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【 原子力発電所こそは、この地上における、最も巨大な『処理不能』の核廃棄物 】《第2回》

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所要時間 約 8分

放射性廃棄物の山は、見るものを戦慄させずにはおかない
これまで知られていなかった、新たなる核廃棄物の問題が表面化

デア・シュピーゲル(ドイツ) 5月10日

▽ 『静かな海と楽しい航海』には程遠い現状

廃炉06
しかし、順調に進んでいることなど何もないようにも見受けられます。
それどころか、原子力発電を段階的に廃止するためには、国内にあるすべての原子炉を廃炉にするという、非常に困難の伴う事業をやり遂げる必要があります。
福島第一原発の事故を受け、原子力発電を廃止するとい政府の決定を受け、ドイツ国内ではまず8基の原子炉が直ちに停止しました。
そして残る9基についても、2022年までにすべて稼働を停止することになっています。

しかしこれらの原子炉の廃炉作業に関する、具体的なロードマップはまだありません。
さらに悪いことには、莫大な量の核廃棄物の存在が明らかになり、規制当局が対応に窮するあまり、廃炉作業に関する安全基準を緩めようとしているとの批判が巻き起こっています。

現在、最終処分場の候補地として、2か所の名前が挙がっています。
アルトマイヤー環境大臣の提案による廃棄物のための法案は、高放射性廃棄物を永久地層保存するための処分場を2031年までに決定することを求めています。

これまで長く、ドイツ西部のニーダーザクセン州ゴールベンにある岩塩ドーム(岩塩を採掘した後に残された地中の空洞)が、最終処分場の最有力候補とされてきました。
しかし地元で大規模な反対運動が起きるなどして、激しい議論の的になっていたこの計画は白紙に戻されました。
最終処分場の選定は、一からやり直さなければなりません。

廃炉05
中部ドイツ、ザルツギッター近くにあるコンラート鉄鉱石鉱山跡地は、すでに廃炉が完了した原子炉と現在廃炉作業が行われている原子炉から排出されるこ低レベルと中レベルの放射性廃棄物の処分場として検討されてきました。

しかし、利用開始時期がつい最近、2019年から2021年に延期される事態となりました。

そうしている間にも、中間貯蔵施設では核廃棄物の量が絶えず増え続けています。
例えばドイツ西部のノルトライン‐ヴェストファーレン州のアハウス、東部のメクレンブルク‐西ポメラニア州のグライフスヴァルトでは、核廃棄物を最終処分のために細かく裁断する作業が続いています。
こうして作られた放射性廃棄物の山は、100,000立方メートルに膨らみ、見るものを戦慄させずにはおかない状態になっています。

しかしこれらの場所でも量的な限界が近づいている上、保管状況にも問題が出始め、各電力会社は古い施設内にある核廃棄物を、もっと規模の大きな中間貯蔵施設に移し替えることを検討しています。
具体例としては、ドイツ南部のオブリグハイム、そして南部のシュターデでは巨大な発電機が原子炉から取り外されましたが、保管場所を確保できず、その一部をスウェーデンにまで運んでいかなければなりませんでした。

すでに明らかになったこれらの問題の他にも、新たな問題がある事がここに来て明らかになりました。
それはグラファイト廃棄物と劣化ウランの存在で、処分場所について、全く検討されてこなかったために、コンラート鉄鉱石鉱山跡地に送ることもできません。

廃炉07
これらは原子力発電所内において、放射性物質に高濃度に汚染されていると考えられ、これから検討しなければならない最終処分場に、高放射性核廃棄物と一緒に地層処分しなければならないものと見られています。
放射線防護委員会ドイツ連邦事務所の試算では、この核廃棄物が国内に105,500立方メートルあると見積もられています。

これまでこうした問題がある事は、一部の専門家の間でしか認識されていませんでした。

この問題はこれから行われるドイツの廃炉作業にとって、新たな難問の一つになるかもしれません。

「最悪の場合、この核廃棄物の処分場はドイツ国内のどこにも確保することが出来ない、という事になりかねません。」
ハノーバー在住の、独立した原子力発電の専門家であるヴォフガング・ノイマン氏がこう警告しました。
「これからさらに別の最終処分場を確保しなければならなくなるでしょう。」

ドイツ環境省はこれまで最終処分場の候補地として2か所を確保したのみですが、この第3の処分場の必要性について否定はしていません。

現在のところ、原子力発電所の廃炉作業を行わなければならない4つの電力会社は、この廃棄物については問題視していません。
しかしそれはNIS – インゲノイスゲゼルシャフトという、一民間企業の調査報告を根拠とする判断に過ぎません。
つい最近まで、この報告書はドイツ環境省の管理の下、一般には公開されませんでした。
緑の党のシルヴィア・コッティング・ユール議員の度重なる要求に応じ、彼女は新たな廃棄物の問題を軽視している証拠である、この調査報告書を入手し一般公開しました。

廃炉08
廃炉作業をすぐに開始する。
あるいは将来の廃炉作業開始に向け、停止状態のまま放置される。
この場合はもっと放射線量が下がった環境で廃炉作業を行うために、原子炉は最大30年文字通り手つかずのまま据え置かれることになります。

〈 第3回につづく 〉

http://www.spiegel.de/international/germany/germany-faces-tough-decisions-as-it-dismantles-nuclear-plants-a-899063.html
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この記事を読む進むうちに、良くわかることがあります。
それはこの地球上に決して建設してはならないもの、それが原子力発電所である、という事です。

ドイツが廃炉にしなければならない原子力発電所の数は18基です。
これに対し、日本は福島第一原発を含めると、いずれ54基に上る原子炉を廃炉にしなければなりません。
永久に使うことが出来る原子炉など存在しないからです。

現政権は国内では「原子炉再稼働を推進」し、インドやトルコを始めとする国々には原子力発電所の輸出を拡大すると宣言しました。
しかし原子力発電所の稼働によって排出される核廃棄物の最終処分については、何ら『明言』できずにいます。
出来るわけがないのです。

最終処分場の受け入れを明言した市町村など、どこにもありません。
敦賀原発の下に活断層があるとする原子力規制委員会の結論に対し、自分たちの利権が侵されたと憤る敦賀市議会議員も、こと核廃棄物の問題についてはまるで『ノー・アイディア』のはず。
無責任も極まれりと言わなければなりません。

 

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