自由、表現の自由を守るため、報道機関が連携しようとしないことに大きな失望を感じています。政府批判は何でもかんでもすなわち偏向報道だとする安倍政権の見解を、各報道機関が黙って受け入れているとしか思えません。
政府の政策をそのまま受け入れる報道を行うことが、賞賛に値する、中立の立場のジャーナリズムだとされていることは、まさに憂うべき状況だと言わなければなりません。」

〈 完 〉
http://www.theguardian.com/world/2016/feb/17/japanese-tv-anchors-lose-their-jobs-amid-claims-of-political-pressure
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【国際報道写真コンテスト上位入賞作品】《2》

アメリカNBCニュース 2月18日

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日常部門第1位(写真上)ケビン・フレイヤー / ロイター
2015年11月26日中国山西省の石炭火力発電所の脇を荷車を押して進む男性。
中国はこれまでずっと石炭火力発電に過度な依存を続け、全世界の二酸化炭素(CO2)排出量のほぼ3分の1は中国によるものです。
多くの科学者と環境保護主義者が、有毒物質と合わせたこの排出について、地球温暖化の主原因として挙げています。

速報写真第2位(写真下・以下同じ)ロベルト・シュミット / AFP - EPA
2015年4月25日正午、すさまじい音を立てながら土砂と雪崩が一緒になって、エベレストのベース・キャンプ南側に迫る瞬間をとらえた写真。
この雪崩で少なくとも22名が死亡しました。
雪崩はこの日ネパールを襲ったマグニチュード7.8の大地震によって引き起こされたもので、国全体では8,000人以上が死亡しました。
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一般ニュース部門第1位 セルゲイ・ポノマリョフ / ニューヨークタイムズ - EPA
2015年11月ギリシアのレスボス島のスカラ村の海辺に到着した中東難民。
域内を自由に行き来できる欧州連合の入り口として、警備の手薄な、そしてトルコ沿岸から肉眼で見える場所にあるギリシャの島々は、難民にとってフランス、ドイツ、スウェーデンなどの国々への脱出ルートの入り口となっています。
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長期取材部門第3位 デイヴィッド・ガッテンフェルダー/ EPA
この写真は『北朝鮮 : 金個人崇拝国家の生活』と題されるシリーズ写真の中の1点です。
カメラマンは北朝鮮の都市と農村で市民生活、軍の式典などを撮影し続けました。
北朝鮮は世界で最も孤立した、そしてきわめて情報の少ない国のひとつです。
部外者が国内を自由に行き来することはできないため、その日常が紹介されることも稀でした。
デイヴィッド・ガッテンフェルダーは粘り強く交渉を続け、これまで40回以上北朝鮮に渡りました。この写真は2008年2月から2015年5月の間に撮影されたものです。
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http://www.nbcnews.com/slideshow/world-press-photo-awards-top-images-2015-n520731

 

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