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【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第3回〉

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所要時間 約 9分

『どれだけの対応をとれば安全が証明できるのか、それだけはわかない』

3.11の大地震と巨大津波、9月に襲った台風は、この日本という国のある側面を明らかにした、と思っています。

それは効率や利便性という点では優れているが、基本的生存、という部分ではきわめて脆いのではないか?ということです。

福島第一原子力発電所の事故は、国民の意見を二分しました。
脱原発を訴える人々の基本にあるのは「基本的生存権」。

そして推進派の人々が、何かというと持ち出すのが「経済効率」です。
原子力発電は石油のような化石エネルギーを輸入する必要がないため、日本のような資源の無い国にとって「効率的」エネルギー源である、というのが その主張です。

でもそれだけです。

福島第一原子力発電所の事故は、それこそ日本が長い時間をかけて世界の市場の中で育ててきた、主に口に入る日本製品に対する「品質」と「安全性」の高さを一朝にして失わせました。
こうした価値は抽象的概念ではなく、会計学上「かんばん」として、金銭的価値が認められ、具体的金額も積算可能です。
今回、福島第一原子力発電所の事故で失った『日本品質』の金銭的価値は、膨大な金額に昇るはずです。

農業生産物、漁業資源などに対する汚染が広がったことも、観光地に海外からの観光客が来なくなったことも、すべて経済的損失を生じているはずであり、その金額もまた膨大な額に上るはずです。

そして、日本各地にたまり始めた『放射能汚染焼却灰』と福島第一原発にたまり続ける大量の汚染水。
どこにも持って行きようがなく、海外の専門業者に処分を依頼すれば、これもまた莫大な費用を必要とします。
しかも、その場所にある、というだけで近隣の人々の健康に脅威を与え続けます。

経済の根本主体である人間の生命・生存を脅かしても、経済効率を優先させるべき。
ただし、いったん事故が起きれば効率どころか莫大な損失を出し、子ども達の将来も台無しにする可能性があるが、それは考慮しない。

経済学史上最大の愚論のひとつだと思うのですが、いかがでしょうか?

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【 原子炉の地震リスクは、当初考えられていたよりも深刻である 】〈第3回〉

ワシントンAP通信社 / アメリカCBSニュース
2011年9月2日

別の問題が先月報告されました。
GE日立ニュークリアエナジーは、原子炉が低速運転で動作中に地震が襲った場合、古い制御棒が原子炉を突き当たる可能性があることを認めたのです。
制御棒は、核反応を停止する際必要となります。
メーカーはアメリカ国内の24の原子力発電所の35の原子炉について、この問題に起因する交換が必要かどうかを検討するよう、警告しています。
AP通信社が行ったこれらの原子炉及び関連設備の保全状況に対するチェックの結果、6月に行われた一連の調査では年数が経過した原子炉を安全基準内であるとするため、安全基準そのものが緩められたことが証明されました。

NRCは昨年地震リスクの予備的な計算を行いましたが、ほとんどの原子力発電所の建設以来、政府機関が脅威の再評価を行ったのは初めてのことでした。
「原子力発電所は当初認識されていたよりも、脆弱であることが明らかになりました。ただ、地震そのものはごくまれにしか襲ってこないのです。」
NRCの地震学者カマーラーはこう指摘しました。
一世代前に建てられた原子力発電所は、これまでその地域で発生したことがあるすべての地震よりも大きな揺れにも耐えるように設計されました。
科学者は起こりうる地震について、より正確な推定をすることが可能になって います。
しかしいくつかのケースでは、起こりうる地震は、原子炉が設計上耐えられる ものより大きく、より頻繁な可能性があります。

「彼らはいったん一定の水準を満たしているとわかれば、それ以上の調査はしません。」カリフォルニア州ニューポートビーチのシンプソン・ガンパーツ& ヘッガー社の産業コンサルタント・グレゴリー・ハーディは業界が以前に行った評価のいくつかの方法について語りました。
「40年前、これらの原子力発電所が稼働したとき、地震リスクなど考えもしませんでした。誰も、何も。」
事業者が2003年に米国内中央部と東部で、すでに稼働している原子力発電所で新しい原子炉を建設するための申請をするまで、NRCの地震学者に地震リスクの増大が問題であるとの認識はありませんでした。
すべての新規の原子力発電所に必 要な現在の申請事項には、地震によってもたらされるリスクの徹底的な分析が求められています。
いくつかのケースにおいて、1990年代初めに業界によって最悪の場合の災害について幅広く検討され、計算された予測よりもリスクは遥かに高いものになったのです。
「1990年代後半から新規の原子炉建設申請までの期間、私たちは障害がより大きなものになった事について、いくつかの考えを確かに持っていたのです。」
NRC原子炉担当事務局・上級技術顧問 クリフォード・マンソンは語りました。
しかし調査のいくつかには、予測されている地震波が原子力発電所に損害を与えるかどうかで、意見の相違があったことの指摘があった、とマンソンは語ります。
もうひとりのNRCの上級技術顧問カマル・マノリーは
「私たちに迅速な行動を求める警告のようなものは、特には見当たらなかった。」と述べています。

しかし日本の事故後、米国の安全勧告を行うためにオバマ大統領が編成した特別委員会は、その事に疑問を持っています。
特別委員会が3ヶ月の検討の上明らかにした勧告書では、既存の原子炉はもっと頻繁に地震リスクを再検討すべきと結論づけています。
一方で何人かの原子炉技術者は、NRCの初期の分析に対して警戒をあらわにし、技術者自身による原子炉の最初の分析では、地震リスクはさらに低いものであると述べています。
政府と産業界のこの見解の相違について、第三者審査を依頼するよう求められています。

「原子力発電所の運営母体が地震分析者に対し、その原子力発電所が改修が必要か、それともそのままで更新可能かを決定させてしまう、という論理を無視したやり方が行われています。特にディアブロ・キャニオンでは。」
地球物理学者で、カリフォルニア州上院議員サム・ブレークスリーはこのように語りました。 
彼はカリフォルニア州議会で同州エネルギー委員会に、地震リスクを評価する役割を与える法案を後押しました。
「こうした技術情報を生かすためには、もっと大局的に物事を見る必要があります。」

不確実性は常につきまとうのです、と専門家は語ります。
「すべての原子力発電所が一度でも大地震に遭遇したことがない限り、確実なことなど何もありません。現実例は日本における、3月の福島第一原発ともう一つ、2007年の柏崎刈羽原子力発電所の事故の例しか無いのです。」
とハーディが語りました。
「合衆国内の原子力発電所は安全である、ということに技術的にはかなりの手ごたえはあります。
しかし、どれだけの対応をとれば安全が証明できるのか、それだけはわかないのです。」

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