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【 個人的人気に頼ってばかり、一部の『第3極』政党、その政策に一貫性などは無い 】

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所要時間 約 10分

目指すところは、とにかく票の獲得

エコノミスト 11月24日


日本のみなさんは自由民主党(Liberal-Democratic Party・LDP)に関して、こんなジョークがあるのをご存じでしょうか。

リベラル?
民主主義(デモクラシー)?
どっちもまるで関係ないじゃないか!

1950年代、折からの冷戦時代にいろいろな反社会主義勢力が寄り集まって急造された自民党ですが、それでも2009年にその座を降りるまで、半世紀以上日本の政権の座にあり続けました。
結党以来半世紀以上が過ぎましたが、12月16日に野田首相が衆議員議員選挙の実施を決め、14の政党が選挙に向け走り出した日本では、再び歴史が繰り返されることになるかもしれません。

野田首相率いる民主党の弱体化が進むのに反比例し、勢力を伸ばしつつある新たな政党の大部分は右派であり、日本の再生を目指している点で一致しています。
その目指すところがその政党名に反映されています、いわく太陽、再生、そして維新。
日本の有権者にとっての関心事は、他にこれらの勢力に共通するものは何だろうか、という事でしょう。

投票日を目前に控え、日本のメディアが民主党、自民党、いずれにも属さない勢力を『第3極』と表現するようになってから、指導者達はこの勢力をまとめ上げることに腐心しています。

多くの有権者は民主党政権には決別したいと願う一方で、自民党政権時代には戻りたくない、と考えています。
世論調査の結果民主党も、自民党も議席の過半数をとることが不可能であることを明らかにしました。
こうして有権者の意識から、『第3極』の政党が互いに効果的な同盟関係を実現するか、あるいはこの中から一党が抜きんでて大きくなれば、政治の場で大きな影響力を持つことが可能になります。

こうした状況を受け、本来持っている政治方針がどんなものであれ、とりあえず目立つ者同士が連携して選挙に臨もうではないか、という流れが加速されることになりました。
常々反中国の態度を露わにしていた老兵、石原慎太郎氏は東京都知事を辞任し、右翼政党太陽の党を作ったわずか数日後、今度は橋下徹大阪市長が率いる維新の会(JRP)と合併し、党首の座に収まりました。

その政策の違いから言って、この2人がそれまでの主張をひるがえしてまで、一緒にならなければならない必然性ははた目には見当たりませんでした。

橋下氏の方は、日本が2030年代に原子力発電を廃止するという公約を撤回しました。
一方の石原氏は、アメリカが主導する自由貿易協定、環太平洋パートナーシップ(TPP)への参加には断固反対するという姿勢を、急激に軟化させました。

この劇薬を敢えて飲み込むような連携に驚いたのは、それぞれとの連携の可能性について検討していた『第3極』の別の二つの政党でした。
TPPに反対し、脱原発を訴えるみんなの党と、石原氏との連携を図っていた減税日本です。

しかしこうした攻防もその影響は限定的なものに留まるでしょう。
今回の選挙には、あまりに多くの演じ手がいるからです。


自民党安倍晋三総裁の人気には最近陰りが見えてきましたが、それでも自民党の支持率は25%と、政権与党の民主党の2倍ある事を、世論調査の結果は明らかにしています。
一方の野田首相も、衆議院を解散した辺りから、若干支持率を回復しました。

有権者の投票行動の予測がつきがたいことについて、ブログ『施策』を主宰するマイケル・キューセク氏は、一部の『第3極』の政党について、連携から受ける恩恵ばかりを重視するため、その政策はとってつけたような物ばかりで、党首の個人的人気に頼り過ぎており、やたらと愛国心を煽っている、と指摘しました。

一方、自民党や民主党を支持する実業界寄りの勢力は、選挙後、それぞれの政策実現のため、その場しのぎの勢力形成をする可能性があります。
過去にも『大連立』が試みられたことがありましたが、その時は失敗しています。

選挙後の日本について、今のところ確実に言えることは『右傾化』するだろうという事です。

尖閣諸島をめぐる問題で中国との紛争を引き起こし、日本経済に大きな打撃を与えた石原氏は、いっさい反省などしていません。

どころか先月東京都知事を引退して以来、『醜い』日本国憲法を改定し、中国に対しより一層強硬な姿勢で臨むと誓っています。
石原氏は日本の核武装を主張し、第二次世界大戦中の1937年、中国で起きた南京事件の存在を否定しています。
南京市と姉妹都市の関係を持つ名古屋市長で、減税日本の党首である河村たかし氏もまた、南京事件の存在については、疑問を口にしたことがあります。

早くから維新の会との連携について交渉を重ねてきたみんなの党ですが、政策が目まぐるしく変わる様を見て、連携交渉から手を引くことにしました。

しかし、選挙結果が明らかになったその晩に、政党の代表たちによる密室での謀議が始まり、再び各政党の政策は形の違ったものになるでしょう。
「いずれにしても、各党の指導者次第です。」
みんなの党の浅尾慶一郎議員が語りました。

「そのときは、そのとき」なのです。

http://www.economist.com/news/asia/21567116-small-parties-vague-manifestos-hope-entice-fed-up-japanese-voters-pole-dancers
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17世紀のピューリタン革命、そして名誉革命以来、営々と『民主主義社会』を築き上げてきた英国のメディア、特にエコノミストの記事には見るべきものがあります。
という訳で、少し前の記事ですが、あえて掲載しました。

英国では保守党も、労働党も、議員の資質を問うことについては、極めて厳格であるという事を一度ご紹介したことがあります。
一度その『人間性』を疑われてしまったら、国会議員はおろか、地方議員でいることも許されないと。
そうした意味では、差別発言を繰り返してきたイシハラ氏が、英国保守党の議員になることはまず絶望的だと思います。
逆に言えば、英国国民はこうした人間が国会議員はおろか、地方議員でいることも許さないということです。

もう10年以上も前のことですが、日米の共同制作、NHKの『映像の世紀』全巻のビデオを20数万円はたいて購入したことがあります。
そのドキュメンタリーの中、頭にこびりついているシーンがあります。
太平洋戦争末期の特攻隊のシーンです。
私はこういう「攻撃方法」を組織ぐるみで考え出したことがある、というだけで日本人は戦争などやってはならないと思っています。

特攻を目撃したアメリカ海軍の兵士の証言があります。
「この人たちを見ていると、胃がきりきりと痛くなります。
この人たちは、どうしてこんなことが出来るのだろう?
私も国を守るために海軍に志願し、こうして戦場に出ることで国に貢献しようと思っています。
しかし特攻隊の人たちがやっている、こんなやり方では…」
ほぼこのような内容だったと思います。
出来るも出来ないも、それ以外の選択を許されなかったというのが真相でしょう。
その特攻をひたすら美化しているのが、イシハラ氏です。

国民を守るための戦争ではなく、体制を守るために国民の命を使い捨てることを美化する心は明らかに病んでいる、司馬遼太郎さんも確かそのように書いておられました。

この国のモラルが低下している一番大きな責任は、表向き言う事と実際にやることがまるで違う事をさんざん国民に見せてきた、この国の政治に帰せられるべきだと私は思っています。
それを国民の問題にすり替え、自らについては反省することなど思いもつかない政治家に、この国の将来を託せるのでしょうか?

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【 冬景色 】

アメリカNBCニュース 12月4日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

スイス、チューリッヒ郊外。11月29日。


カナダ、アルバータ州ルイーズ湖。11月22日。


アメリカ、コロラド州アイダホ・スプリングス。11月20日。


ドイツ、ミュンヘン。11月29日。


ロシア、モスクワ。11月29日。


オーストリア、ジーフェルト村。11月29日。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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