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【 原子力発電にさよならを!人間も、地球も、もうこれ以上耐えるのは無理 】〈1〉

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所要時間 約 8分

原子力発電は人類最大の失敗のひとつであり、100年かけてもその状況を好転させる事はできない
真実を隠蔽し偽りを公表する事は、原子力産業にとって必要欠くべからざる事であった
原子力発電の歴史、それは公表が不可能な事実、隠蔽、そして過小報告に集約される

アダム・チメンティ / ル・モンド・ディプロマティーク

4号機建屋
『原子物理学の父』と呼ばれるアーネスト・ラザフォードが1917年に原子を最初に分裂させて以来、人類は原子エネルギーを自らの手に収めようと争って解明に務めてきました。
しかし原子エネルギーの持つ恐るべき力が解明されていくにつれ、今度は先進各国はこの技術の濫用や不正使用に対し、あらゆる手段を講じてその懸念を回避する作業に追われる事になったのです。
しかし国際社会にとって危険な存在である独裁政権や一部の組織が、世界を屈服させるためにこの莫大なパワーを乱用する事に対する懸念は拡大する一方だったのです。
しかし核、すなわち原子力エネルギーに関するその他の問題については、各国政府や国民はこれまではそれほど強い関心を持つ事はありせんでした。

広島と長崎に対する原爆投下、そして2,000階以上繰りかえされた核兵器実験の後、原子力エネルギーについてはいわゆる 『核の平和利用』の時代がやってきました。

1953年、国連においてアメリカのドワイト・アイゼンハワー米大統領は、原子力エネルギーの平和利用により、新たな時代がやってくると演説しました。
「かつてない程巨大な破壊的を持つ原子力エネルギーは、これからすべての人類のために、大きな利益をもたらす手段へと進化していく事になるのです。これから先は、鯨油や木材に頼る時代ではないのです。石油・石炭に対する需要も減少していき、ガソリンに代わって原子力が日常生活のエネルギー源として社会を支えていく事になるでしょう。」
1955年のLOOK誌は記事中でこう伝えました。

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共感を込めてこの記事を書いたD.O.ウッドベリは、原子力飛行機、原子力船が現実のものとなり、ガンと大部分の病気の治療すら可能になると考えていました。
彼は読者にこう問いかけたのです。
「原子力エネルギーとその研究開発が、この分野の先駆者たちが私たちに約束した夢のような未来と幸福な生活をもたらすということに、疑問を挟む余地などあるだろうか?」

しかし夢のような未来も、幸せに満ちた生活も、人類はそのどちらもほとんど手にする事は無かったのです。

その代わりに得たものは、スリーマイル島(1979年のアメリカ、ペンシルバニア州)、チェルノブイリ(1986年のソ連、ウクライナ)、ハンフォード(1944年以降放射性物質の漏出を続けていたアメリカ・ワシントン州の原子力複合施設)、そして2011年のフクシマ…。
人類は繰り返された事故、そして放射性物質の漏出事故に絶え続けなければなりませんでした。

ある評論家はこう語りました。
原子力発電は人類最大の失敗のひとつであり、100年かけてもその状況を好転させる事はできない、と。

▽『未来を創り出す平和利用』の成れの果て

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各国政府と原子力産業の癒着は、これまで人間の健康と安全な地球環境に対する侮れない脅威を作り続けてきた可能性があります。
原子力産業は現実には不可能な技術の宣伝を行い、不正や失敗の隠蔽を謀ってきた事が明らかにされました。

アメリカ国務省の文書によれば、東京電力も福島第一原子力発電所も巨大地震の襲来に対し有効な対策をとっていない事が、2011年の事故以前にすでに明らかになっていました。これは事故後に東京電力も認めていることです。

しかしこの重要な認識は、東京電力と当時の通産省(現在の経済産業省)との間の癒着・共謀により実際の危険性を過小に報告し
、結局は正しい対策をとる事の必要性を無視するという結果につながってしまいました。
2011年3月の事故が発生するわずか数年前の事でした。
日本の原子力ムラは福島第一原発でメルトダウンが発生する直前まで、福島第一原発が抱える本当の危険性について検証・警告する専門家などを人々の視界から追い払うために、ありとあらゆる手段を使ったのです。
そして日本政府も、巨大地震に耐えるだけの安全性を確保する事は不可能であるという判断から、日本海側の金沢にある原子力発電所を閉鎖せよという裁判所の判決をひっくり返すという挙に出ました。

※スティーブン・スウィンフォード、クリストファー・ホープ「巨大地震: 日本の原子力発電所に対する警告」(ザ・テレグラフ2011年3月15日))、ウィキリークス、 「日本の原子力産業の広告戦略が生んだ現実」原子力工学インターナショナル / 2007年9月14日号。

原子力政策

ヘレン・カルディコット博士

ヘレン・カルディコット博士

研究所を設立したヘレン・カルディコット博士などは、こうした真実を隠蔽し偽りを公表する事は、原子力産業にとって必要欠くべからざる事であったと批判しています。

この問題について一般市民に間違った認識を植えつけるという点においては、資本主義や社会主義、政治体制の違いは関係ありませんでした。
組織としてノーベル平和賞を受賞した『社会的責任を全うする物理学者連盟』は核兵器・原子力発電と人間の健康、地球環境の安全をテーマに活動を行っていますが、彼らはこう語っています。
「原子力産業の歴史、それは公表が不可能な事実、隠蔽、そして過小報告に集約される。そうした体質は現在も一切変わる事は無く、深刻な脅威であり続けている。」

〈 第2回につづく 〉

http://mondediplo.com/blogs/time-for-a-nuclear-phase-out
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連休とあって今日は居間でブルーノ・ワルターが指揮するモーツァルトを聴きながらこの原稿の翻訳をしていました。
重要なのはワルターやモーツァルトでは無く、原子力発電と人間、そして地球との関係です。
この記事の秀逸なところは、原子力発電だけではなく、原子力産業もまた「人類と地球に対する深刻な脅威であり続けている」という点ではないでしょうか。
ワルターが指揮するモーツァルトはヒューマニズムの美しさの結晶だと私は思いますが、原子力ムラ、そして何かと言えば「成長」を口にして金を見て人間を見ようとはせず、原子力ムラの後押しをしてはばからない現在の日本の政権などはその対極にあるものでしょう。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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