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【 共謀罪 – 基本的人権の侵害に懸念を表明する国連、感情的に反発する安倍政権 】

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これ程不備の多い法案を、これ程急いでこれ程強引に可決成立させる正当性は全く認められない

警察は陰謀の疑いがあると断定さえすれば、市民の権利を一方的に蹂躙できるようになる

 

リンダ・シーグ / ロイター 2017年5月14日

 

安倍政権が現在テロ等対策法案、共謀罪法案の成立を図っていることに対し、国連の独立した専門家による監視委員会が懸念を伝えてきたことついて、日本政府は22日月曜日、書簡で抗議しました。

この法案が成立すれば、日本の警察は陰謀の疑いがあると断定さえすれば市民の権利を一方的に蹂躙できるようになります。

国連のプライバシーの権利に関する国連特別報告官のジョセフ・ケナタッチ氏は菅義偉官房長官から受け取った抗議文について、「怒りに満ちた表現に終始し」「中身に乏しいものだった」と一蹴し、ロイターの取材に対し固い口調のコメントを電子メールで回答しました。

 

日本の衆議院は早ければ23日火曜日にこの議案を通過させることになっています。

そして成立に向け、参議院での審議を急がせることにしています。

 

国連の国際組織犯罪に対応する国連の条約の批准と、テロリズムと戦うため、さらには2020年の東京オリンピックを主催する準備のためにも、安倍政権は現在の法体系の変更が必要だと主張しています。

しかしこの動きに反対している人々は、個人の基本的人権を犠牲にして政府の権限を一方的に強化していくという安部政権の政策の一環でしかないと批判を強めています。

 

5月18日ケナタッチ報告官の書簡の内容について菅官房長官は、

「明らかに不適当な内容であり、我々は強く抗議しました」

と語りました。

「この法律が個人のプライバシーを侵害したり言論の自由を不当に制限するように濫用されることは、まったくありえません。」

菅官房長官はこう付け加えました。

 

国連人権高等弁務官オフィスのウェブサイトで公開されている書簡の中でケナタッチ調査官は、日本のテロ等対策法の適用基準が漠然としている上に広範囲に及んでおり、

「プライバシーの権利の不当な侵害と表現の自由が一方的に制限される」

懸念について言及しました。

ケナタッチ報告官は安倍首相に対し、今回の法案が基本的人権に関する国際基準に適合しているかどうかという懸念に対し、正確な情報を提供するよう依頼しています。

 

「私自身は安倍首相にあてた書簡の中の一言一句、文章の区切り方やピリオドの打ち方まで、何ら誤った指摘はしていないと確信しています。誤っているというのなら、一語一語具体的な指摘を行うべきです。」

ケナタッチ調査官はロイターの取材に対する電子メールの回答の中で、このように語りました。

「日本政府がこのような不備の多い法案を、これ程急いでこれ程強引に可決成立させる正当性を、私は全く認めることができません。」

 

日本弁護士連合会を含めこの法案に反対している人々は、警察の捜査範囲と捜査権限を拡大し、法定での証言拒否を認めることを含むテロ等対策法案による今回の法改正は、政府の政策に反対する市民運動を一方的に抑え込むことを可能にする恐れがあると警告しました。

日本政府は一般市民をターゲットにすることは無いと保証していますが、弁護士のグループは組織犯罪またはテロリズムとは無関係な行為までが今回の法改正により犯罪と断定されてしまうという懸念について表明しました。

 

国連が国境を越える組織犯罪に関する条約を制定したことに合わせ、日本政府は2000年以降3回今回と内容が似通った法律を可決させようとしてきました。

今回も一般市民を始め大きな抗議が巻き起こっていますが、連立政権を率いる安部首相は衆参両院で3分の2以上の議席を制している力を背景にテロ等対策法案を立法化させると見られています。

 

法案成立を支持している国民が39.9パーセントであるのに対し、反対派41.4パーセントと、21日日曜日に共同通信社が行なった世論調査では、国民の意見も真っ二つに割れている事実を示しています。

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-politics-conspiracy-idUKKBN18I0CH

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この稿の掲載の前日、問題のテロ等対策法案が衆議院を通過しましたが、私たち「一般市民」は国政選挙に無関心・無行動でいたことにより、自分たちの社会の民主主義が着々と破壊されていく結果になったという危機感を今こそ肝に銘じなければならないと思います。

軍国主義国家時代の日本の「一般市民」がどれ程怯えながら暮らしていたか、それを知る人は少なくなってしまいましたが、風化させて良い記憶とさせてはならない記憶があるはずです。

『北朝鮮の脅威』ばかりが強調されますが、自分たちが暮らす社会に強権国家が誕生することの脅威の方が害は直接的かつ深刻なはずです。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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