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【 自らを致命的危機に陥れる、人類最悪の選択 】《1》

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所要時間 約 10分

フクシマの事故は過去形ではない - 人間が作り出した、未だに続く、世界的規模の原子力災害である
原発関連の事故・トラブルは公式に報告されているよりも、はるかに多くの件数が発生している

 

アーニー・ガンダーセン

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 2016年7月29日

 

福島第一原発が引き起こした原子炉のメルトダウン事故は、現在稼働している別の原子力発電所についてどのような危険が存在することを私たちに示唆しているのでしょうか?

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのチーフ・エンジニアであるアーニー・ガンダーセン氏にご登場いただきます。

 

アーニー・ガンダーセン :
私が今日みなさんにお話したいのは、原子力発電に関する議論について原子力産業界がいかに自分たちに都合よく誘導を行っているか、という点についてです。
ここに一冊の本があります、題名は『Don't Think of An Elephant!(象のことなんか考えるな!- 象は米国民主党のマスコット。右派保守派の政治家たちの議論の手法について解説した本)』。
議論を始める際には、象、すなわち相手の立場を考えてはいけません。どうやって相手を自分の土俵に引き込むかを考えるのです。議論は通常、その土俵を作った側が勝つことになるのです。
私たちは反原発主義者というレッテルを貼られ、それで議論が終わったことにされてしまいます。

例を挙げましょう。
この文章のどこが間違っているでしょうか?
『福島第一原子力発電所の事故は、2011年3月11日に発生しました。』
事故?それも間違いのひとつです。実はこの短い文章の中には3つも誤りがあります。
過去形?そうです、災害はまだ続いているのです。

 

福島第一汚染水タンク

原子力産業界はフクシマについて語るとき、必ず過去形を用いますが、実際には太平洋に対する海洋汚染は現在進行形なのです。
この汚染を解消させるには100年という時間と5,000億ドルほどの費用が必要になりますが、原子力産業界は事故がすでに過去のものだと思わせたいのです。
①フクシマの事故は未だに続いているのであり②事故の規模は世界的なものです。
もしもあなたが車を運転している時に、飛んできたフクロウがフロントウィンドウに衝突してあなたがなにがしかのトラブルに見舞われれば、それは間違いなくアクシデント、事故に違いありません。
あなたはそうした事態を予見できなかったからです。

しかし日本の国会事故調査委員会は、これはアクシデントではないと結論づけました。
人間の手によるものだったからです。
まさに人間の手によって作りだされたものなのです。

技術者たちは、その可能性があることを40年前から知っていました。
フクシマという時限爆弾の導火線は1967年、福島第一原子力発電所が建設され始めた時に点火されたのです。
そして2011年、福島第一原発の原子炉建屋が爆発しました。
しかし福島第一原発の事故はアクシデントではありませんでした。
人間が作り出したのです。

東京電力・広瀬
事故はアクシデントではなく、人災でした。
私はフクシマに関する語彙の中からアクシデントという言葉を取り除こうとしましたが、長年原子力産業界のエンジニアであった私には、その表現がすっかり染みついてしまっています。
それに誰もが口をそろえてアクシデントと呼んでいます。
しかし実際には災害、フクシマの事故は人間の手から作りだされた災害なのです。

フクシマというのは本来美しい、すばらしい県を指す言葉でしたが、現在は多くの人が福島第一原発の事を指してこの言葉を使います。
福島第一原発は福島第二原発の約10キロ南にあります。
場所を比較するとカリフォルニア州と似たような状況にあり、福島第一原発同様の事故がカリフォルニアでも起きうる可能性があることが理解できるはずです。

福島第一原発の事故を正しく災害と表現することには、福島で暮らす人々にとって決して無意味なことではありません。

とにかく話を前に進めましょう。
お話ししたいポイントは4つあります。

汚染水タンク02
最初は原発関連のトラブルは、原子力規制委員会などの監視機関に公式に報告されているよりはるかに多くの件数が発生しているという事実です。
政治家は国民に対し過小な報告を行い、原子力産業界も実際の規模や件数を過少に報告していますが、実際にはもっと数多くの問題が発生し、その内容も深刻です。

時間の経過とともにこうした事故やトラブルの状態は悪化して行きました。改善では無く、悪化して行ったのです。
特に3度目の事故、福島第一原子力発電所は最悪でした。我々アメリカ人にとっては幸いなことに、福島第一原発の事故に比べればスリーマイルの事故は最悪とまではいきませんでした。
しかし福島第一原発が放出した放射性物質はここアメリカの西海岸やカリフォルニアにまで到達しました。
放射能に国境線など無いという事実を証明することになりました。

私の生涯を振り返ってみると、大学を卒業したばかりの私が見ていた事実というものがあります。
その時私の視界にあったものは、原子力工学の学問がそのまま生かせるような世界だったはずです。
その時の私は今ここに立っている私よりも希望に輝いていたかもしれませんが、決して賢明では無かったと思います。
年齢を重ねることによって私の脳は少々退化したかもしれませんが、知恵深くなりました。
そして40年を超えて原子力の世界に身を置いてきた間の体験というものがあります。

 

chernobyl01
私たち人類はまず、スリーマイル島の事故で部分的なメルトダウンに遭遇しました。
続いてチェルノブイリで完全なメルトダウンが発生しました。
そして私たちは、福島第一原発1号機の完全なメルトダウン、2号機の完全なメルトダウン、3号機の完全なメルトダウン、それが同時に発生するという未曾有の事故に直面させられることになったのです。

 

《2》に続く
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//world-in-danger
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8月の新聞紙面に『もんじゅ』の敷地の地下にあるのは活断層ではないと有識者会議が結論を出し、原子力規制委員会がそれを受け入れたという記事がありました。
活断層かどうかという議論より、もんじゅをこれからも動かすつもりなのか?!ということの方に衝撃と怒りを感じました。
今日からご紹介する稿にある通り、「もんじゅを今後も存続させる」ということを前提条件に議論の設定をしてしまっています。
しかし、福島第一原発の事故後の国民的議論においては、もんじゅはもうやめるべきだという意見が大勢を占めていたはずでした。
原発のように、巨大な利権が絡み、膨大な数の利害関係者が群がる事業は、ちょっとでも監視の目を緩めるとこうなるのだということを如実に証明する報道でした。

 

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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《2》

アメリカNBCニュース 2016年9月16日

 

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2016年9月1日ハマ北部のスーランから脱出する途中、政府軍のものと思われる攻撃によって炎上する車の中から生存者を救出しようとするホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)
ボランティアのネットワークによって運営されているホワイト・ヘルメットは、現在政府軍のものとみられる攻撃から市民を真っ先に救出し続けています。

 

2016年1月9日、イドリブ地区の反政府勢力が実効支配するマーレト・アル・ヌアンに対しロシア軍とみられる空爆が行われた際、死亡した幼児を抱えて歩くホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真下・以下同じ)

彼らの活動は常に命がけです。メンバーを構成するのは大工や学生、教師や弁護士などです。

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2014年7月27日、アレッポ市内で救出活動中に、続けて行われた攻撃により瓦礫の間に埋もれ脱出できなくなったホワイトヘルメットのメンバー。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

 

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